寺島 しのぶ(てらじま しのぶ、1972年12月28日 - )は、日本女優。本名は、寺嶋 グナシア 忍(てらじま グナシア しのぶ)[1]。旧姓名は、寺嶋 忍(てらじま しのぶ)。

てらじま しのぶ
寺島 しのぶ
寺島 しのぶ
本名 寺嶋 グナシア 忍
(てらじま グナシア しのぶ)[1]
生年月日 (1972-12-28) 1972年12月28日(51歳)
出生地 日本の旗 日本京都府京都市[1]
出身地 日本の旗 日本東京都[2]
身長 163 cm
血液型 B型
職業 女優
ジャンル 舞台テレビドラマ映画
活動期間 1992年 -
活動内容 1992年文学座入団
1996年:文学座退団
2000年:映画デビュー
配偶者 ローラン・グナシア
著名な家族 七代目尾上梅幸(祖父)
俊藤浩滋(祖父)
七代目尾上菊五郎(父)
富司純子(母)
五代目尾上菊之助(弟)
尾上眞秀(長男)
事務所 ユマニテ(2000年 - 2007年3月2日)
トップコート系列・アプティパ所属(2007年3月2日 - )
公式サイト 公式プロフィール
主な作品
テレビドラマ
純情きらり
龍馬伝
あさが来た
いだてん〜東京オリムピック噺〜
映画
シベリア超特急2
ゲロッパ!
赤目四十八瀧心中未遂
ヴァイブレータ
東京タワー
愛の流刑地
ハッピーフライト
キャタピラー
ヘルタースケルター
ヤクザと家族 The Family
 
受賞
ベルリン国際映画祭
銀熊賞(女優賞)
2010年キャタピラー
東京国際映画祭
女優賞
2003年ヴァイブレータ
日本アカデミー賞
最優秀主演女優賞
2003年赤目四十八瀧心中未遂
ブルーリボン賞
その他の賞
キネマ旬報ベスト・テン
主演女優賞
2003年赤目四十八瀧心中未遂
ヴァイブレータ
2010年キャタピラー
新人女優賞
2003年赤目四十八瀧心中未遂』『ヴァイブレータ』『ゲロッパ!
毎日映画コンクール
女優主演賞
2003年『赤目四十八瀧心中未遂』
2010年『キャタピラー』
田中絹代賞
2022年
報知映画賞
主演女優賞
2003年『赤目四十八瀧心中未遂』
助演女優賞
2021年ヤクザと家族 The Family
キネマの神様』『空白
日刊スポーツ映画大賞
主演女優賞
2003年『赤目四十八瀧心中未遂』
紀伊國屋演劇賞
読売演劇大賞 最優秀女優賞
菊田一夫演劇賞
文化庁芸術祭 演劇部門優秀賞、新人賞
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京都府京都市[1]生まれ、東京都[2]出身。アプティパ所属。

略歴 編集

2000年に映画『シベリア超特急2』で映画デビューを果たす。

2003年に公開された映画赤目四十八瀧心中未遂』に主演する。背中一面に迦陵頻伽の入れ墨を入れた姿をさらすシーンやセックスシーンなどがあり、母が止めるのを振り切って自ら出演を決め、下層の暮らしを送る主人公をここではない世界へと誘う濃密な魅力を持った女・綾を演じた。

同年に映画『ヴァイブレータ』に出演した。こちらは偶然出会った長距離運転手のトラックに乗って短い旅をする女・早川玲役。フリーライターの仕事をするうちに他人の思考や言葉に精神を支配されていく玲が、男と体を交わすことで次第に解放され、本能がほどけていくさまを生々しく演じた。

2003年に出演した映画『赤目四十八瀧心中未遂』『ヴァイブレータ』『ゲロッパ!』での演技が認められ、第27回日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を始め、日本国内外で10以上の映画賞を受賞した。大胆なヌードシーンについては、母の富司純子(藤純子)から「あなたがヌードになるなら私は自殺する」と猛反対を受け、大げんかになった。舞台に関しても、第3回バッカーズ演劇奨励賞を受賞した。

