太陽の子 (2020年のテレビドラマ)

日本のテレビドラマ番組

太陽の子』(たいようのこ、英語: GIFT OF FIRE)は、NHK総合NHK BS4KNHK BS8Kにて終戦75年目の2020年8月15日に放送された日本テレビドラマ。「国際共同制作 特集ドラマ」として制作され、第二次世界大戦末期に京都大学で行われた核分裂エネルギーを用いた新型爆弾の開発(F研究)において、原子物理学の研究に没頭する1人の若手研究者が戦争という時代の波に翻弄されていく姿を史実に基づいて描く[1][2][3][4]。作・演出は黒崎博、主演は柳楽優弥[1][3][5]

国際共同制作 特集ドラマ
太陽の子
GIFT OF FIRE
別名 GIFT OF FIRE
ジャンル テレビドラマ
黒崎博 
演出 黒崎博
出演者 柳楽優弥
有村架純
三浦春馬
三浦誠己
宇野祥平
尾上寛之
渡辺大知
葉山奨之
奥野瑛太
イッセー尾形
山本晋也
國村隼
田中裕子
音楽 ニコ・ミューリー
国・地域 日本の旗 日本
言語 日本語
時代設定 第二次世界大戦末期
製作
制作統括 土屋勝裕
浜野高宏
山岸秀樹
プロデューサー コウ・モリ
佐野昇平
撮影監督 相馬和典
編集 大庭弘之
制作 ELEVEN ARTS Studios(国際共同制作)
KOMODO Productions(国際共同制作)
製作 NHK
放送
放送チャンネルNHK総合
NHK BS4K
NHK BS8K
音声形式22.2chサラウンド+ステレオ解説(BS8K)
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間2020年8月15日
放送時間土曜 19:30 - 20:50
放送枠特集ドラマ
放送分80分
回数1
公式ウェブサイト

特記事項:
BS8Kにて2020年7月11日土曜の15:00 - 16:20に先行放送。
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「8Kドラマ」としてNHK BS8Kにて2020年7月11日に先行放送された[6][7]他、同年7月18日三浦春馬の死去後、三浦が出演した未公開作品のうち初めて放送されたものである[8][注 1]

テレビドラマ版とは異なる視点で描いた映画版が[3][11]2021年に公開予定[12][13]

製作編集

作・演出を手掛けた黒崎博が約10年前に仕事で訪れた広島の図書館で、ふと目に留まった『広島県史』という資料集を開き、収録されていた京都大学で原子物理学を専攻する若き科学者の日記の残片を目にし、そこに何気ない言葉で綴られた、科学に情熱を注ぐ若者の当時最先端の学問・原子物理学に対する憧れと兵器転用への葛藤、一方で今日何を食べたか、どんな人が好きかといった等身大の青春に心を揺さぶられ、「この若者たちの物語を形にしたい」と思い立つ[7][4]

日本海軍より原子爆弾開発の依頼を受けて京都帝国大学(現・京都大学)理学部教授・荒勝文策の研究室で行われた「F号研究」の実話に基づくフィクションとして[4]神の火』(英語: Prometheus' Fire)のタイトルで執筆されたシナリオは、「サンダンス・インスティテュート / NHK賞」の2014-2015NHK推薦作品となり、2014年8月の脚本ワークショップでの改稿を経て翌2015年の「サンダンス・インスティテュート / NHK賞2015」にNHK推薦作品として出品され、「スペシャル・メンション賞(特別賞)」を受賞[14][15]。その後、『太陽の子』(英語: GIFT OF FIRE)と改題され、10年以上もの構想の末に戦後75年目にあたる2020年のテレビドラマ化、翌2021年(予定)の映画化に至った[7][11][12]

国際共同制作により、国内外から参加した多数のスタッフが科学と戦争というテーマに国籍問わず議論を重ね、8Kの最新映像技術を用いて映像化されている[7]

あらすじ編集

第二次世界大戦の末期を迎え、海軍から京都帝国大学の物理学研究室へ核分裂のエネルギーを利用した新型爆弾の開発の命令が密かに下される。

研究者たちは日本を救うべく核エネルギーの研究に取り組む一方で、兵器開発を進めるべきかを巡って葛藤する。研究好きの学生・石村修も核爆弾開発の実験を重ね、一方で建物疎開で家を失った幼なじみの朝倉世津、戦地から一時帰還した弟の裕之との同居生活につかの間の平安を得る。

