天白川 (愛知県)
二級河川
天白川(てんぱくがわ)は、愛知県日進市から名古屋市を流れ、伊勢湾に注ぐ河川。二級水系天白川の本流である。
天白川 | |
---|---|
![]() 天白橋から北望 | |
水系 | 二級水系 天白川 |
種別 | 二級河川 |
延長 | 22.7 km |
平均流量 | -- m³/s |
流域面積 | 118.8 km² |
水源 | 愛知県日進市 |
水源の標高 | 120.8[1] m |
河口・合流先 | 名古屋港(愛知県名古屋市・東海市) |
流域 |
![]() |
地理編集
愛知県日進市東部の名古屋商科大学の西南隣接地にある三ヶ峯上池付近に源を発する。日進市を西へ流れ名古屋市へ入ると天白区を横断。各区および東海市の境界を流れ、名古屋港へ注ぐ。天白川大橋付近から星園橋付近までは天白川緑道として整備されている。
途中にダムは一つも存在しない。
河川の名称編集
名称は下流の名古屋市緑区鳴海町にあった『字天白』(旧東海道にある天白橋のすぐ東隣の土地のこと)にその昔『天白神』が祀られていたことによるものである。
天白川の名前は明治時代になってから名づけられたものであり、それまでは米野木川と呼ばれていた(同時に社川と呼ばれていた支流は植田川と称することになった)。これは当時の愛知郡植田村(現在の名古屋市天白区植田)では米野木川も社川も『植田川』と呼ばれており、紛らわしいため名称を整理したものである。江戸時代の頃から水害が度々起きており、流路が幾度も変わっている。
歴史編集
古代編集
水害の歴史編集
- 1728年(享保13年) - 氾濫が多いため、愛知郡野並村笹原(現在の天白区笹原町)で川筋を西流させて山崎川に合流させる瀬替え工事が行われた。
- 1741年(寛保元年) - しかし山崎川で17回も氾濫したため、西流させた川筋を再び工事により現在の川筋に戻し、山崎川と分流させる。
- 1767年(明和4年)8月4日~6日 - 大雨で氾濫し、鳴海あたりまで浸水。(明和の洪水)。
- 1779年(安永8年)9月29日~10月4日 - 大雨で氾濫し、鳴海の東海道が途絶。
- 1850年(嘉永3年)9月8日~15日 - 大雨で中根村(現在の瑞穂区中根町)で堤防が決壊し、笠寺から熱田の築出まで浸水。
- 1855年(安政2年)9月7日~10日 - 暴風雨で中根村(現在の瑞穂区中根町)で堤防が決壊し、隣り合う山崎川でも堤防が決壊。
- 1911年(明治44年)8月4日 - 台風により氾濫し、愛知郡笠寺村星崎・熱田町八町畷等が浸水。
- 1921年(大正10年)7月26日~28日 - 雷雨により、天白川と扇川の堤防4箇所が決壊。
- 1952年(昭和27年)7月10日~11日 - 豪雨により氾濫。
- 1962年(昭和37年)7月2日~5日 - 梅雨前線の停滞により天白川の水位が上がり、野並橋が流失[3]。
- 2000年(平成12年)9月11日 - 東海豪雨発生。天白川から藤川、郷下川へと水が逆流し氾濫。名古屋市天白区野並地区周辺が浸水し、大きな被害をもたらした[4][5]。
- 2008年(平成20年)8月 - 天白川水系河川整備基本方針において、天白区の野並地点で、概ね100年に1回の確率で発生すると予想される規模の降雨(24時間で423ミリメートル)により発生する洪水が安全に流れる状態に整備することを、治水の将来的な目標となる[6]。
- 2015年(平成27年)7月 - 河川激甚災害特別緊急事業により、野中橋より下流の引き堤や河床掘削等の河川整備が完了[7]。
流域地域編集
源流編集
- 三本木川(日進市三本木町)[8] - 三ヶ峯上池付近の天白川源流域での呼び名。
支流編集
- 括弧内は合流地点。
橋梁編集
- 三ヶ峯橋
- 大池下橋
- 幸橋
- 上川橋
- 月花橋
- 下川田橋 - 愛知県道58号名古屋豊田線
- 天白川橋 - 東名高速道路
- 大原橋
- 竹若橋 - 愛知県道231号米野木莇生線
- 小原橋
- 新米野木橋 - 愛知県道233号岩作諸輪線
- 米野木橋
- 向山橋
- 前田人道橋(人道橋)
- 前田橋
- 藤枝橋 - 愛知県道58号名古屋豊田線
- 庚申橋
- 新本郷橋 - 愛知県道57号瀬戸大府東海線
- 中央橋
- 中央人道橋(人道橋)
- 本郷橋
- 野方人道橋(人道橋)
- 野方大橋
- 梅森橋 - 愛知県道219号浅田名古屋線
- 西梅森橋
- 天白川橋 - 国道153号(豊田西バイパス)
- 大正橋
- 新大正橋 - 愛知県道221号岩崎名古屋線
- 天白川大橋 - 国道302号(名古屋環状2号線)
- 椿原小橋(人道橋)
- 植原橋
- 天白橋 - 愛知県道56号名古屋岡崎線(飯田街道)
- 天白小橋(人道橋)
- 音聞橋
- 新音聞橋 - 愛知県道59号名古屋中環状線
