学士(経営情報学)
概要 編集
日本における学士の学位の一つであり、経営情報学を修めた者に授与される。主に経営情報学部を設置する大学において授与される[1]。ただし、経営情報学部以外の学部の下に経営情報学科を設置している大学で授与される場合もあり[2]、必ずしも経営情報学部の卒業生のみに授与されるとは限らない。また、経営情報学部を設置していても学士(経営情報学)以外の学位を授与する大学もあるため、必ずしも経営情報学部の卒業生全てに授与されるとは限らない。
沿革 編集
日本における学士は、創設当初は学位として位置づけられていたこともあったが、帝国大学令が施行されてからは単なる称号として扱われることになった[3]。その後、学校教育法と学位規則の改正にともない[4][5]、1991年(平成3年)7月1日より学士は再び学位として位置づけられるようになった。また、従前の学士の称号は文学士、教育学士、神学士、社会学士、教養学士、学芸学士、社会科学士、法学士、政治学士、経済学士、商学士、経営学士、理学士、医学士、歯学士、薬学士、看護学士、保健衛生学士、鍼灸学士、栄養学士、工学士、芸術工学士、商船学士、農学士、獣医学士、水産学士、家政学士、芸術学士、体育学士の計29種類のみと定められており、いずれも「〇〇学士」という形式で表記されていた。しかし、1991年(平成3年)7月1日以降に授与される学士の学位は、「学士(〇〇)」という形式で専攻分野を括弧で併記することになり、専攻分野の名称も学位授与機関が自由に決めてよいことになった。
このような経緯の下で学士(経営情報学)の学位は創設された。したがって、1991年(平成3年)6月30日以前には存在しなかった学位である。また、経営学士、理学士、工学士といった類似する専攻分野の称号は存在したが、「経営情報学士」という名称の称号も存在しなかった。
日本の国公立大学として最初に経営情報学部を設置した静岡県立大学では、1991年(平成3年)7月1日以降は学士(経営情報学)の学位を授与している[1]。同様に、日本の私立大学として最初に経営情報学部を設置した産能大学においても学士(経営情報学)の学位を授与していたが、2006年(平成18年)に産能大学から産業能率大学に改組され、翌年には経営情報学部が情報マネジメント学部に改組された。その結果、授与される学位も「学士(マネジメント)」に変更された。近年の情報通信技術の急速な発展と、それらをビジネスやマネジメントに活用する機運の高まりを受け、経営情報学を学べる大学は増加傾向にある。その結果、学士(経営情報学)の学位を授与される者も増加している。学士の専攻分野の名称ごとに授与機関数を集計すると、公立大学においては1996年度(平成8年度)より学士(経営情報学)が上位10位以内にランクインしている[6]。
名称 編集
専攻分野の名称の末尾に「学」が付かない「学士(経営情報)」という学位を授与する大学も存在するが[7]、学士(経営情報学)の学位とは異なる別の学位であり、両者を混同しないように注意が必要である。さらに、2000年度(平成12年度)には専攻分野の名称の末尾が「科学」となる「学士(経営情報科学)」という学位を授与する私立大学が現れたが[8]、こちらも学士(経営情報学)の学位とは異なる別の学位であり、両者を混同しないように注意が必要である。
授与機関 編集
経営情報学部を設置していても授与しない大学や、経営情報学部を設置していなくても授与する大学があるため[2]、留意が必要である。
公立大学 編集
私立大学 編集
脚注 編集
- ^ a b c 静岡県立大学学位規程第2条。
- ^ a b c 北九州市立大学学位規程第2条。
- ^ 帝国大学令(明治19年3月1日勅令第3号)。
- ^ 学校教育法(昭和22年法律第26号)。
- ^ 学位規則(昭和28年4月1日文部省令第9号)。
- ^ 六車正章「学士の学位に付記する専攻分野の新たな名称の傾向」『学位研究』17号、大学評価・学位授与機構、2003年3月、114頁。
- ^ 六車正章「学士の学位に付記する専攻分野の新たな名称の傾向」『学位研究』17号、大学評価・学位授与機構、2003年3月、123頁。
- ^ 六車正章「学士の学位に付記する専攻分野の新たな名称の傾向」『学位研究』17号、大学評価・学位授与機構、2003年3月、122頁。
- ^ 北星学園大学学位規程第5条。
- ^ 富士大学学位規程第2条。
- ^ 東京情報大学学則第24条。
- ^ 福井工業大学学位規程第13条。
- ^ 中部大学学位規程第2条。
- ^ 四国大学『学校法人四国大学自己点検・評価報告書』平成25年度版、109頁。