天興(てんこう)は、于闐尉遅僧伽羅摩の治世で使用された元号。

986年? - 999年?。

概要 編集

天興に関しては敦煌で発見された于闐語文書により存在が確認されているが、現存する資料が極めて限定されるため、その使用年代に関しては諸説存在している。

冒頭で記載した使用年代は孟凡人の「五代宋初于闐王統考」(『中国辺疆史地研究』1992年第3期)によるものである。この他、950年-966年説、950年-963年説なども存在している。

ちなみに日本の「大正」改元の際、最終候補に残っていたのも天興であった。

西暦・干支との対照表 編集

天興 元年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 9年 10年
西暦 986年 987年 988年 989年 990年 991年 992年 993年 994年 995年
干支 丙戌 丁亥 戊子 己丑 庚寅 辛卯 壬辰 癸巳 甲午 乙未
天興 11年 12年 13年 14年  
西暦 996年 997年 998年 999年
干支 丙申 丁酉 戊戌 己亥

参考文献 編集

  • 『中国歴代年号考』李崇智(中華書局 2004年)
  • 986年-999年説
    • 孟凡人 「五代宋初于闐王統考」(『中国辺疆史地研究』1992年第3期)
  • 950年-966年説
    • 井之口泰淳 「于闐語資料所記之尉遅王家的系譜和年代」(『新疆文物』 1988年第2期)
  • 950年-963年説
    • 張廣達 李新江 「関於唐末宋初于闐国的国号、年号及其王家世系問題」(『敦煌吐魯番文献研究論集』中華書局 1982年)

関連項目 編集


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