- 新島田橋 - 愛知県道220号阿野名古屋線
- 天白緑地橋(人道橋)
- 菅田橋
- 野中橋(人道橋)
- 平子橋
- 野並橋 - 名古屋市道東海橋線(東海通)
- 天白橋 - 愛知県道222号緑瑞穂線(旧東海道)
- 星崎人道橋(人道橋)
- 星園橋 - 愛知県道36号諸輪名古屋線
- 大慶橋 - 国道1号(東海道)
- 大星橋(人道橋)
- 天白扇川橋 - 国道23号(名四国道)
- 千鳥橋 - 国道247号
- 天白大橋 - 愛知県道55号名古屋半田線
- 名港東大橋 - 伊勢湾岸自動車道
流域の主な施設編集
河川敷利用編集
- 天白川緑地
- 新宝緑地
周辺の施設編集
- 日進市立図書館
- 日進市役所
- JA愛知尾東水稲育苗施設
- 天白文化小劇場
- 植田水処理センター
- 天白区役所
- 天白学校体育センター
- 南天白地域スポーツセンター
- 野並公園野球場
- 名古屋自動車学校天白校
- 赤坪公園野球場
- 名古屋市緑環境事業所
- 浦里公園野球場
- 鳴海水処理センター
- 柴田水処理センター
- 名古屋市中央卸売市場南部市場
- USS名古屋オークション
- 新名古屋火力発電所
校歌に天白川が含まれる学校編集
交通編集
公共交通機関編集
道路編集
- 飯田街道(愛知県道58号名古屋豊田線)
- 愛知県道231号米野木莇生線
- 愛知県道233号岩作諸輪線
- 飯田街道(愛知県道58号名古屋豊田線)
- 愛知県道57号瀬戸大府東海線
- 愛知県道219号浅田名古屋線
- 豊田西バイパス(国道153号)
- 愛知県道221号岩崎名古屋線
- 名古屋環状2号線(国道302号)
- 名古屋第二環状自動車道(名二環)
- 飯田街道(愛知県道56号名古屋岡崎線)
- 愛知県道221号岩崎名古屋線
- 東海通(名古屋市道東海橋線)[16]
- 旧東海道(愛知県道222号緑瑞穂線)
- 愛知県道36号諸輪名古屋線
- 国道1号
- 名四国道(国道23号)
- 国道247号
- 愛知県道55号名古屋半田線
- 愛知県道59号名古屋中環状線[16]
参考文献編集
主要文献編集
書籍編集
- 荒川銜次郎『戦国時代活史』177ページ、秀文館。
脚注編集
- ^ “地理院地図(電子国土Web)”. 国土地理院. 2015年6月21日閲覧。
- ^ “過去から学ぶ防災マップ”. 天白区. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “名古屋市域に被害をもたらした水害年表”. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “東海豪雨水害に関する記録”. 名古屋市. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “東海豪雨時の野並地区における浸水とその対策に関する考察”. 京都大学. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “二級河川天白川水系 河川整備基本方針”. 名古屋市. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “二級河川天白川の整備について”. 尾張建設事務所. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “年報「矢作川研究」No.14[研究ノート]天白川源流域(愛知県日進市)の水質環境”. 豊田市矢作川研究所. 2015年10月7日閲覧。
- ^ “野並小学校”. 野並小学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “笠東小学校”. 笠東小学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “植田南小学校”. 植田南小学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “植田東小学校”. 植田東小学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “南天白中学校”. 南天白中学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “日進東中学校”. 日進東中学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ “名和小学校”. 名和小学校. 2023年2月11日閲覧。
- ^ a b 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 1989, p. 1475.