太田光 (野球)

日本のプロ野球選手

太田 光(おおた ひかる、1996年10月14日 - )は、岡山県倉敷市出身のプロ野球選手捕手)。右投右打。東北楽天ゴールデンイーグルス所属。

太田 光
東北楽天ゴールデンイーグルス #2
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 岡山県倉敷市
生年月日 (1996-10-14) 1996年10月14日(27歳)
身長
体重
178 cm
76 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 捕手
プロ入り 2018年 ドラフト2位
初出場 2019年6月7日
年俸 4800万円(2024年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴 編集

プロ入り前 編集

倉敷市立連島東小学校2年時に西浦少年野球から軟式野球を始め、小学5年時に捕手を始める。倉敷市立連島中学校では倉敷ドリームボーイズに所属した[2]

広陵高校進学後、2年秋から4番キャッチャーに定着し、3年夏は決勝で今春の甲子園に出場した広島新庄高校を破り第96回全国高等学校野球選手権大会に出場したが、初戦の三重高校戦で延長11回サヨナラ負けを喫した[3]。同期に吉川雄大がいる。

大阪商業大学では、1年春から正捕手としてレギュラーを獲得し1年春は打率1割だったが岡田明丈らをリードし、チーム防御率1.50を記録して投手陣を盛り立て、関西六大学野球リーグ優勝に貢献。最優秀選手賞を獲得した[4]第64回全日本大学野球選手権大会では打撃でも打率.333(12打数4安打)で大商大32年ぶりのベスト8に貢献した。その後も1年秋、3年春秋、4年春と4度ベストナインを受賞し、8季中6回リーグ優勝に貢献[5]。特に4年の春は打率.522を記録し、首位打者となった[6]。4年秋は下級生に経験を積ませるために指名打者での出場が多くなった[7]。3学年先輩には吉持亮汰、同期には滝野要がいる。

2018年10月25日に行われたドラフト会議東北楽天ゴールデンイーグルスから2位指名を受け[8]、11月12日に契約金7000万円、年俸1200万円で契約した[9]背番号2

楽天時代 編集

2019年は、キャンプを一軍で迎える[10]。開幕は二軍で迎えたが、6月7日に一軍に昇格し、その日の中日ドラゴンズ戦(ナゴヤドーム)では8回表に代打として初出場した。翌日の同カードで7番・捕手として先発出場した[11]。6月13日の東京ヤクルトスワローズ戦(楽天生命パーク)で山田大樹からプロ初ヒットを記録して、6月14日の広島東洋カープ戦(楽天生命パーク)で床田寛樹からプロ初ホームランを記録した。正捕手の嶋基宏が故障や不振で一軍を外れる機会が増える中、堀内謙伍と捕手の枠を争うこととなり、最終的に一軍の試合には55試合に出場した。

2020年は、嶋の退団、ポジションを争った堀内が手術による出遅れによってオープン戦から率先的に起用されるようになり、2年目ながら開幕スタメンを飾る。6月19日の開幕戦では、2回に犠牲フライでこのシーズンのチーム初打点を挙げると、8回には二塁打、そしてこの回2度目の打席で犠牲フライを放つなど2打数1安打2打点。チームも9-1でシーズン初勝利を挙げている。8月12日の埼玉西武ライオンズ戦では、2点本塁打を含む4打数2安打3打点で、この日のヒーローとなった。8月17日、涌井秀章と共に最優秀バッテリー賞の6、7月度月間賞を受賞。9月2日に登録を抹消されるも同月14日に再度出場登録。9月26日、西武戦にて左肩を負傷し病院にて診断を受け、翌日の27日に左肩関節唇損傷と発表された[12]。27日に出場登録が抹消されると、そのままシーズンを終えることとなった。この日までに67試合に出場し、うち51試合でスタメン起用されていたがどちらも全日程終了時点でチーム内の捕手では最多である。シーズン67試合に出場した結果、初めて規定試合数に達しリーグトップの盗塁阻止率.333を記録[注 1]。250万円増の推定年俸1700万円で契約を更改した[13]

2021年は、自身初の3桁となる107試合に出場。開幕戦でスタメンマスクを被り、この年から楽天の監督となった石井一久の初陣を勝利で終えた。これにより、涌井の3球団で開幕戦勝利という記録も樹立。この対北海道日本ハムファイターズの開幕カードで2試合連続本塁打の活躍[14]。3月28日、ルーキーの早川隆久とバッテリーを組んで6回4安打無失点8奪三振の好投を引き出し、また自らも2安打3打点で援護する等5-0で勝利、早川と共にお立ち台に上がっている[15]。5月17日、涌井と共に最優秀バッテリー賞の3、4月度月間賞を受賞。これは2020年6、7月度に続く2度目の同バッテリーでの選出となる。6月5日の対広島東洋カープ戦では8回にスクイズに成功し、次の打者の村林一輝もスクイズを敢行。結果2者連続スクイズ成功となった[16]。だが、11月22日には11月11日に左肩関節脱臼に対する修復術を受けていたことが発表された[17]。1300万円増の推定年俸3000万円で契約を更改した[18]

