奥茶臼山(おくちゃうすやま)は、長野県飯田市下伊那郡大鹿村にまたがる赤石山脈(南アルプス)の標高2,474 m[3]。山頂には二等三角点が設置されていて[1]、山頂部は大鹿村に位置する[4]

奥茶臼山
三伏峠に向かう登山道の鳥倉ルートから望む奥茶臼山(左)前茶臼山(右)、(2003年6月29日)
鳥倉ルートから望む奥茶臼山(左)前茶臼山(右)
標高 2,474.42[1] m
所在地 日本の旗 日本
長野県飯田市下伊那郡大鹿村
位置 北緯35度29分06秒
東経138度04分09秒
座標: 北緯35度29分06秒 東経138度04分09秒[2]
山系 赤石山脈
奥茶臼山の位置
Project.svg プロジェクト 山
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概要編集

山域がシラビソコメツガなどの亜高山帯針葉樹林国有林[5]となっている。山域は南アルプス国立公園の指定区域外である[6]日本山岳会により日本三百名山の一つに選定されている[5]。別称が、上沢山、中山日向[7]江戸時代には、キダル前山と呼ばれていた[7]。北麓の釜沢では東斜面に朝日が当らず、昼ごろに日が当たるころから「お昼山」と呼ばれている[7]1343年興国4年)から約30年後醍醐天皇宗良親王が北山麓の大河原城に滞在した[5]。麓から林道が頂上近くまで延びるにつれて、国有林の伐採が進み、ニホンジカなどが生息している[7]伊勢湾台風により倒木の被害を受けたが、天然更新が進み、樹林下ではオサバグサマイヅルソウコケ類などが自生している[7]

登山編集

二つのルートの登山道が開設されている。山頂は樹林に囲まれ展望はきかないが、北側斜面を少し下った辺りは、伐採されているため、南アルプス、中央アルプスを望むことができる。従来は、青木林道入口のゲートから、長い林道歩きをするルートしかなかったが、2006年に飯田市がしらびそ峠から尾根伝いの登山道を開設したため、時間短縮できるようになった。この登山道は途中の尾高山までは道があったが[5][8][9] 、尾高山から奥茶臼山までを新たに整備したものである。付近に山小屋はないが、しらびそ峠登山口の南にハイランドしらびそがある。

青木林道からのルート編集

登山経路は、青木林道ゲート - 林道終点 - 奥茶臼山(標高2,474 m)[5]。前茶臼山と奥茶臼山の間には木材を伐採した跡地からは、南アルプス北部、北アルプス中央アルプス塩見岳赤石岳などを望むことができる[5]

 
登山口のしらびそ峠から望む南アルプスの山並み

しらびそ峠からのルート編集

登山経路は、しらびそ峠(標高1,833 m) - 前尾高山(標高2,089 m) - 尾高山(標高2,212 m) - 奥尾高山(標高2,266 m) - 岩本山(標高2,269 m) - 奥茶臼山(標高2,474 m)。前尾高山周辺ではコバイケイソウの小群落が見られ、シラビソ、トウヒ、コメツガなどの針葉樹林の床下には、ゴゼンタチバナヤブレガサ、コケ類が見られる[8][10]。尾高山は、ヤブレガサを代表する花として、田中澄江により新・花の百名山の一つに選定されている[10]

地理編集

山頂の北東3.6 km小渋川右岸の山麓に、小渋温泉がある。

周辺の山編集

 
東方の聖岳から望む奥茶臼山周辺の山並み
手前に小兎岳、中盛丸山(左奥に奥茶臼山)、大沢岳、その背後に中央アルプス(その最奥に御嶽山)と北アルプス

赤石山脈の主稜線の大沢岳から西北西に延びる支尾根上にあり、その最高峰である。北北西2.0 kmには、前茶臼山(標高2,331 m)があり[3][5]、青田山(標高1,707 m)を経て北西山麓の大河原へ茶臼山塊が延びる[7]。山頂から南西へは尾高山、しらびそ峠、御池山などを経て長い尾高尾根[7]。西側には天竜川を挟んで伊那山地が対峙している。

山容 山名 標高
(m)[1][2]
三角点等級
基準点名[1]
奥茶臼山からの
方角と距離 (km)
備考
  塩見岳 3,047.28 二等
「塩見山」
 北東 14.3 日本百名山
  小河内岳 2,802.01 二等
「小河内」
 北東 9.6
  鬼面山 1,889.79 一等
「鬼面山」
 西 7.2 伊那山地
  奥茶臼山 2,474.42 二等
「奥茶臼山」
  0 日本三百名山
  尾高山 2,212.87 三等
「尾高沢」
 南西 4.1 新・花の百名山
  大沢岳 2,819.84 三等
「大沢岳」
 東南東 6.1

周辺の峠編集

 
聖岳から望む尾高尾根のハイランドしらびそとしらびそ峠、その背後に伊那山地、最奥に中央アルプス恵那山
  • 唐松峠 - 唐松山と大沢岳との鞍部、標高約2,030 m、山頂の4.9 km南東に位置する。
  • しらびそ峠 - 尾高山と御池山との鞍部、標高1,833 m、山頂の6.3 km南西に位置する。南アルプスの山並みを望む展望台となっている。南南西0.5 kmの高台には、ハイランドしらびそがある。
  • 三伏峠 - 三伏山と烏帽子岳との鞍部、標高2,560 m[11]、山頂の10.3 km北東に位置する。

源流の河川編集

天竜川水系の以下の河川源流となる山で、太平洋へと流れる[4]

交通・アクセス編集

西山麓の青木川沿いには国道152号が通り、そこから青木川上流部の北俣上流部に林道が敷設されている。また北麓の大河原からは前茶臼山上部まで林道が敷設されている。

脚注編集

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参考文献編集

  • 伊部高夫『長野県中信・南信日帰りの山 - 120山/188コース』章文館、2006年9月。ISBN 4901742051
  • 『コンサイス日本山名辞典』徳久球雄(編集)、三省堂、1992年10月、修訂版。ISBN 4-385-15403-1
  • 『塩見・赤石・聖岳』昭文社山と高原地図2014年版〉、2014年3月18日。ISBN 978-4398759702
  • 『新日本山岳誌』日本山岳会ナカニシヤ出版、2005年11月。ISBN 4-779-50000-1
  • 田中澄江新・花の百名山文藝春秋、1995年6月。ISBN 4-16-731304-9
  • 日本三百名山毎日新聞社、1997年3月。ISBN 4620605247

関連項目編集

外部リンク編集