新型爆弾の開発は遅々として進まず、研究者たちは次第に研究の継続に疑念を抱き始める。やがて裕之の戦地への赴任が決まった矢先に、広島市への原子爆弾投下の一報が届く。広島へと赴いた研究者たちは、焦土と化した広島の街を目の当たりにする[5][16]

登場人物編集

主要人物編集

石村修
演 - 柳楽優弥
京都帝国大学の学生。原子物理学を志す。実験に夢中で周囲が見えなくなることから「実験バカ」と呼ばれる。
密かに幼なじみの世津に思いを寄せている。
朝倉世津
演 - 有村架純[1][3]
修と裕之の幼なじみ。軍の紡績工場で働く。
建物疎開で家を失い、修の家に居候する。
石村裕之
演 - 三浦春馬[1][3]
修の弟。陸軍下士官として出征し、肺の療養のため、一時帰還する。
修と同じく、世津に想いを寄せている。
澤村
演 - イッセー尾形
京都・五条坂の陶器屋「釜いそ」の主人。
釉薬として用いる硝酸ウランを提供する。
朝倉清三
演 - 山本晋也
世津の祖父。
世津と二人暮らしだが、建物疎開により、世津とともに修の家の離れで暮らし始める。
荒勝文策
演 - 國村隼
京都帝国大学理学部教授で、日本における原子物理学の権威。
海軍より新型爆弾開発の依頼を受ける。
石村フミ
演 - 田中裕子
修と裕之の母。
軍人の夫を亡くし、女手一つで2人の息子を育てる。

その他の人物編集

スタッフ(テレビドラマ版)編集

  • 作・演出 - 黒崎博(NHK制作局)
  • 音楽 - ニコ・ミューリー
  • 制作統括 - 土屋勝裕(NHK制作局)、浜野高宏(NHK編成局)、山岸秀樹(NHK広島局
  • プロデューサー - コウ・モリELEVEN ARTS)、佐野昇平(KOMODO Productions)
  • ラインプロデューサー - 小泉朋
  • VFX - オダイッセイ
  • 音楽編集 - ミツコ・アレクサンドラ・ヤベ
  • 国際共同制作 - ELEVEN ARTS Studios、KOMODO Productions
  • 制作著作 - NHK

関連番組編集

  • 「太陽の子」に挑む〜撮影現場の記録〜(2020年8月6日 12:20 - 12:45、NHK総合〈中国地方〉 / 8月8日 9:00 - 9:25、NHK総合〈全国〉)[17][18]
    • 2か月におよぶ撮影の舞台裏を記録したメイキング。
    • 出演 - 柳楽優弥、有村架純、三浦春馬、三浦誠己、宇野祥平、尾上寛之、渡辺大知、葉山奨之、奥野瑛太、國村隼
    • 語り - 二階堂和美
  • 原子の力を解放せよ 〜戦争に翻弄された核物理学者たち〜(2020年8月16日 22:00 - 23:50、NHK BS1[19] [20] [21]

作品の評価編集

「核物理学者たちが『お国のため』という大義名分ではなく、核分裂によって発生する美しい光に魅せられたり、教授の語る夢に感化されながら核開発に邁進していくのがリアルで恐ろしかった」との評を受け、また「純朴さと狂気を併せ持った主人公を演じる柳楽優弥の演技力、対照的な三浦春馬の端正さと有村架純の強さ、田中裕子の凄みも素晴らしかった」と演者の演技も評価され、2020年8月度ギャラクシー賞月間賞を受賞した[22][23]

一方で本作の時代考証に対し、NHK大河ドラマなど数々の作品で時代考証を手掛けた同局シニア・ディレクターの大森洋平は、石村裕之の帰郷シーンについて陸軍下士官であるはずの裕之が「陸軍の下士官兵用の軍服を着ているのに、何故か襟章将校たる『少尉』のもの」であり「下士官兵なら銃剣、将校なら軍刀を左腰に吊らなければいけないのに、どちらもない丸腰」だった、京都帝大の学生たち小銃を担ぎ行進する出征シーンについても「昭和19年(1944年)以降、学生たちは個別に出征したはずであり、同時期に入隊する場合でも、小銃を担いで行進したりはしなかった」ことから「昭和18年(1943年)東京、神宮での学徒出陣壮行会のイメージを間違って理解したもの」である、として疑問を呈している[24]

