天使のナイフ

薬丸岳による日本の小説

天使のナイフ』(てんしのナイフ)は、薬丸岳小説2005年に第51回江戸川乱歩賞を受賞した、作者のデビュー作である。

天使のナイフ
著者 薬丸岳
発行日 2005年8月8日
発行元 講談社
ジャンル 推理小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 四六判上製本
ページ数 360
公式サイト bookclub.kodansha.co.jp
コード ISBN 978-4-06-213055-4
ISBN 978-4-06-276138-3A6
ウィキポータル 文学
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江戸川乱歩賞の選考会では、予備選考の時点から独走状態で、本選でも選考委員の満場一致で受賞が決定した[1]

作者がこの作品を書こうと思ったのは、高野和明の『13階段』を読んだことがきっかけで[2]、少年犯罪というデリケートな問題を扱う作品であるため入念な下調べが行われ、法律面では講談社の顧問弁護士に最終的な確認を求めた[2]

2005年8月10日に単行本[3]2008年8月12日に講談社文庫が発売された[4]2021年8月12日には、講談社文庫の新装版が発売された[5]

あらすじ 編集

保育園に通う娘と2人、幸せに暮らしていた貴志の元を、突然警察が訪れる。殺人事件が起こり、貴志がその容疑者になっているという。

殺されたのは沢村和也という少年。かつて貴志の妻を殺しておきながら、13歳であったがために、『殺人事件』は『非行』という言葉に置き換えられ、何も刑を受けなかった人物だった。確かに殺してやりたいほど憎かったが、自分は何もしていない。やはり彼らに『更生』を求めたのは間違いだったのか。貴志は事件後和也らがどのように過ごしていたのかを知りたくなり、関係者らを訪れるが、思いもよらなかった事件の真相に触れることとなる。

登場人物 編集

桧山貴志(ひやま たかし)
フランチャイズのカフェのオーナー店長。研修を受け、24歳の時に開業した。シングルファーザー。
桧山愛実(ひやま まなみ)
保育園児。生後5か月の頃、目の前で母親を殺される。
桧山祥子(ひやま しょうこ)
貴志の妻。4年前、少年らに殺された。事件の2か月前に預金していた500万円を下ろしていたが、その使途は不明。旧姓は前田。
早川みゆき(はやかわ みゆき)
愛美が通う保育園の保育士。化粧っ気もなく地味な印象の女性。中学生の頃、祥子と同じ塾に通っており、親しくしていた。
福井健(ふくい けん)
貴志の店のアルバイト店員。
仁科歩美(にしな あゆみ)
貴志の店の新人アルバイト店員。
鈴木裕子(すずき ゆうこ)
貴志の店のアルバイト店員。
三枝利幸(さえぐさ としゆき)
埼玉県警の刑事。
長岡(ながおか)
大宮署の刑事。
沢村和也(さわむら かずや)
祥子を殺した少年の1人。元・少年B。
前田澄子(まえだ すみこ)
貴志の義母(祥子の母)。
貫井哲郎(ぬくい てつろう)
自称・ノンフィクションライター。少年犯罪に関する書籍も出版している。
八木将彦(やぎ まさひこ)
元・少年A。事件前から、万引きや恐喝などを繰り返していた。
丸山純(まるやま じゅん)
元・少年C。眼鏡をかけた色白いやせた少年。
桜井(さくらい)
和也が送致された更生施設の園長。
鈴木(すずき)夫妻
更生施設の寮母夫妻。和也を実の子のように面倒を見た。
加藤友里(かとう ゆり)
和也の幼稚園時代からの幼なじみ。高校に入ってからは付き合っていたが、殺害される少し前に別れを切り出される。

書籍情報 編集

テレビドラマ 編集

連続ドラマW 天使のナイフ
ジャンル テレビドラマ
原作 薬丸岳
『天使のナイフ』
脚本 尾西兼一
演出 永山耕三
出演者 小出恵介
倉科カナ
藤本泉
千葉雄大
町田啓太
村上虹郎
北村匠海
清水尋也
和田正人
ラサール石井
手塚とおる
若村麻由美
音楽 橋本しん(Sin)
製作
プロデューサー 喜多麗子
制作 5年D組(制作協力)
製作 WOWOW
放送
放送チャンネルWOWOWプライム
放送国・地域  日本
放送期間2015年2月22日 - 3月22日
放送時間日曜 22:00 - 23:00
放送枠連続ドラマW
放送分60分
回数5
公式サイト

特記事項:
初回はノンスクランブル放送。
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2015年2月22日から3月22日までWOWOW連続ドラマW「日曜オリジナルドラマ」枠で放送された[6]。全5話。

主演の小出恵介[7]は、2014年6月~9月放送の『吉原裏同心』(NHK総合)以来の主演である[要出典]。また、村上虹郎は本作品がドラマ初出演作となった[8]

キャスト 編集

スタッフ 編集

放送日程 編集

放送回 放送日 サブタイトル
第1話 2月22日
第2話 3月01日 更生
第3話 3月08日
第4話 3月15日 告白
第5話 3月22日 懺悔

脚注 編集

  1. ^ 文庫版 巻末解説より。
  2. ^ a b IN★POCKET 2008年8月号「天使のナイフ」文庫刊行インタビューより。
  3. ^ 『天使のナイフ』(薬丸 岳)|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2023年2月2日閲覧。
  4. ^ 『天使のナイフ』(薬丸 岳):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2023年2月2日閲覧。
  5. ^ 『天使のナイフ 新装版』(薬丸 岳):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部”. 講談社BOOK倶楽部. 講談社. 2023年2月2日閲覧。
  6. ^ 日曜オリジナルドラマ 連続ドラマW 天使のナイフ”. WOWOW. 2014年10月16日閲覧。
  7. ^ “小出恵介、薬丸岳氏の江戸川乱歩賞受賞作ドラマ化「天使のナイフ」に主演”. 映画.com. (2014年12月17日). http://eiga.com/news/20141217/4/ 2014年12月17日閲覧。 
  8. ^ “村上虹郎、『天使のナイフ』でドラマ初出演 父・村上淳は「目標ではない」”. マイナビニュース (マイナビ). (2015年2月16日). https://news.mynavi.jp/article/20150216-a112/ 2023年2月2日閲覧。 

関連項目 編集

外部リンク 編集

WOWOW 日曜オリジナルドラマ 連続ドラマW
前番組 番組名 次番組
翳りゆく夏
(2015年1月18日 - 2月15日)
天使のナイフ
(2015年2月22日 - 3月22日)
スケープゴート
(2015年4月12日 - 5月3日)