天龍村の霜月神楽

天龍村の霜月神楽(てんりゅうむらのしもつきかぐら)は、長野県下伊那郡天龍村に伝わる民俗芸能の霜月神楽

向方お潔め祭り
坂部の冬祭り

概要編集

霜月神楽は、その名前の通り霜月(旧暦11月)に行われる、神に収獲を感謝するための神楽である。天龍村の霜月神楽は、以下の3つの祭で行われる神楽の総称で、1978年5月23日に「天村の霜月神楽」という名称で重要無形民俗文化財に指定された。いずれも湯立神楽の形態である。

  • 向方(むかがた)地区 天照皇大神宮の「向方お潔め祭り」(1月3日
  • 坂部(さかんべ)地区 大森山諏訪神社の「坂部の冬祭り」(1月4日
  • 大河内地区 池大神社の「例祭」(1月5日

なお、徳間書店から発売されている「千と千尋の神隠し-Spirited away」では、この神楽が映画「千と千尋の神隠し」に影響を与えたとしている。(インタビューでは遠山の霜月祭ともとれる発言をしている)

向方お潔め祭り編集

祭日の朝、氏子総代たちは近くの川で禊をし、夕方からの湯立神楽に備える。「順(ずん)の舞」で祭が始まり、持ち物を八回替える「花のようとめ舞」の後、湯立が6立ほど続く。それぞれの湯立に「湯囃子の舞」があり、祭りを盛り上げる。

鳥居の先で舞堂の注連縄を焼く「よなふねこぎ」に続き、湯立をしていた火を掻き出し、その上で「順の舞」を舞う。しめくくりは「数の湯」で、参加した村人全員が釜を囲み、歌ぐらを唱え、湯を立て、新春の幸せを予祝する。

坂部の冬祭り編集

神子(かみこ)という、幼少期に神に願をかけた者が13歳を迎えて生まれ変わりの式を挙げ、神の子となり祭に奉仕する人を中心に行われる。

祭日の夕暮れに、天竜川で禊をし、下の森から上の森へお練りがあり、神前での祭典、湯立ての釜のお清め、神子による「順の舞」が行われる。囃子に合わせて、白衣をまとって花笠をかぶり鈴を手にした少年4人が「花の舞」を2時間ほど舞い続ける。

「本舞」と「湯立」5立の後、「面形の舞」へと移り、「たいきり面」、「獅子舞」、「天公鬼面」、「小公鬼面」が続き佳境を迎える。「水王様」が無病息災を願って湯釜の湯を人々にかけ、「火王様」が辺りを鎮める。「翁面」の問答、「日月面」や「女郎面」の道化、「海道下り」の問答、「魚釣り」の後、面形を下の森に送り、「火伏せの舞」で締めくくられる。

参考文献編集

  • 『長野県百科事典』 信濃毎日新聞社、1974年
  • 長野県神社庁監修 『信州の神事』 銀河書房、1990年

関連項目編集

外部リンク編集

座標: 北緯35度14分47.7秒 東経137度47分20.6秒 / 北緯35.246583度 東経137.789056度 / 35.246583; 137.789056