大阪府立柴島高等学校

日本の大阪府大阪市東淀川区にある公立高等学校

大阪府立柴島高等学校(おおさかふりつ くにじま こうとうがっこう、: Kunijima High School)は、大阪府大阪市東淀川区柴島にある公立総合学科高校。高校生急増期の昭和後期1975年に大阪市東淀川区住民の高校建設運動[1]により、府立95番目に新設された[2]知的障害者を受け入れる取り組みが昭和50年代1980年代)から行われ、2006年(平成18年)から知的障害生徒の自立支援コースも設置されている。

大阪府立柴島高等学校
大阪府立柴島高等学校
2007年平成19年〉7月撮影)
過去の名称 大阪府立第95高等学校
国公私立の別 公立学校
設置者 大阪府の旗 大阪府
設立年月日 1975年昭和50年)
共学・別学 男女共学
課程 全日制課程
単位制・学年制 単位制
設置学科 総合学科
学科内専門コース 知的障がい自立支援コース
学期 2学期制
高校コード 27114E
所在地 533-0024

北緯34度43分45.1秒 東経135度30分37.3秒 / 北緯34.729194度 東経135.510361度 / 34.729194; 135.510361座標: 北緯34度43分45.1秒 東経135度30分37.3秒 / 北緯34.729194度 東経135.510361度 / 34.729194; 135.510361
外部リンク 公式サイト
Portal.svg ウィキポータル 教育
Project.svg ウィキプロジェクト 学校
テンプレートを表示

概要編集

1971年昭和46年)誕生の黒田革新府政が、高校入試で「十五の春は泣かせない」政策[3]として、大幅に新設した府立高校の一つ[4]1973年度だけで開校13校が計画され各自治体が地元誘致運動を進める中[5]新大阪駅近くの被差別部落(日之出地区)で大賀正行らによる解放運動としての高校建設運動[6][1]によって、府立95番目として1975年に開校した[2]

教育課程全日制課程で、開校時は普通科だったが1996年平成8年)に、今宮高校松原高校とともに大阪府立高校として初めて総合学科へ改編。全国でも先駆ける3番手グループで、全国初の一挙3校・すべて普通科から転換で大きな注目を集め「高校改革のパイオニア」となり、教員を加配され施設も充実した[7]

柴島高校の総合学科では、福祉多文化理解、都市デザイン、エコロジー・サイエンス、ライフデザインの5系列を開設し、環境や福祉に関する科目スポーツに関する科目、大阪地理歴史に関する科目、外国語に関する科目、芸術に関する科目や、希望進路に応じた科目が開講されている。2-3年次で受講を希望する科目を、1年次にまとめて選択するシステムだが、半期ごとに科目選択の見直しができる。

同和教育・人権教育「語る」『開き』編集

開校の経緯から、同和教育に熱心に取り組んでいる。このため人権教育国際交流として、生徒が自分自身を語ることで、互いを認め合う取り組み[8]1991年平成3年)から続けられている[2]

毎年4月、新入生のため『学校開き』を開催。2、3年生が全校生徒の前で「自分を語る」行事で、自分自身のことを堂々と話す先輩の姿を見て、1年生は衝撃を受ける[8]。続いて4月下旬、1年生は全員1泊2日「クラス合宿」に参加。夕食後1人ずつ自分について語る合宿で、いじめ経験や心の病、親の国籍、経済的な貧困まで深夜まで語ることで、6月初旬の体育祭でクラスの団結が試される[8]仕組みで、『クラス開き』『学年開き』と呼ばれる行事である[2]

これら『開き』の取り組みについて、1992年平成4年)3月16日に毎日放送MBSテレビ)のドキュメンタリー番組「映像90」で『伝える言葉~大阪府立柴島高校~』として放送され[9]、この49分間の番組は同年の第13回「「地方の時代」映像祭」でグランプリ(大賞)を受賞した[10][2]

また2009年には、NHK教育テレビの番組ETV特集で『自分を語り、人とつながる~春・柴島高校1年2組~』として放送されている[8]

そのほか明治図書から『国際化時代の人権教育 柴高人権教育の創造と展開(高校改革への挑戦1)』(1994年)、『“生徒の自己開示”で始まる高校の学校開き 〔よのなか〕科との協働で拓く21世紀型人権教育』(成山治彦監修、2010年)として出版されている[2]

知的障害を受け入れる伝統編集

1980年昭和55年)に「準高生と共に柴高生活を送る会」(障害児とともに柴高生活を送る会。現「アミティエ・ライフを送る会」)が発足。学籍を置いた正式な生徒ではない知的障害者を「準高生」と呼び、積極的に受け入れる活動[2][11]で、この取り組みを受けて2001年平成13年)阿武野高校西成高校松原高校の府立3校ともに、大阪府の知的障害生徒の受け入れの調査研究校に指定された[2][12]

研究を基に2006年に知的障害生徒の「自立支援コース」として正式に設置された(定員3名)。自立支援コースは、柴島をはじめ阿武野高校、園芸高校貝塚高校堺東高校西成高校枚方なぎさ高校、松原高校、八尾翠翔高校の計9校に開設されている[13]