以後も、2004年は映画『Tokyo Tower』に出演し、第29回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2007年には映画『愛の流刑地』に出演し、第31回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞するなど、愛に生きる女性の姿を心と体の両面から演じていくことへ圧倒的な力を見せつける。

2008年に映画『ハッピーフライト』ではプロフェッショナルなキャビンアテンダント役を演じた。

2009年の映画『守護天使』ではパワフルな鬼嫁役などライトな作品にも出演している。その後、2008年には、シアタークリエ『私生活』の演技で平成20年度(第63回)文化庁芸術祭賞(演劇部門・関東参加公演の部)優秀賞を受賞する。

2010年には、若松孝二監督の映画『キャタピラー』で、1964年の左幸子、1975年の田中絹代に次ぎ日本人として35年ぶりにベルリン国際映画祭世界三大映画祭の1つ)の最優秀女優賞(銀熊賞)を受賞[3]。他にも、第84回キネマ旬報賞主演女優賞、第65回毎日映画コンクール女優主演賞、第53回ブルーリボン賞主演女優賞、第34回日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。

2013年には映画『ヘルタースケルター』に出演し、第36回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。

2018年5月29日から6月3日までドイツ・フランクフルトで開催された第18回ニッポン・コネクションにて、主演作『オー・ルーシー!』が観客によって選ばれるニッポン・シネマ部門の最優秀作品賞にあたるニッポンシネマアワードを受賞。あわせて寺島本人がニッポン名誉賞を受賞した[4]

人物 編集

家族 編集

  • 2007年(平成19年)2月26日、日本在住のユダヤ系フランス人アートディレクター、ローラン・グナシア(Laurent Ghnassia)と結婚した[11]。グナシアには、既に別の女性との間に一人娘がおり、実子として認知しているという[11]。国際結婚であり、夫婦の共通の言語は「心と心で伝わる英語」「シングリッシュ(心グリッシュ)」とコメントして話題となった[12]
  • 2012年9月11日、第一子となる男児を出産。歌舞伎俳優にしてもいいと語った[13]。なお、ハーフの歌舞伎俳優には、十五代目市村羽左衛門という前例がある。その後、自身の仕事を極力抑えて、長男に役者に必要な稽古を身につけさせるため付き添い、奮闘した。その姿はドキュメンタリー番組「寺島しのぶと眞秀君 奮闘記」で密着取材されて定期的に放送された。長男は寺嶋眞秀の名で幼児の頃から歌舞伎の舞台に立ち、また、子役としてテレビドラマなどにも出演。2023年5月2日、初代尾上眞秀と名を改め、歌舞伎座にて初舞台を踏んだ[14]
  • 十三代目市川團十郎白猿が姉弟の幼馴染で友人。海老蔵も彼女に飛び膝蹴りを食わされたことがあるという。弟・菊之助が二代目中村吉右衛門の四女と結婚したため(しのぶの弟・菊之助の妻が團十郎と再従兄弟)、團十郎とは親戚となった。
  • 苗字の読みは以前、「てらしま」だったが、結婚を報告した文書で「Terajima」と表記して以降「てらじま」となる。母は自分の映画を自身に見せることもなく、今までも見たことがない。文学座に入る時、太地喜和子に「あなた、絶対にお母さんの映画は見ない方がいいわ。女優を辞めたくなるから」と言われたことが理由。「ジョークかもしれないけど、それが子どもながらに頭に残って、見ちゃいけないと思うようになってしまった」という[15][リンク切れ]

出来事 編集

2015年2月23日WOWOW生放送された「第87回アカデミー賞授賞式」では、作品賞監督賞脚本賞撮影賞を受賞し放送当時日本では未公開だった『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のラストシーン及び助演女優賞に輝いた『6才のボクが、大人になるまで。』のオチについて堂々とネタバレを話し、大ひんしゅくを買う騒ぎがあった[16]