受賞歴編集

映画版編集

太陽の子
GIFT OF FIRE
監督 黒崎博
脚本 黒崎博
製作 コウ・モリ
土屋勝裕
浜野高宏
製作総指揮 井上義久
山口晋
佐野昇平
森田篤
松井智
有馬一昭
東原邦明
出演者 柳楽優弥
有村架純
三浦春馬
イッセー尾形
山本晋也
ピーター・ストーメア(声)
三浦誠己
宇野祥平
尾上寛之
渡辺大知
葉山奨之
奥野瑛太
土居志央梨
國村隼
田中裕子
音楽 ニコ・ミューリー
主題歌 福山雅治「彼方で」
撮影 相馬和典
編集 大庭弘之
制作会社 KOMODO PRODUCTIONS
製作会社 「太陽の子」フィルムパートナーズ
配給 イオンエンターテイメント
公開   2021年8月6日(予定)
製作国   日本
  アメリカ合衆国
言語 日本語
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国際共同制作映画として、テレビドラマ版とは異なる視点で描かれ[2][11]2021年8月6日に公開予定[12][13][26]

キャスト(映画版)編集

スタッフ(映画版)編集

脚注編集

[脚注の使い方]

注釈編集

  1. ^ ドラマ本放送終了時に「三浦春馬さんは7月18日にお亡くなりになりました。謹んで追悼の意を表します」とのテロップが表示[8][9]、また、テレビドラマ版公式サイトに「三浦春馬さんは7月18日にご逝去されました。三浦春馬さんは、役作りのために髪を刈り上げて撮影に臨み、戦時下という困難な時代にどう生きるか葛藤する若者を演じてくださいました。謹んでお悔やみ申し上げます。」との追悼文が掲載された[10]

