奈良本辰也

奈良本 辰也(ならもと たつや、1913年12月11日 - 2001年3月22日)は、日本歴史家京都帝国大学卒、立命館大学教授、京都国際外国語センター学院長などを歴任。日本中世史、幕末史、特に郷里でもある長州藩に関係した著作多数。

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来歴・人物編集

山口県大島郡大島町出身。旧制岩国中学(現山口県立岩国高等学校)、旧制松山高等学校を経て京都帝国大学文学部国史学科卒業。西田直二郎に師事。林屋辰三郎[1]たちと雑誌『日本史研究』を刊行した。京都イングリッシュセンター(1969年-2000年、現在 京都国際外国語センター)の学院長を務めた。

日本近世思想史明治維新史の研究を手がける。1960年代に入ってからは一般向けの歴史読物の執筆が多くなり、それとともに左翼的主張が影をひそめていった[2]。 後年は戦国時代の一般書を多く出版し、「日本歴史の旅」『日本歴史の旅 戦国コース』(新人物往来社)などは広く読まれ、戦国史を啓蒙した書籍である。

1985年から理事・顧問を務めた京都造形芸術大学の芸術文化情報センター内には奈良本辰也記念文庫があり、奈良本の蔵書や書斎の様子、遺品などが公開されている[3]

経歴[4]編集

著書編集

  • 近代陶磁器業の成立 伊藤書店, 1943
  • 日本近世史研究 明治維新の歴史的諸問題 白東書館, 1948
  • 近世封建社会史論 高桐書院, 1948
  • 維新史の課題 日本近世史研究 白東書館, 1949
  • 日本の民主主義 福村書店, 1951(中学生歴史文庫)
  • 吉田松陰 岩波新書, 1951
  • 日本経済史 三笠書房, 1952
  • 京都の庭 河出書房, 1955(河出新書)
  • 日本経済史概論 日本評論新社, 1955
  • 部落問題 潮文社, 1955
  • 二宮尊徳 岩波新書, 1959
  • 歴史の中の青年群像 創元社, 1960
  • 瀬戸内海の魅力 淡交新社, 1960
  • 女人哀歓 奈良・京都古寺巡礼 河出書房新社, 1963 のち徳間文庫
  • 部落問題入門 汐文社, 1963
  • 歴史の旅情 河出書房新社, 1963
  • 歴史の人々 その青春像 人物往来社, 1963
  • 京都百景 淡交社, 1964
  • 現代の日本史 法律文化社, 1964(市民教室)
  • 高杉晋作 中公新書, 1965
  • 維新と京都 明治百年京都の史跡めぐり 光村推古書院, 1967
  • 隠岐 人と歴史 淡交新社, 1967
  • 坂本竜馬 三晃書房, 1968
  • 明治維新論 徳間書店, 1968
  • 戦闘者の姿勢 幕末動乱期の志士たち 徳間書店, 1970
  • 京を綴って 駸々堂出版, 1970
  • 変革者の思想 時代の壁を打ち破るもの 講談社現代新書, 1970
  • 歴史のたてよこ 講談社, 1971
  • 武士道の系譜 中央公論社, 1971 のち文庫
  • 日本の歴史 17 町人の実力 中央公論社 1971 のち文庫
  • 五輪書入門 宮本武蔵 個に勝ち、衆に勝ち、時代に勝つ 徳間書店, 1972 のち徳間文庫
  • 歴史と私 実業之日本社, 1972
  • 日本歴史の水源地 文藝春秋, 1972
  • 不惜身命 講談社, 1973 のち徳間文庫
  • 日本の旅人 15 吉田松陰 東北遊日記 淡交社, 1973
  • 幕末入門 激動期を日本人はどう生きたか 徳間書店, 1973
  • 勝海舟と維新の旅 東京・京都・萩・長崎の幕末史跡めぐり サンケイ新聞社出版局, 1973
  • もう一つの維新 新潮社, 1974
  • 江戸城あけわたし ポプラ社, 1975
  • 日本史の人間像 奈良本辰也対談集 新人物往来社, 1975
  • 風土の中の史実 読売新聞社, 1975
  • 叛骨の士道 中央公論社, 1975 のち文庫
  • 部落はなぜ残ったか 明治図書出版, 1975
  • 維新の群像 徳間書店, 1976
  • 暗殺の季節 創世記, 1976
  • 小説葉隠 角川書店, 1976
  • 奈良本辰也自選歴史を往く 1-5 学習研究社, 1977
  • 日本近世の思想と文化 岩波書店, 1978
  • 私の幕末 主婦の友社, 1978
  • 洛陽燃ゆ 講談社, 1978 のち徳間文庫
  • 昭和史と共に歩んだ青春 歴史家への道 文一総合出版, 1978
  • 骨董入門 平凡社カラー新書, 1979
  • 維新的人間像 新時代の予告者たち 日本放送出版協会(NHKブックス)1979 のち徳間文庫
  • 京都歴史歳時記 河出書房新社, 1980 のち徳間文庫
  • 歴史に学ぶ 明治維新入門 潮出版社, 1981 のち徳間文庫
  • 「狂」を生きる PHP研究所, 1981 のち徳間文庫
  • 志とは何か 歴史エッセイ集 旺文社文庫, 1981
  • 楽天主義 いまどう生きるか 番町書房, 1981
  • 人物を語る 激動期の群像 潮出版社, 1981
  • 幕末群像 大義に賭ける男の生き方 ダイヤモンド社, 1982
  • 歴史と風景 芸艸堂, 1983
  • あ丶東方に道なきか 評伝前原一誠 中央公論社 1984 のち徳間文庫
  • 日本地酒紀行 淡交社, 1985 のち河出文庫
  • 日暮硯 信州松代藩奇跡の財政再建 講談社 1987
  • 武田信玄はジンギスカンだった 不敗の男『信玄』形成の条件 角川書店 1987 「武田信玄」と改題、文庫
  • 骨董亦楽 芸艸堂, 1988
  • 次の時代をつくる「志」の研究 世界文化社, 1989
  • 図説 幕末・維新おもしろ事典(監修) 三笠書房, 1989
  • 維新の詩 河合出版, 1990
  • 図説 戦国武将おもしろ事典(監修) 三笠書房, 1990
  • 日暮硯紀行 信濃毎日新聞社, 1991.
  • 志ありせば吉田松陰 広済堂出版, 1992

