大河原町(おおがわらまち)は、宮城県南部の柴田郡に属するである。仙南圏の中央に位置する。

おおがわらまち ウィキデータを編集
大河原町
蔵王連峰一目千本桜白石川に映った逆さ蔵王

大河原町旗

大河原町章
1972年昭和47年)9月2日制定[1] 1972年(昭和47年)9月2日制定[1]
日本の旗 日本
地方 東北地方
都道府県 宮城県
柴田郡
市町村コード 04321-4
法人番号 5000020043214 ウィキデータを編集
面積 24.99km2
総人口 23,363[編集]
推計人口、2024年9月1日)
人口密度 935人/km2
隣接自治体 角田市白石市柴田郡柴田町村田町刈田郡蔵王町
町の木
町の花
町の鳥 白鳥
大河原町役場
町長 齋清志
所在地 989-1295
宮城県柴田郡大河原町字新南19
北緯38度02分58秒 東経140度43分51秒 / 北緯38.04939度 東経140.73075度 / 38.04939; 140.73075座標: 北緯38度02分58秒 東経140度43分51秒 / 北緯38.04939度 東経140.73075度 / 38.04939; 140.73075
大河原町役場庁舎
地図
町庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

大河原町位置図

― 政令指定都市 / ― 市 / ― 町・村

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大高山神社本殿

地理

町の中心部を白石川が流れる。冬季の早朝に見る白石川は美しい。また、白石川には毎年、多くの渡り鳥カモ類やコハクチョウオオハクチョウ)が飛来する。白石川の両岸には、隣の柴田郡柴田町にかけて約8km、約1200本の桜並木が続いており、「一目千本桜」として町民に親しまれている。桜の季節(例年4月中旬が見頃)には、すぐ横を走るJR東北本線の列車もこの区間は徐行運転を行う。この一目千本桜は、宮城県では柴田町の船岡城址公園とともに日本さくら名所100選の地に選ばれ、桜の季節は毎年多くの観光客が訪れる。また、夏は町内中にラベンダーが咲き揃う。

観光以外の面として、広域行政機関が所在する仙南行政の中心地となっている。大河原町は、地理的に柴田郡柴田町白石市角田市・柴田郡村田町からの人や車の流れが交わる位置にあり、宮城県南部の交通の要衝となっている。このため、町内の国道4号バイパス沿いには中小の店舗が林立し、宮城県南部随一の集客力を持つ商業地区となっている。一方で、かつての中心街であった駅前や本町・中町の商店街は寂れ、仙台方面を志向する人々へのベッドタウン化が進んでいる。駅前には行政主導で作られた複合商業施設があるが、テナントが未定の部分がある。

8月中旬頃に行われる「おおがわら夏まつり」の花火大会は、仙南地域では一番歴史が古い。

歴史

藩政時代には奥州街道沿いの大河原村には大河原宿が設置され、宿場町を形成していた。

伊達政宗に従った大河原村出身の鉄砲足軽が仙台城下町東八番丁に居住したため、東八番丁は「大河原町」(仙台弁発音:おがらまち)との別称でも呼ばれた[2]

1889年明治22年)4月1日、町村制施行にともない、大河原村、小山田村、大谷村、福田村の計4か村が合併して大河原町が発足した。

1917年(大正6年)から1923年(大正12年)にかけて、白石川の治水工事が行われ、流路の蛇行の解消や築堤が行われた[3]。工事が完了する半年前に、大河原出身で、当時、東京商機新聞の社長だった高山開治郎がソメイヨシノ1000本余りを町に寄贈した。寄贈された桜は治水工事で作られた堤防に植樹され、住人の有志や柴田農林学校の生徒によって保護、育成された[4]。これが現在、白石川を彩り「一目千本桜」と呼ばれる桜並木の起源である。

1956年昭和31年)9月30日、金ヶ瀬村と合併し、新制の大河原町が発足した。

2000年代に入ると日本各地で市町村合併の動きが多く見られるようになる。大河原町も2002年平成14年)12月25日に柴田町村田町と共に合併協議会を設置し、合併に向かって協議を進めた。しかし結果として協議は決裂し、2004年(平成16年)度末をもって合併協議会は廃止された。協議決裂の原因は、新市名が柴田市に決まったことに加え、合併後の市役所仮庁舎も柴田町役場に決まったことで、大河原町民に合併協議への不信感が生まれたことが要因とされる。

町名の由来

「大きな川を有する原」という意味ではない。「多くの河が合流する(逢う)原」という意味である。即ち、「逢河原」から「大河原」へと変化した。その地に「大河原宿」が設置され、人、物の交流の場となり、今日の「大河原」の基礎がつくられた。

