宇高 菜絵(うだか なえ、1985年3月6日 - )は、愛媛県西条市出身の、日本人女子柔道選手である。愛媛県立宇和島東高等学校から愛媛女子短期大学に進み、さらに帝京大学に編入して同校卒業。階級は57キロ級。身長161cm。得意技は大外刈組み手は右組み。段位は参段。血液型はA型[1]コマツ女子柔道部から、現在はブイテクノロジーに所属している [2]

獲得メダル
日本の旗 日本
柔道
世界柔道選手権
2014 チェリャビンスク 57kg級
世界団体
2017 ブダペスト 57kg級
2010 アンタルヤ 57kg級
2014 チェリャビンスク 57kg級
ワールドマスターズ
2010 水原 57kg級
2015 ラバト 57kg級
グランドスラム
2013 東京 57kg級
2009 リオ 57kg級
2014 パリ 57kg級
2016 東京 57kg級
2017 エカテリンブルグ 57kg級
2010 パリ 57kg級
2013 パリ 57kg級
2015 パリ 57kg級
2017 東京 57kg級
東アジア競技大会
2009 香港 57kg級

人物 編集

6歳の時に柔道を始める[1]。愛媛女子短大2年の時福岡国際女子柔道選手権大会 で優勝を果たした[1]。その後も、国内外で一定の活躍をしていたものの代表には至らなかったが、2010年の体重別において、昨年の講道館杯に引き続いて松本薫に一本勝ちを果たして、ついに代表の座を勝ち取った[1]。しかし、世界選手権では3回戦で敗れた。続く世界団体では2戦2敗ながらチームは3位に入った[1]。 2012年の選抜体重別では初戦で世界チャンピオンの佐藤愛子に大外刈で一本勝ちすると、決勝でも松本をGSに入ってから大外返の有効で破って2年ぶり2度目の優勝を果たした。しかしながら、オリンピック出場圏内となる世界ランキング14位以内に入っていなかったために、ロンドンオリンピック代表選考の対象とはならなかった[3]。 2013年の講道館杯決勝では松本に指導2で敗れた。グランドスラム・東京では世界2位であるアメリカのマルティ・マロイを大外刈で破って優勝を飾った[4]。 2014年2月のグランドスラム・パリでは、決勝で山本杏GSに入ってから指導3を取られて敗れた[5]。4月の体重別では決勝で山本に大外刈で一本勝ちして2年ぶり3度目の優勝を飾り、世界選手権代表に選ばれた[6]。8月の世界選手権では決勝でポルトガルのテルマ・モンテイロと対戦すると、先に指導1を取られるが終了30秒前に指導1を取り返すと、GSに入ってモンテイロの足取りにより反則勝ちを収めて、29歳にして世界チャンピオンとなった[7][8]世界団体では3位だった[9]グランドスラム・東京では7位に終わった。2015年2月にはグランプリ・デュッセルドルフに出場するが、初戦で敗れた。4月の体重別では準決勝で山本に有効で敗れた。5月のワールドマスターズではモンゴルのドルジスレン・スミヤに敗れて3位だった[10]グランドスラム・パリでも3位になった[11]。2016年4月の選抜体重別では3位になった。6月のグランプリ・ブダペストでは決勝で三井住友海上玉置桃に敗れて2位だった[12]。11月の講道館杯では決勝で会社の4年後輩にあたる石川慈に指導1で敗れて2位だった[13]。12月のグランドスラム・東京では準決勝で玉置を破るも、決勝では会社の同僚で11歳年下の芳田司に対してGSを含めて10分近い激闘の末に指導1を取られて2位に終わった[14]。2017年2月のグランプリ・デュッセルドルフでは準決勝でドルジスレンに反則負けを喫して3位に終わった[15]。4月の体重別では決勝で14歳年下となる三井住友海上の舟久保遥香を大外刈で破って今大会4度目の優勝を飾った[16]。しかしながら、世界選手権代表には選出されなかったが、世界団体のメンバーに選出された[17]世界団体では初戦のみの出場だったが一本勝ちすると、その後チームも優勝を飾った[18]。地元の愛媛県で開催された国体ではチームの優勝に貢献した[19]グランドスラム・東京では準々決勝で同じコマツに所属する台湾の連珍羚に敗れるが、敗者復活戦を勝ち上がって3位になった[20]。2018年の体重別では準決勝で玉置に合技で敗れて3位だった[21]グランプリ・ブダペストでは準決勝でドイツのテレサ・シュトールに小外刈で敗れると、3位決定戦でカナダに国籍を変更した出口クリスタ大内刈で敗れて5位だった[22]。2020年4月からはブイ・テクノロジーの女子柔道部へ移籍して、選手と監督を兼ねることになった[23]。11月の講道館杯では決勝まで進むも、JR東日本柴田理帆に反則負けして2位だった[24]。2021年4月の体重別では決勝で舟久保に小内刈の技ありで敗れて2位だった[25]

なお、握力は左右55キロもあり、この階級の選手にしては非常にパワーがある[26]

戦績 編集

(出典[1]、JudoInside.com)

脚注 編集

  1. ^ a b c d e f 「柔道全日本強化選手名鑑 2018」近代柔道 ベースボールマガジン社、2018年4月号
  2. ^ [1]
  3. ^ 「平成24年全日本選抜柔道体重別選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2012年6月号
  4. ^ 18歳近藤、高藤が優勝=日本勢全5階級制覇-柔道グランドスラム 時事通信 2013年11月29日
  5. ^ 山本、山岸が優勝=柔道グランドスラム 時事通信 2014年2月9日
  6. ^ 高藤、海老沼、大野を選出=世界選手権代表-全柔連[リンク切れ] 時事通信 2014年4月6日
  7. ^ 中矢・宇高が優勝 世界柔道、五輪金の松本は2回戦敗退  日本経済新聞 2014年8月27日
  8. ^ 女子57キロ級の宇高、29歳の遅咲き初V  サンケイスポーツ 2014年8月27日
  9. ^ 男子が団体金、女子は銅 柔道世界選手権 日本経済新聞 2014年8月31日
  10. ^ 柔道ワールドマスターズ 高藤と田代が優勝 NHK 2015年5月24日
  11. ^ Paris Grand Slam 2015, France - DAY 1
  12. ^ Budapest Grand Prix 2016 - Hungary
  13. ^ 平成28年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  14. ^ Judo Grand-Slam Tokyo 2016[リンク切れ]
  15. ^ 新ルールの洗礼…宇高が指導3による反則負け「これだけは避けたかった」/柔道 サンケイスポーツ 2017年2月25日
  16. ^ 宇高、14歳年下を一蹴!得意の大外刈りで一本勝ち「素直にうれしい」/柔道 サンケイスポーツ 2017年4月2日
  17. ^ 全柔連、女子代表9人を発表 軽量2階級で2人ずつ起用/柔道 サンケイスポーツ 2017年4月16日
  18. ^ 日本が男女混合団体で金メダル 決勝でブラジルを圧倒[リンク切れ] 産経新聞
  19. ^ 第72回国民体育大会柔道競技
  20. ^ Grand Slam Tokyo 2017
  21. ^ 平成30年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  22. ^ Grand-Prix Budapest 2018
  23. ^ 宇高、新天地で監督兼任 キーワードは「挑戦」―柔道元世界女王 時事通信 2020年5月1日
  24. ^ 2020年度講道館杯全日本柔道体重別選手権大会
  25. ^ 2021年全日本選抜柔道体重別選手権大会
  26. ^ 「講道館杯全日本柔道体重別選手権大会」近代柔道 ベースボールマガジン社、2010年1月号、7頁

外部リンク 編集