2022年は、昨年手術を受けたこともあり、開幕を二軍で迎えたが4月22日の対西武戦(ベルーナドーム)で一軍に昇格して涌井とバッテリーを組み、その試合でホームランも放ち勝利に貢献した。シーズンでは炭谷銀仁朗と併用される形で71試合に出場し、打率.214・3本塁打・18打点の成績を残した。オフには、300万円増の推定年俸3300万円で契約を更改した[19]

選手としての特徴 編集

  • 二塁送球1.9秒台を誇る強肩キャッチャー[5]。遠投115メートル[20]。広陵高校の先輩である小林誠司が使用しているミットと全く同じものを貰っており、新人時の春季キャンプでは使用していた[21]

人物 編集

1学年上の兄の創は、第85回記念選抜高等学校野球大会で4番・遊撃手として出場。初戦で光と後にチームメイトとなる済美高校安樂智大と対戦している[22]

爆笑問題太田光(おおた ひかり)とは読み方が違うものの、同姓同名であることが話題になった。ドラフト後の会見時にも「太田光と言えば断然、爆笑問題さん。それが自分に変わるぐらいになりたいですね」と語っている[23]。爆笑問題がパーソナリティを務めるラジオ番組『爆笑問題の日曜サンデー』(TBSラジオ)には、広陵高校時代(2014年8月31日)に父親が電話で出演した。ドラフトで楽天に指名された際(2018年10月28日)には、太田が事前収録でメッセージを寄せた。その際に爆笑問題の太田は、「申し訳ない。同じ名前で嫌な思いしてきたと思う」としながらもエールを送っている[24]。2019年12月29日にはスタジオに生出演し、爆笑問題の太田と初めて対面した[25]。その後、2021年には田中将大が楽天に復帰してバッテリーを組んだことで「爆笑問題バッテリー」と称されたことがあった[26]

2022年オフの12月12日、大阪府で一般女性と入籍した[27]

詳細情報 編集

年度別打撃成績 編集

















































O
P
S
2019 楽天 55 112 96 10 21 2 0 1 26 6 1 0 8 0 7 0 1 23 2 .219 .279 .271 .550
2020 67 164 130 17 26 10 0 2 42 16 0 1 11 3 18 0 2 38 2 .200 .301 .323 .624
2021 107 281 240 25 45 4 0 4 61 23 1 1 16 1 17 0 7 64 2 .188 .260 .254 .515
2022 71 182 145 10 31 4 0 3 44 18 1 0 13 0 21 1 3 46 3 .214 .325 .303 .629
2023 104 233 173 19 42 6 0 3 57 14 1 0 28 1 27 1 4 47 4 .243 .356 .329 .686
通算:5年 404 972 784 81 165 26 0 13 230 77 4 2 76 5 90 2 17 218 13 .210 .304 .293 .597
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最多

年度別守備成績 編集



捕手






















2019 楽天 53 261 31 3 3 .990 2 38 24 14 .368
2020 67 371 32 4 5 .990 4 36 24 12 .333
2021 107 674 66 3 8 .986 3 66 41 25 .379
2022 71 391 37 2 4 .985 3 29 20 9 .310
2023 103 481 71 2 5 .996 3 42 27 15 .357
通算 401 2178 237 14 25 .994 15 211 136 75 .355
  • 2023年度シーズン終了時[注 2]
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰 編集

記録 編集

初記録

背番号 編集

  • 2(2019年 - )

登場曲 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ リーグ2位の甲斐拓也は107試合出場で、盗塁阻止率は.328であった。
  2. ^ 2021年度以降の企図数・許盗塁・盗塁刺・阻止率については参考文献参照。

