女子学園 悪い遊び』(じょしがくえんわるいあそび)は、1970年11月12日に公開された日本映画[1][2][3]

女子学園 悪い遊び
監督 江崎実生
脚本 山崎巌
出演者
音楽 坂田晃一
撮影 姫田真佐久
編集 辻井正則
製作会社 日活
配給 ダイニチ映配
公開 1970年11月12日
上映時間 84分
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
次作 女子学園 ヤバい卒業
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夏純子主演による「女子学園シリーズ」の第1作[1][4][5]

あらすじ 編集

花子、利江、ルミたちズベ公グループは、白バラ学園中等部で行われる予定の学園祭の幹部に指名される。補助金として5万円が支給されるもそれでは足りないため、彼女たちはあらゆる方法で工面し、学園祭を成功に導く。

学園祭の準備が始まろうとしていた。3年生の花子を中心にした利江、ルミたちのズベ公グループが、学園祭の幹部に指名されたが、5万円の補助金ではとても出来ないと、チリ紙交換、ヘドロ公害カンパ、はてはタンカバイまで始めて資金集めに奔走した。花子たちのおかげで、学園祭は盛大に催され無事終った。

その後、ズベ公グループは転校生の辺見涼子と対立し、塚田先生を誘惑する賭けに出る。ズベ公グループがことごとく失敗に終わるのに対し、涼子は塚田の下着を入手する。ある日、利江の妊娠が発覚し、夏期講習で塚田に強姦されたと嘘をつく。学校側の責任追及と塚田の退職を要求するズベ公グループと、利江の始末を優先させたい涼子との間で意見が割れ、丁半博打の末に涼子が番長の座を手に入れる。かくして利江の堕胎は成功するも、涼子とズベ公グループの退学が言い渡される。これに抗議した全校ストが行われるも、塚田は彼女らの退学撤回と引き換えに退職する。

キャスト 編集

スタッフ 編集

  • 監督:江崎実生
  • 脚本:山崎巌
  • 企画:坂上静翁・沢田喜代一
  • 撮影:姫田真佐久
  • 美術:横尾嘉良
  • 音楽:坂田晃一
  • 録音:神保小四郎
  • 照明:岩木保夫
  • 編集:辻井正則
  • 助監督:結城良煕

製作 編集

封切りの時点で「ハレンチ路線の新シリーズ」[6]「ローティーン女子学園もの路線」[7]と、最初からシリーズものと告知された。1作目と2作目の公開日の間隔が短いため、二本は一緒に撮影したのかもしれない。白バラ学園中等部に転校して来た中学3年生の辺見涼子(夏純子)が巻き起こす騒動を描く学園ドラマ[3][8]。負ける度に一枚づつ服を脱ぐ野球拳方式に丁半博打や、人気教師の誘惑合戦など、コミカルなドタバタ劇で、教師PTAカリカチュアして描き、当時の学校管理の問題を織り込むなど、同時期に同じ日活ダイニチ映配で大当たりしていた「ハレンチ学園シリーズ」の要素を取り入れている[3][8]

日活は公開にあたり、「石坂洋次郎の今日版」と告知したが[8]、映画関係者は「高校生がウケたから、今度はジャリを剥いてやれという魂胆が見え見え」と評した[8]。初公開時の『月刊平凡』の映画紹介では「『ハレンチ学園』で連続ヒットを飛ばした日活が、またまたドハレンチな"問題作"で勝負、21歳の新人夏純子演じるカマトト中学生が見もの。鼻血ドバドバ吹き出るかもよ」と、今日ではあまり使われない表現で解説している[9]

公開当時21歳の夏純子中学生役にはやや無理があるが[2][3][10]、夏の陽性のお色気がウケ[2]、以降『女子学園 ヤバい卒業』『女子学園 おとなの遊び』の2作品が作られた[3]

ロケ地 編集

作品の評価 編集

  • 週刊ポスト』は「ハレンチものも、ここまでくれば、いささか腹も立ってくる。いつまでナメる気だ。江崎監督は、主役の夏を"現代性を持ったフィーリングと達者な芸の持ち主"などと評価しているらしいが、それならそれで使いようがあるだろう。夏の出演作を見れば、"現代性"でも"達者な芸"でもなく、その"肉体"なのは明らかで、これが不況をかこつ日本映画の"本音"であり、"脱出作戦"であるとすれば、何ともお寒い。『一時、全く低迷していたアメリカ映画が、テレビ畑出身の俊鋭を発掘し、新人を"まとも"に抜擢し、ニューヨーク派を先頭に魅力的な作品で劣勢を跳ね返した姿勢に学べ』という評論家の怒りのほども分かる。アメリカの映画人は"真摯"だが、わが日本映画の"紳士"はのぞきにだけ、"真摯"な感じである」などと酷評した[8]

同時上映 編集

おさな妻』(大映製作)

脚注 編集

出典 編集

  1. ^ a b c 女子学園 悪い遊び | 映画 | 日活夏純子の女子学園シリーズ≪白薔薇≫DVD-BOX
  2. ^ a b c 不良性感度100%のオンナノコ列伝 ズベ公青春物語/ラピュタ阿佐ヶ谷
  3. ^ a b c d e 1970 女子学園 悪い遊び 文・馬飼野元宏(映画秘宝)、p.102
  4. ^ 「Hiho VIP INTERVIEW 夏純子 日活100周年記念インタビューその9」『映画秘宝』2013年5月号、洋泉社、78–79頁。 
  5. ^ 女子学園 悪い遊び女子学園 悪い遊び 【DVD】 - ハピネット・オンライン
  6. ^ 「タウン 映画 〔邦画〕 女子学園 悪い遊び」『週刊新潮』1970年11月14日号、新潮社、16頁。 
  7. ^ 「内外映画封切興信興録 女子学園 悪い遊び」『映画時報』1970年11、12月号、映画時報社、34頁。 
  8. ^ a b c d e 「NEWS MAKERS 高校生の次は中学生 日活ハレンチ路線」『週刊ポスト』1970年10月23日号、小学館、44頁。 
  9. ^ 「SCREEN GUIDE 日映コーナー 『女子学園 悪い遊び』」『月刊平凡』1970年12月号、平凡出版、161頁。 
  10. ^ a b ヴィンテージ女優千一夜 日本映画を支えたお色気・肉体女優 その人生の機微を探る ドキュメント・おんなののど自慢 夏純子 日活最後のズべ公女優 文・藤木TDC、pp.259–260

参考文献 編集

  • 『セクシー・ダイナマイト猛爆撃』洋泉社、1997年。ISBN 4896912586 
  • 高護(ウルトラ・ヴァイブ)『日本映画名作完全ガイド 昭和のアウトロー編ベスト400 1960‐1980シンコーミュージック、2008年。ISBN 9784401751228 

外部リンク 編集