また全国36校の文部科学省通級指導研究指定校にもなり、2017年10月に試験導入。翌2018年度から「通級指導教室」を設置し、松原高校とともに通常の学級における特別支援教育を進めている[14]

沿革編集

年表編集

(年表の主な出典は公式サイトの沿革のページ[2]

基礎データ編集

交通アクセス編集

鉄道

象徴編集

制服

制服1981年昭和56年)ブレザースタイルに変更。1997年平成9年)デザインを一新した[2]

諸活動編集

部活動編集

クラブ活動では、硬式野球吹奏楽など普通の部活のほかに、人権教育平和教育環境教育国際交流に注力する学校を象徴する「和太鼓部」「部落問題研究会」「韓国朝鮮文化研究会」「中国文化研究会」「障がい者とともに柴島高校生活を送る会」「地域ボランティア交流会」などがある[15]

体育系クラブ
文化系クラブ

学校施設編集

校地は阪急電鉄の京都本線と千里線の線路に挟まれた形で立地。1998年平成10年)には福祉実習棟が完成した[2]。そのほかの校舎は半世紀以上前の開校時のままで、旧耐震基準既存不適格で震度6強の揺れで倒壊の恐れがある。このため2006年平成18年)から改修を行った[19]

高校関係者と組織編集

関連団体編集

  • 大阪府立柴島高等学校同窓会 - 同窓会。固有の団体名は無し。

高校関係者一覧編集

芸能
スポーツ

脚注編集

[脚注の使い方]
  1. ^ a b 日之出地区のコミュニティづくり その軌跡・現状・課題”. 大阪経済大学2011年平成23年)5月「大阪経大論集」第62巻第1号 (2011年5月1日). 2021年2月17日閲覧。
  2. ^ a b c d e f g h i j k 沿革/KUNIJIMA HIGH SCHOOL”. 大阪府立柴島高等学校. 2021年2月20日閲覧。
  3. ^ 十五の春(ジュウゴノハル)とは - コトバンク
  4. ^ 故黒田さん(元大阪府知事)偲び お別れする会/不破議長、桂米朝さんらがお別れの言葉/参列の2100人が献花 - 日本共産党
  5. ^ 『創立100周年記念誌』(大阪府立渋谷高等学校2017年
  6. ^ 同和・解放教育の一指導者が問いかける教育理論のあり方―横田三郎(1923-2010)の文章をどう読むべきか―”. 岡本洋之(兵庫大学) (2018年11月18日). 2021年2月20日閲覧。
  7. ^ 『学校を変える・授業を創る-今宮総合学科の挑戦』(学事出版、大脇康弘・田村昌平編、2002年
  8. ^ a b c d ETV特集 6月21日(日)「自分を語り、人とつながる~春・柴島高校1年2組~」”. NHKETV特集. 2021年2月21日閲覧。
  9. ^ 検索結果 映像90 伝える言葉 大阪府立柴島高校 - 放送ライブラリ公式ページ”. 放送ライブラリー毎日放送MBSテレビ). 2021年2月21日閲覧。
  10. ^ 過去のグランプリ一覧”. 「地方の時代」映像祭(MBSテレビ毎日放送). 2021年2月21日閲覧。
  11. ^ 「送る会」とは”. 大阪府立柴島高等学校. 2021年2月20日閲覧。
  12. ^ 知的障害のある生徒の高等学校受入れに係る調査研究 最終報告 平成18年5月” (2006-05-01publisher=大阪府教育委員会). 2021年2月20日閲覧。
  13. ^ 知的障がい生徒自立支援コース・共生推進教室の取組みの充実に向けて~10年間の成果をふまえて~(概要版)” (日本語). 大阪府. 2020年9月5日閲覧。
  14. ^ 大阪府/部落解放大阪府民共闘会議、同教育部会 2.インクルーシブ教育(回答)” (日本語). 大阪府庁(教育庁教育振興室支援教育課) (2019年3月15日). 2020年9月5日閲覧。
  15. ^ クラブ活動/KUNIJIMA HIGH SCHOOL”. 大阪府立柴島高等学校. 2021年2月20日閲覧。
  16. ^ “【日本高校ダンス部選手権】大阪府立柴島「青春できた」” (日本語). 産経新聞. (2019年8月16日). https://www.sankei.com/west/news/190816/wst1908160011-n1.html 2021年2月21日閲覧。 
  17. ^ “【スニーカーエイジ・動画】柴島が20年ぶりにグランプリ獲得 中高軽音コンテスト” (日本語). 産経新聞. (2017年12月24日). https://www.sankei.com/west/news/171224/wst1712240055-n1.html 2021年2月21日閲覧。 
  18. ^ “【スニーカーエイジ・動画】柴島高校(大阪)と吹田高校(大阪)がグランプリ大会へ 予選会第4日” (日本語). 産経新聞. (2016年8月15日). https://www.sankei.com/west/news/160815/wst1608150078-n1.html 2021年2月21日閲覧。 
  19. ^ 棟別耐震性能一覧表【府立学校】” (日本語). 大阪府庁. 2021年2月21日閲覧。

関連項目編集

外部リンク編集