宮城教育大学
宮城教育大学(みやぎきょういくだいがく、英語: Miyagi University of Education、公用語表記: 宮城教育大学)は、宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉149に本部を置く日本の国立大学である。1965年に設置された。大学の略称は宮教大(みやきょうだい)、宮教(みやきょう)。仙台市都心部の西の青葉山に所在する。東北大学教育学部の一部が独立して設立された大学であり、東北大学青葉山キャンパスと隣接している。
宮城教育大学 | |
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大学設置 | 1965年 |
創立 | 1873年 |
学校種別 | 国立 |
設置者 | 国立大学法人宮城教育大学 |
本部所在地 |
宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉149 北緯38度15分32.6秒 東経140度49分51.4秒 / 北緯38.259056度 東経140.830944度座標: 北緯38度15分32.6秒 東経140度49分51.4秒 / 北緯38.259056度 東経140.830944度 |
キャンパス |
青葉山(仙台市青葉区) 上杉(仙台市青葉区) |
学部 | 教育学部 |
研究科 | 教育学研究科 |
ウェブサイト | https://www.miyakyo-u.ac.jp/ |
概観編集
全国に11ある国立系の教員養成大学の一つであり、東北地方では唯一の国立系の教員養成大学である。
教員がおよそ120名、学生・大学院生合わせて1700名ほどが在籍している。
沿革編集
新制東北大学の教育学部は、旧制宮城師範学校・旧制宮城青年師範学校と旧制東北大学法文学部の教育学系とをもって新設された。宮城師範学校・宮城青年師範学校はこの新設教育学部の教員養成系統となった。ただし、宮城教育大学はこの教員養成系統(宮城師範学校・宮城青年師範学校部分)が分離独立した形で発足しており、分離時における教員の多数は旧制師範時代からの教員であり、分離以前においても教員養成課程は分校として置かれていたこともあって、こうした様々な事情から旧帝国大学の流れを汲むとは言えない。教育学部には、大きく教育学系統と教員養成系統との2つがあり、旧帝国大学の教育学部は教育そのものの研究をする前者であり、宮城教育大学は後者である。仙台以外の旧帝国大学の所在地では、教員養成系統の教育学部は置かれず、教員養成課程は旧制師範学校を基にした単科の学芸大学に置かれていたが、宮城教育大学の設置によって、仙台でも他の旧帝大所在地と同様になった。(教育学部#日本の教育学部参照)
- 1873年4月 - 官立宮城師範学校創設。
- 1881年7月 - 宮城師範学校内に宮城書籍館(後の宮城県図書館)開設。同校講堂を閲覧室、同校書庫を業務室と書庫に利用。
- 1886年4月 - 師範学校令により、宮城県尋常師範学校(県立)となる。
- 1965年4月1日 - 東北大学教育学部から教員養成系統を分離し、宮城教育大学を設置。
- 1967年
- 4月1日 - 東北大学教育学部附属中学校、附属小学校および附属幼稚園を本学に移管。
- 6月1日 - 附属養護学校(小学部および中学部)設置。
- 1968年4月1日 - 仮校舎(現在の仙台市太白区富沢字金山1番地)から現在地に移転。
- 1988年4月1日 - 大学院教育学研究科(修士課程)設置。
基礎データ編集
所在地編集
- 青葉山キャンパス(宮城県仙台市青葉区荒巻字青葉149)
- 上杉キャンパス(宮城県仙台市青葉区上杉6-4-1)
象徴編集
- 校章は分離設置当時に制定されたものの、長らく公的には利用されてこなかった。40周年記念事業の一環として校旗とともに復元され、2006年より公式に利用されている。
- 学生歌は『山にありて』。作曲は当時の教官の福井文彦、作詞は学生からの公募で制定された。
- 創立記念日は10月18日。
教育課程編集
教育学部および大学院教育学研究科が設置されている。学生の在籍数は全ての課程を合わせておよそ1700名ほどであり、男女比は2:3程度である。留学生の占める割合は5%ほどであるが、その大部分は中国からの留学生である。さらに特別支援教育特別専攻科が設置されていたが、平成21年度をもって廃止された。
教育学部編集
1学年あたりの定員は345名であるが、実際にはそれを若干超える学生を受け入れている。入学生のおよそ半数が地元宮城県出身で、東北6県でおよそ9割を占める。平成19年度から教育課程を再編した。
- 初等教育教員養成課程
- 入学定員188名。4系14コース。小学校の全教科に対応する共通科目に加えて所属コースの専門科目を履修する。
- 発達・教育系:幼児教育、子ども文化、教育学、教育心理学
- 言語・社会系:国語、社会、英語コミュニケーション
- 理科・生活系:数学、理科、情報・ものづくり、家庭科
- 芸術・体育系:音楽、美術、体育・健康
- 中等教育教員養成課程
- 入学定員107名。10専攻(国語教育、社会科教育、英語教育、数学教育、理科教育、技術教育、家庭科教育、音楽教育、美術教育、保健体育)。
- 特別支援教育教員養成課程
- 入学定員50名。4コース(視覚障害教育、聴覚・言語障害教育、発達障害教育、健康・運動障害教育)
教育実習は一年次の観察実習、二年次の体験実習、三年次の基本実習、四年次の応用実習の4つがメイン。一年次~三年次までは附属学校で実習。四年次はその他の協力校。このほかに二年次に附属養護学校で2日間、三年次に協力施設で5日間の介護等体験を行う。教員としての力を付ける講義はあるが、教員採用試験対策の講義は存在していない。毎年3月に教員対策講座が行われるが、これは希望者のみ有料で受講するものである。大学で教員採用試験の対策を重点的に受ける場合は、大学生協が運営している講座を有料で受講することになる。卒業生の就職状況は、非常勤を含む教員がおよそ半数である。