講演編集

編著・共著編集

  • 未解放部落の社会構造 部落問題研究所, 1954
  • 未解放部落の歴史と社会 日本評論新社, 1956
  • 未解放部落 潮文社, 1956
  • 近世日本思想史研究 河出書房新社, 1965
  • 明治維新人物事典 幕末篇 至誠堂 1966
  • 京都故事物語 河出書房, 1967 のち文庫
  • 体験的昭和史 前芝確三共著 雄渾社 1968
  • 『日本の私塾』 淡交社 1969年 のち角川文庫
  • 幕末志士の手紙 学芸書林, 1969
  • 日本の藩校 淡交社, 1970
  • 素顔の京都 実業之日本社, 1972
  • 忘れられた殉教者 日蓮宗不受不施派の挑戦 高野澄共著 小学館, 1972のち小学館ライブラリー
  • 謎の日本海賊 高野澄 祥伝社, 1972(ノン・ブックス)
  • 京都の謎 1 高野澄 祥伝社, 1972(ノン・ブックス)
  • 平家絵巻 駒敏郎共著 新人物往来社, 1972 のち徳間文庫
  • 貝原益軒養生訓入門 高野澄 徳間書店, 1974
  • 歴史の視点 色川大吉,小木新造共編 日本放送出版協会, 1975
  • 歴史を学ぶ人のために 世界思想社,1975
  • 佐久間象山 左方郁子共著 清水書院, 1975
  • 味雑事談 対談集 芸艸堂, 1976
  • 日本文化史 川崎庸之共編 有斐閣新書, 1977
  • 適塾(緒方洪庵)と松下村塾(吉田松陰) 高野澄 祥伝社, 1977(ノン・ブック)
  • 西郷隆盛 高野澄 角川選書, 1979
  • 英雄裁判 会田雄次共編 徳間書店, 1979
  • 日本派閥考 幕末維新の巻 平凡社, 1980
  • 覇者の系譜 会田雄次 広済堂出版, 1981
  • 京都百話 角川書店1984 のち文庫ISBN 4-04-321607-6
  • 日本と中国 陳舜臣対談 徳間書店, 1986 のち文庫
  • 明治維新の東本願寺 百瀬明治 河出書房新社, 1987
  • 日本の滝紀行 坂口チクロー 舞字社, 1997

訳・校注編集

選集編集

  • 『奈良本辰也選集』思文閣出版 1981〜1982年
    • (1)師あり友あり
    • (2)維新に生きる
    • (3)歴史の甲乙
    • (4)心ぞ翔ばん
    • (5)美の風景
    • (6)炉辺に語る
    • (別巻)初期論文集

脚注編集

  1. ^ 林屋との関係について、林屋が大柄で奈良本が小柄だったため、「大辰小辰」と併称されたという。
  2. ^ 文化厚生会館事件のゴタゴタが影響している。
  3. ^ 京都造形芸術大学・芸術文化情報センター. “奈良本辰也記念文庫”. 2010年11月9日閲覧。
  4. ^ 京都造形芸術大学・芸術文化情報センター. “奈良本辰也先生 年譜”. 2010年11月9日閲覧。
  5. ^ 原田大介 (2009年11月23日). “山田風太郎の直筆原稿発見 人間臨終図巻など4編”. 神戸新聞. http://www.kobe-np.co.jp/news/bunka/0002534970.shtml 2010年11月9日閲覧。