宗教画
概要編集
礼拝の様子や、宗教に関する人物や事跡、伝説や逸話などを描く。キリスト教の宗教画や、ギリシア神話に基づいた宗教画などが、特に有名である。読み書きのできない庶民らへの教えのために、宗教画が描かれることもあった。
宗教画は古くから多くの画家が多様に描いており、時代の変遷とともにそのイメージも変化してきた。
中世の社会では、権力者の娯楽や、あるいは宗教の権威の象徴的事物として描かれた宗教画などが、職人としての画家によって描かれていた。偶像崇拝を禁じなかった宗教においては、盛んに聖書など経典を題材とした宗教画が制作されていた歴史が見出される。この時流によって、画家は宗教家やその宗教を支持する権力者が求める絵画を描き、その意向に沿った絵画を制作することによって手厚く保護されていた。
16世紀のイタリア美術は、フランドル絵画の影響により風景画の技法が発達し、とくに宗教画でその技法が取り入れられた。
イコンなどの宗教画においては、聖人の生涯、職業、使命を表すためにアトリビュートが用いられた[2]。画面内に描かれている女性がオルガンなどの楽器を手にしていればセシリアであろうし、車輪とともに描かれていればアレクサンドリアのカタリナであると見分けることができる。
仏教においては仏教絵画が描かれる。また文盲の庶民のために般若心経を絵で表現した「絵心経」もあった。
イスラム教では偶像崇拝に繋がるためアッラーフを描けずムハンマドも布で顔を覆った状態で描かれる。モスクには天使やムハンマドの絵画を飾ることは無く、アラベスクで装飾されている。クルアーンの解説はウラマーなどの知識人が行う。