講座は、国語教育、社会科教育、数学教育、理科教育、音楽教育、美術教育、保健体育家庭科教育、技術教育、英語教育、特別支援教育、幼児教育、学校教育が置かれている。いずれも修士講座。
大学院教育学研究科編集
1学年あたりの入学定員は57名であるが、実際にはそれを若干超える学生を受け入れている。
平成20年度から教育課程を再編し、専門職学位課程が設置された。
専門職学位課程編集
- 高度教職実践専攻
- 入学定員32名。教員の養成・研修を目的とした教職大学院であり、修了者には教職修士(専門職)の学位が授与され、専修免許状を取得できる。入学者は主に現職教員で、一種免許状を取得した学部卒業生を5名程度受け入れるとしている。
修士課程編集
教育研究を目的とした大学院であり、修了者には修士の学位が授与される。入学時に一種免許状を取得しており免許状の教科と専修が一致している場合には、専修免許状が取得できる。
- 特別支援教育専攻
- 特別支援教育専修、入学定員3名。
- 教科教育専攻
- 9専修(国語教育、社会科教育、数学教育、理科教育、音楽教育、美術教育、保健体育、生活系教育、英語教育)、入学定員22名。
附属機関編集
附属図書館編集
蔵書33万冊。
附属教育研究施設編集
- 保健管理センター
- 情報処理センター
- 環境教育実践研究センター
- 教育臨床研究センター
- 特別支援教育総合研究センター
- 国際理解教育研究センター
- 小学校英語教育研究センター
- キャリアサポートセンター
- 教育復興支援センター
- 幼小連携推進研究室
- 防災教育研究機構(旧・防災教育未来づくり総合研究センター)[1]
学生生活編集
部活動編集
大学関係者と組織編集
大学関係者一覧編集
施設編集
キャンパス編集
大学としての基本機能は全て青葉山キャンパスに集約されているが、教員養成大学としての性格から附属学校園のある上杉キャンパスも欠くことのできない重要拠点となっている。東北大学からの分離設置時に東北大学農学部(当時)が移転した跡地を利用する計画だったが、これが頓挫したため大学と附属学校とが地理的に分離してしまったという経緯がある。2つのキャンパス以外に、市内に女子学生寮がある。他に山元町には磯浜合宿研修施設があったが、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴う津波により倒壊し、廃止された。
青葉山キャンパス編集
仙台市青葉区の青葉山中腹にあり、宮城教育大学の主要な施設、および陸上競技場、野球場、テニスコート、屋外水泳プール等の運動施設、そして男子寮がこのキャンパスに存在している。敷地は21万平方メートル弱で、東北大学青葉山キャンパスに隣接している。仙台市地下鉄東西線開業以前は、仙台駅西口のバス乗り場(9番)から仙台市営バスが出ていた(宮教大前バス停までの所要時間は約20分)。近隣に仙台市地下鉄東西線の青葉山駅が2015年12月6日に開業し、仙台駅から青葉山方面への路線バスは廃止された。
上杉キャンパス編集
市中央部にあり、附属学校園として幼稚園・小学校・中学校が置かれている。また教育臨床研究センターがあり、初等教育教員養成において重要な役割を果たしている。敷地は6万平方メートル弱で、宮城県立視覚支援学校・仙台市立上杉山中学校に隣接している。最寄駅はJR仙山線東照宮駅・北仙台駅であり、両駅とも徒歩10分を要する。地下鉄南北線北四番丁駅からは徒歩15分ほどである。仙台駅西口のバス乗り場(17~19番)から市営バスが出ており、附属小学校前バス停までの所要時間は約20分。
学生寮編集
青葉山キャンパス構内に男子寮、市内に女子寮(萩苑寮)がある。およそ8畳を2名同居で用いるが、教職大学院生については個室となる。
対外関係編集
他大学との協定編集
- 学都仙台コンソーシアム
- 放送大学学園と単位互換協定を結んでおり、放送大学で取得した単位を卒業に要する単位として認定することができる[2]。
国際交流協定校編集
- 東北師範大学(中華人民共和国・長春市)
- エセックス大学(イギリス・コルチェスター)
- セントラルクイーンズランド大学(オーストラリア・クイーンズランド州・ロックハンプトン)
- 大邱教育大学校(大韓民国・大邱市)
- 南ソウル大学校(大韓民国・忠清南道天安市)
- ペルージャ外国人大学(イタリア・ペルージャ)
- ウェスレー大学(アメリカ合衆国・デラウェア州)
- デラウェア州立大学(アメリカ合衆国・デラウェア州ドーバー)
- 中華大学(台湾・新竹市)
- 高雄大学(台湾・高雄市)
- タイ王国教育省国立教職員開発研究所
- ダーラナ大学(スウェーデン王国・ファールン市)
国内公的機関との協定編集
系列校編集
- 普通学校には教諭が65名、児童・生徒は合計で1500名ほど在籍している。
- 特別支援学校には教諭が30名、児童・生徒は合計で60名ほど在籍している。2007年4月1日より同大学附属養護学校から改称。
公式サイト編集
- 宮城教育大学
- MUEchannel(宮城教育大学広報戦略室オフィシャルチャンネル) - YouTubeチャンネル
- (国立大学法人として初めて開設した常設の動画サイト。YouTube内に2008年8月1日開設)
脚注・出典編集
- ^ 「宮城教育大が防災教育拠点 震災などの対応共有」『日本経済新聞』朝刊2019年4月20日(2019年5月16日閲覧)。
- ^ 放送大学 2019年度 単位互換案内 (PDF)
- ^ 国土交通省東北地方整備局と防災教育推進に関する連携協定締結について 宮城教育大学(2019年12月25日閲覧)