出典 編集

  1. ^ 楽天 - 契約更改 - プロ野球”. 日刊スポーツ. 2023年11月30日閲覧。
  2. ^ 阪神なども熱視線 大商大・太田は「勝てる捕手」壮行会で日本一宣言”. スポニチアネックス (2018年5月31日). 2021年7月5日閲覧。
  3. ^ 広陵 対 三重”. 日刊スポーツ (2014年8月13日). 2021年7月5日閲覧。
  4. ^ 『ホームラン ドラフト直前! アマ球界ヒーローズ200人』廣済堂、2018年、77頁頁。 
  5. ^ a b 太田光(東北楽天ゴールデンイーグルス)”. 週刊ベースボールONLINE. 2021年7月5日閲覧。
  6. ^ <ドラフト>楽天2位 太田光捕手(大商大)「打てる捕手目指す」”. 河北新報 (2018年10月26日). 2019年8月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月5日閲覧。
  7. ^ 大商大・太田光「入学してからない」10点差完敗”. 日刊スポーツ (2018年9月16日). 2021年7月5日閲覧。
  8. ^ 楽天2位に大商大・太田光! “同姓同名”爆問超えだ”. 日刊スポーツ (2018年10月25日). 2021年7月5日閲覧。
  9. ^ 楽天2位太田が契約合意「西川選手らをアウトに」”. 日刊スポーツ (2018年11月12日). 2021年7月5日閲覧。
  10. ^ ドラ1辰己ら新人6人が1軍メンバー/楽天キャンプ”. 日刊スポーツ (2019年1月16日). 2021年7月5日閲覧。
  11. ^ 楽天 ルーキーズそろい踏み!平石監督「勇気を持って思い切りやってくれれば」”. スポーツニッポン (2019年6月8日). 2021年7月5日閲覧。
  12. ^ 太田光選手の診察結果に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス (2020年9月27日). 2022年1月31日閲覧。
  13. ^ 【楽天】太田光が250万増の1700万円でサイン 盗塁阻止率は甲斐を上回りリーグトップ「光山コーチのおかげで成長できている」”. スポーツ報知 (2020年11月26日). 2022年1月31日閲覧。
  14. ^ 【楽天】太田光、2戦連発「ファンの声援が後押し」ドラ1早川隆久を援護 スポーツ報知(2021年3月29日).
  15. ^ ドラ1ルーキー・早川隆久がプロ初勝利! 女房役・太田光も3打点の活躍で楽天が勝利【3/28 試合結果】 スポーツナビ(2021年3月28日).
  16. ^ 楽天“ノムさん流”奇襲2者連続スクイズ 失敗を糧に太田&村林を監督評価 日刊スポーツ(2021年6月5日).
  17. ^ “選手の手術に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス. (2021年11月22日). https://www.rakuteneagles.jp/news/detail/00004249.html 2023年1月17日閲覧。 
  18. ^ “楽天の3年目捕手・太田光が177%の大幅昇給! 年俸3000万円で更改 自己最多の107試合に出場”. 日刊スポーツ. (2021年12月3日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2021/12/03/kiji/20211203s00001173412000c.html 2022年1月26日閲覧。 
  19. ^ 【楽天】太田光300万円増でサイン、今季リハビリスタートも「勝利貢献ポイントがついていた」 - プロ野球 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2023年2月22日閲覧。
  20. ^ 太田光(大阪商業大 4年)”. 週刊野球太郎. 2021年7月5日閲覧。
  21. ^ 【楽天】ドラ2・太田、高校先輩のG小林との“初対戦”心待ち”. スポーツ報知 (2019年2月23日). 2021年7月5日閲覧。
  22. ^ 広陵 対 済美”. 日刊スポーツ (2013年3月26日). 2021年7月5日閲覧。
  23. ^ 【楽天】爆笑問題・太田光と同姓同名の大商大・太田、ドラ2指名に「番組に呼んでもらえるぐらい結果を出す」”. スポーツ報知 (2018年10月16日). 2021年7月5日閲覧。
  24. ^ 爆問・太田、楽天D2位の太田光に「申し訳ない。同じ名前で嫌な思いしてきたと思う」”. サンケイスポーツ (2018年10月29日). 2021年7月5日閲覧。
  25. ^ 爆笑問題『太田光』×楽天ゴールデンイーグルス『太田光』 ついにこの二人が初対面!”. 爆笑問題の日曜サンデー. TBSラジオ (2019年12月22日). 2020年2月10日閲覧。
  26. ^ 「爆笑問題バッテリー」誕生!楽天・マー君の相方に太田 「ミットの音とか気にしなくていい」”. スポニチ (2021年2月8日). 2021年7月5日閲覧。
  27. ^ 太田 光選手 入籍に関して”. 東北楽天ゴールデンイーグルス オフィシャルサイト (2022年12月10日). 2022年12月19日閲覧。
  28. ^ DAZN月間バッテリー賞 巨人・菅野&大城、楽天・涌井&太田が受賞”. スポニチ Sponichi Annex 野球 (2020年8月17日). 2020年10月20日閲覧。
  29. ^ 月間バッテリー賞 楽天・涌井&太田が受賞「また選んでいただけるように」”. スポニチ Sponichi Annex (2021年5月18日). 2021年6月7日閲覧。

参考文献 編集

  • ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2022日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2021年。ISBN 978-4-583-11429-3  296ページ参照。
  • ベースボール・マガジン社 編『ベースボール・レコード・ブック』 2023日本プロ野球記録年鑑、ベースボール・マガジン社、2022年。ISBN 978-4-583-11546-7  52ページ参照。
  • ベースボール・マガジン社 編『2023プロ野球シーズン総決算号』 別冊新春号、ベースボール・マガジン社、2023年、91頁。ASIN B0CPQ6FZRV 

関連項目 編集

外部リンク 編集