天保六花撰
天保六花撰(てんぽうろっかせん)は、二代目松林伯圓の創作による講談。また、これらの話に登場する六人の男女の総称でもある。後にフシ付け(浪曲化)され、木村重友、初代友衛、若衛と続く得意演題で、お家芸となっている。
この講談をもとに河竹黙阿弥が歌舞伎化した演目に『天衣紛上野初花』(くもに まごう うえのの はつはな、通称『河内山と直侍』または『河内山』)がある。そのうち直侍と三千歳とのからみ部分のみを上演する際には、これを『雪暮夜入谷畦道』(ゆきの ゆうべ いりやの あぜみち、通称『三千歳と直侍』または『直侍』)と呼んでいる。
登場人物編集
「天保六歌撰」と呼ばれる6人は以下の通り:
- 河内山宗俊(こうちやま そうしゅん)
- 御数寄屋坊主。強請たかりを生業にする。実在した強請り集りの茶坊主・河内山宗春 ( ? –1823) がモデル。
- 片岡直次郎(かたおか なおじろう)
- 御家人くずれ。河内山の弟分でさまざまな悪事に手を染める。実在した小悪党「直侍」(なおざむらい)こと片岡直次郎 (1793–1832) がモデル。
- 金子市之丞(かねこ いちのじょう)
- 剣客。
- 森田屋清蔵(もりたや せいぞう)
- 盗賊の首領。海産物問屋を表向きの商売にしている。
- 暗闇の丑松(くらやみの うしまつ)
- 博徒。直侍の弟分だが、後に裏切る。
- 三千歳(みちとせ)