メインメニューを開く

阿毘達磨大毘婆沙論

大毘婆沙論から転送)

阿毘達磨大毘婆沙論』(あびだつま だいびばしゃろん、: Abhidharma-mahāvibhāṣā-śāstra)は、仏教の注釈書の1つ。略称として、『大毘婆沙論』や『婆沙論』が用いられる傾向にある。 また、これらの略称を用いる際には主に玄奘訳の『阿毘逹磨大毘婆沙論』を指す。 「アビダルマ」(abhidharma)は「法について」、「マハー」(mahā)は「大」、「ヴィバーシャー」(vibhāṣā)は「註釈・解説」、「シャーストラ」(śāstra)は「論・書」、すなわち総じて「法についての大きな註釈書」の意である。


目次

概要編集

本論は説一切有部の教説をまとめたとされる『発智論』に関する広大な注釈書である。玄奘の伝える伝説によれば、カニシカ王カシミールで主宰した結集の際の論蔵であるとされるが、定かではない。

本論は、玄奘訳の『阿毘逹磨大毘婆沙論』に対応する写本断片が一部発見されているものの、梵本や蔵本は発見されていない。 それに対して漢訳においては玄奘による漢訳200巻(「新訳」と略称する)をはじめ、浮陀跋摩による漢訳60巻(「旧訳」と略称する)、僧伽跋澄による漢訳14巻(『鞞婆沙』と略称する)が存在する。 旧来、これらは同本異訳と見なされる傾向にあったが、近年の研究ではこれらは異本別訳と捉える傾向にある。

派生・影響編集

阿毘曇心論』、『阿毘曇心論経』、『雑阿毘曇心論』、および『アビダルマコーシャ』(倶舎論)が本書の教理をまとめた綱要書であるとするのが木村泰賢以来、半ば定説化した学説である[1]

関係文献編集

脚注編集

[ヘルプ]

注釈編集

出典編集

  1. ^ 田中 1987, p. 28.

参考文献編集

  • 木村泰賢「大毘婆沙論結集の因縁に就て」(『木村泰賢全集』6、明治書院
  • 河村孝照「法救造五事毘婆沙論についての検討 - 大毘婆沙論研究の一環として - 」(『印度学仏教学研究』13-2)
  • 桝田善夫「阿毘達磨大毘婆沙論の一特相」(『佛教大学仏教文化研究所所報』2)
  • 田中教照「使品より見た『阿毘曇心論』の位置」第36巻第1号、JAPANESE ASSOCIATION OF INDIAN AND BUDDHIST STUDIES、1987年

関連項目編集