行政

歴代町長

  • 「昭和の大合併」以前
氏名 就任 退任 備考
1 太田荘十郎 1889年明治22年)4月21日 1893年(明治26年)4月20日
2 高橋忠助 1893年(明治26年)4月22日 1896年(明治29年)9月12日
3 太田荘十郎 1896年(明治29年)9月23日 1899年(明治32年)6月26日 再任
4 渡辺紋十郎 1899年(明治32年)7月1日 1900年(明治33年)2月25日
5 太田荘十郎 1900年(明治33年)2月26日 1901年(明治34年)9月30日 再々任
6 富沢頼孝 1901年(明治34年)10月11日 1904年(明治37年)12月24日
7 大場善助 1905年(明治38年)3月3日 1916年大正5年)11月20日
8 渡辺音治 1917年(大正6年)11月21日 1919年(大正8年)3月7日
9 大須賀一善 1919年(大正8年)4月16日 1919年(大正8年)7月31日
10 須嶋豊治 1920年(大正9年)1月23日 1920年(大正9年)10月5日
11 飯淵辰一郎 1922年(大正11年)5月22日 1924年(大正13年)5月26日
12 佐藤源十郎 1924年(大正13年)7月3日 1932年昭和7年)7月2日
13 大槻鶴吉 1932年(昭和7年)7月3日 1937年(昭和12年)3月3日
14 庄司一郎 1937年(昭和12年)3月20日 1945年(昭和20年)12月23日
15 三浦孫一郎 1946年(昭和21年)2月5日 1949年(昭和24年)1月16日
16 吉田新三郎 1949年(昭和24年)2月23日 1956年(昭和31年)9月29日
  • 「昭和の大合併」以後
氏名 就任 退任 備考
1 佐藤源十郎 1956年(昭和31年)10月28日 1960年(昭和35年)10月27日
2 1960年(昭和35年)10月28日 1964年(昭和39年)10月27日
3 1964年(昭和39年)10月28日 1968年(昭和43年)10月27日
4 1968年(昭和43年)10月28日 1972年(昭和47年)10月27日
5 遠藤庄一 1972年(昭和47年)10月28日 1976年(昭和51年)10月27日
6 1976年(昭和51年)10月28日 1980年(昭和55年)10月27日
7 1980年(昭和55年)10月28日 1984年(昭和59年)10月27日
8 高橋誠一 1984年(昭和59年)10月28日 1988年(昭和63年)10月27日
9 佐藤卓郎 1988年(昭和63年)10月28日 1992年平成4年)10月27日
10 1992年(平成4年)10月28日 1996年(平成8年)10月27日
11 1996年(平成8年)10月28日 2000年(平成12年)10月27日
12 2000年(平成12年)10月28日 2004年(平成16年)10月27日
13 齋清志 2004年(平成16年)10月28日 2008年(平成20年)10月27日
14 2008年(平成20年)10月28日 2012年(平成24年)10月27日
15 伊勢敏 2012年(平成24年)10月28日 2016年(平成28年)10月27日
16 齋清志 2016年(平成28年)10月28日 2020年(令和2年)10月27日 再任
17 2020年(令和2年)10月28日 現職

地域

人口

 
大河原町と全国の年齢別人口分布(2005年) 大河原町の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 大河原町
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性
大河原町(に相当する地域)の人口の推移
1970年(昭和45年) 16,033人
1975年(昭和50年) 17,525人
1980年(昭和55年) 19,332人
1985年(昭和60年) 20,305人
1990年(平成2年) 20,901人
1995年(平成7年) 21,995人
2000年(平成12年) 22,767人
2005年(平成17年) 23,335人
2010年(平成22年) 23,530人
2015年(平成27年) 23,798人
2020年(令和2年) 23,571人
総務省統計局 国勢調査より


行政

国の機関

 
大河原労働基準監督署

厚生労働省

財務省

農林水産省

  • 東北農政局大河原庁舎
  • 東北農政局大河原統計・情報センター

防衛省

法務省

裁判所

県の機関

 
宮城県大河原合同庁舎
  • 宮城県大河原合同庁舎
    • 大河原地方振興事務所
    • 大河原農業改良普及センター
    • 大河原家畜保健衛生所
    • 大河原土木事務所
    • 大河原教育事務所
    • 仙南保健福祉事務所
    • 大河原県税事務所

町の機関

  • 大河原町役場

広域行政

警察

消防

 
大河原消防署

特殊法人

教育

高等学校

中学校

小学校

郵便

  • 大河原郵便局(集配局)
  • 大河原桜町郵便局  
  • 大河原幸町郵便局 
  • 金ケ瀬郵便局 

交通

 
大河原駅

鉄道

バス

  • ミヤコーバス
    • 川崎線
      大河原駅前 - 沼辺 - 村田営業所 - 川崎
    • 大河原遠刈田線
      大河原駅前 - 宮大橋 - 蔵王町役場 - 遠刈田温泉
      大河原駅前 - 宮小学校前

道路

一般国道
都道府県道

産業

本社を置く企業

菓匠三全(『仙台銘菓萩の月」』で知られる。「仙台」の指し示す範囲については「仙台」参照)の工場があり、工場所在地が従来本社となっていたが、現在は仙台市青葉区の「広瀬通り 大町本店」に本社を移している。

名産品

「一目千本桜」という名称で、日本酒味噌醤油などが販売されている。 「和豚もちぶた」という名のブランドが飼育されている。

金融機関

著名な出身者

脚注

注釈

  1. ^ 住所上は大河原町であるが、校庭の一部また周辺は柴田町になっている。

出典

  1. ^ a b 大河原町町章及び町旗制定条例”. 宮城県大河原町ホームページ (1972年9月2日). 2018年4月12日閲覧。
  2. ^ 資料6(仙台市・歴史的町名復活検討委員会
  3. ^ 『大河原町史』通史編738-741頁。
  4. ^ 『大河原町史』通史編783頁。

参考文献

  • 大河原町史編纂委員会 『大河原町史』通史編 大河原町、1982年。

関連項目

外部リンク