出典編集

  1. ^ a b c d “柳楽優弥×有村架純×三浦春馬、豪華共演が実現 戦争の悲劇を伝えるドラマ”. ORICON NEWS (oricon ME). (2020年3月16日). https://www.oricon.co.jp/news/2157602/full/ 2020年3月17日閲覧。 
  2. ^ a b 柳楽優弥×有村架純×三浦春馬『太陽の子』放送決定!”. NHKドラマ. ドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年3月16日). 2020年7月20日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g “新型爆弾を開発せよ! 戦時下の科学者の苦悩を描く青春群像劇 国際共同制作 特集ドラマ『太陽の子』”. NHK_PR (日本放送協会). (2020年3月16日). https://www6.nhk.or.jp/nhkpr/post/original.html?i=22700 2020年3月17日閲覧。 
  4. ^ a b c “柳楽優弥が原爆開発の研究者に 戦後75年、感じた恐怖”. 朝日新聞デジタル. (2020年7月10日). https://www.asahi.com/articles/ASN794D53N78PITB01K.html 2020年7月20日閲覧。 
  5. ^ a b “柳楽優弥、有村架純、三浦春馬「あらためて平和と戦争考えるとき」国際共同制作ドラマ『太陽の子』完成”. 中日スポーツ東京中日スポーツ (中日新聞社). (2020年7月8日). https://www.chunichi.co.jp/article/85814 2020年7月20日閲覧。 
  6. ^ “柳楽優弥、有村架純、三浦春馬の共演ドラマ「太陽の子」NHK BS8Kで7月に先行OA”. 映画ナタリー (株式会社ナターシャ). (2020年5月28日). https://natalie.mu/eiga/news/380859 2020年5月28日閲覧。 
  7. ^ a b c d 「太陽の子」BS8K先行放送のお知らせ”. NHKドラマトピックス. 日本放送協会 (2020年5月28日). 2020年5月28日閲覧。
  8. ^ a b “「遺言みたいだ…」三浦春馬さんの遺作ドラマが放送「春馬くんの声で『ありがとう』『さようなら』…涙が出た」”. 中日スポーツ東京中日スポーツ. (2020年8月15日). https://www.chunichi.co.jp/article/105365/ 2020年8月17日閲覧。 
  9. ^ “三浦春馬さん出演ドラマ「太陽の子」視聴率は10.7% 追悼テロップも”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2020年8月17日). https://hochi.news/articles/20200817-OHT1T50095.html 2020年8月17日閲覧。 
  10. ^ 太陽の子”. 日本放送協会. 2020年8月17日閲覧。
  11. ^ a b c 大高宏雄 (2020年3月20日). “終戦75年の節目に朗報 戦時下描くNHK「太陽の子」に期待を”. 日刊ゲンダイDIGITAL (日刊現代). https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/270693 2020年7月21日閲覧。 
  12. ^ a b c 「太陽の子」NHKドラマ版放送予定”. サンダンス・インスティテュート / NHK賞. 日本放送協会 (2020年7月20日). 2020年7月21日閲覧。
  13. ^ a b “柳楽優弥×有村架純×三浦春馬、映画『太陽の子』2021年公開決定 テレビドラマ版とは異なる視点に”. リアルサウンド 映画部 (blueprint). (2020年9月9日). https://realsound.jp/movie/2020/09/post-616194.html 2020年9月9日閲覧。 
  14. ^ NHKによるサンダンス支援3作品が決定!”. サンダンス・インスティテュート / NHK賞. 日本放送協会 (2014年6月23日). 2020年7月21日閲覧。
  15. ^ 「サンダンス・インスティテュート / NHK賞2015」決定のお知らせ (PDF)”. サンダンス・インスティテュート / NHK賞. 日本放送協会 (2015年2月2日). 2020年7月21日閲覧。
  16. ^ “有村架純、戦争ドラマに感慨「今だからこそ見ていただきたい作品」”. ORICON NEWS (oricon ME). (2020年7月8日). https://www.oricon.co.jp/news/2166537/full/ 2020年7月20日閲覧。 
  17. ^ 被爆75年 今年の夏の 「ヒロシマ・ナガサキ」特集番組”. 原爆の記憶 ヒロシマ・ナガサキ. 日本放送協会. 2020年7月24日閲覧。
  18. ^ 「太陽の子」に挑む〜撮影現場の記録〜”. NHK番組表. 日本放送協会. 2020年8月6日閲覧。
  19. ^ 2020年 夏 “戦争と平和”を考える番組”. NHK_PR. 日本放送協会 (2020年7月28日). 2020年8月2日閲覧。
  20. ^ a b c d NHKオンデマンド|BS1スペシャル「原子の力を解放せよ ~戦争に翻弄された核物理学者たち~」<前編>”. NHK_PR. 日本放送協会 (2020年8月16日). 2020年8月28日閲覧。
  21. ^ a b c d NHKオンデマンド|BS1スペシャル「原子の力を解放せよ ~戦争に翻弄された核物理学者たち~」<後編>”. NHK_PR. 日本放送協会 (2020年8月16日). 2020年8月28日閲覧。
  22. ^ “発表!2020年8月度ギャラクシー賞月間賞” (PDF) (プレスリリース), 放送批評懇談会, (2020年9月18日), https://houkon.jp/wp/wp-content/uploads/2020/09/gekkan202008.pdf 2020年9月19日閲覧。 
  23. ^ “柳楽優弥×有村架純×三浦春馬『太陽の子』ギャラクシー賞月間賞”. マイナビニュース (マイナビ). (2020年9月18日). https://news.mynavi.jp/article/20200918-1317757/ 2020年9月19日閲覧。 
  24. ^ 「週刊文春」編集部 (2020年9月2日). “「三浦春馬さんが気の毒」NHK戦争ドラマに局内から疑問の声”. 文春オンライン (文藝春秋). https://bunshun.jp/articles/-/40045 2020年9月9日閲覧。 
  25. ^ 第58回(2020年度)”. 放送批評懇談会. 2021年5月2日閲覧。
  26. ^ "柳楽優弥×有村架純×三浦春馬さん『映画 太陽の子』公開日が8月6日に 特報&ビジュアルも". Real Sound. blueprint. 14 April 2021. 2021年4月14日閲覧
  27. ^ "『映画 太陽の子』主題歌が福山雅治「彼方で」に決定! ファルセットの透明感が心に染みる予告映像も解禁". MOVIE WALKER PRESS. ムービーウォーカー. 2 June 2021. 2021年6月2日閲覧
  28. ^ "柳楽優弥主演『映画 太陽の子』予告編公開&主題歌に福山雅治". Billboard JAPAN. 阪神コンテンツリンク. 2 June 2021. 2021年6月2日閲覧

関連項目編集

外部リンク編集