受賞歴 編集

出演 編集

テレビドラマ 編集

ラジオ 編集

映画 編集

舞台 編集

歌舞伎 編集

  • 六本木歌舞伎 座頭市(2017年2月、EXシアター六本木) - 薄霧太夫/おすず[47][48]
  • 錦秋十月大歌舞伎 文七元結物語(2023年10月、歌舞伎座) - 長兵衛女房お兼[49][50]

ウェブ 編集

  • 大人の女性のためのトラベル・ウェブ・マガジン『旅色』(2009年)

Webドラマ 編集

Web映画 編集

テレビアニメ 編集

ドキュメンタリー 編集

CM 編集

テレビその他 編集

  • 情熱大陸(2004年3月7日・2023年10月8日、毎日放送
  • 寺島しのぶと眞秀君 奮闘記(BS日テレ
    • はらはらドキドキ!寺島しのぶと4歳眞秀君奮闘記!〜僕、歌舞伎に挑戦します〜(2017年5月14日)
    • 寺島しのぶと眞秀君 奮闘記・2018〜母と息子の成長物語〜(2018年7月14日)
    • 寺島しのぶと眞秀君 奮闘記・2019〜舞台に稽古に大忙し〜(2019年10月13日)
    • 寺島しのぶと眞秀君 奮闘記・2021〜ただいま9歳 好奇心のかたまりだ〜(2021年10月16日)
  • 徹子の部屋テレビ朝日
    • 2017年5月5日、2022年11月3日 - 長男・寺嶋眞秀と共に「寺島しのぶ&寺嶋眞秀親子」として出演
    • 徹子の部屋 45周年突入SP(2020年4月2日、テレビ朝日)
  • サワコの朝(2019年4月6日放送、毎日放送・TBSテレビ) - 長男・寺嶋眞秀と出演
  • 第74回NHK紅白歌合戦(2023年12月31日〈予定〉、NHK) - ゲスト審査員[57]

書籍 編集

  • 『体内時計』主婦と生活社、2003年12月 ISBN 978-4-391-12884-0
  • 柳美里対談集 沈黙より軽い言葉を発するなかれ』創出版、2012年8月 ISBN 978-4-904795-19-4

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 母の富司純子がヒロイン役を演じた作品での出演。クレジットは「寺島忍」。

出典 編集

  1. ^ a b c d 寺島しのぶ”. KINENOTE. 2022年11月17日閲覧。
  2. ^ a b 寺島しのぶ”. NHK人物録. 2022年11月17日閲覧。
  3. ^ “寺島しのぶ受賞に喜び爆発!早朝ホテルで「奇声」”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2010年2月22日). オリジナルの2010年2月25日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100225215943/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2010/02/22/01.html 2010年2月22日閲覧。 
  4. ^ “「オー・ルーシー!」ドイツの映画祭で大賞に、寺島しのぶは名誉賞贈られる”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2018年6月4日). https://natalie.mu/eiga/news/285116 2018年6月4日閲覧。 
  5. ^ “寺島しのぶ 〜タレント名鑑〜”. スポニチ Sponichi Annex 芸能 (スポーツニッポン新聞社). オリジナルの2010年5月22日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100522174523/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/meikan/ta/terashima_shinobu.html 2010年2月22日閲覧。 
  6. ^ “[特別企画]狩野良規×寺島しのぶ・世界が称賛した女優を形作る、演じる姿勢と過去・現在・未来(2/3) : 青山学院スタイル2009”. YOMIURI ONLINE (読売新聞社). オリジナルの2010年5月9日時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/20100509173641/http://www.yomiuri.co.jp/adv/agu2009/special_interview/page2.htm 
  7. ^ 赤目四十八瀧心中未遂”. 2020年8月4日閲覧。
  8. ^ 寺島しのぶ、「普遍的な人間の本性」演じる”. 産経ニュース (2021年11月28日). 2021年11月29日閲覧。
  9. ^ “寺島しのぶ、“瀬戸内寂聴役”でリアル剃髪…女優生命かけた衝撃の尼僧姿”. スポーツ報知 (報知新聞社). (2022年5月26日). https://hochi.news/articles/20220525-OHT1T51224.html?page=1 2022年5月26日閲覧。 
  10. ^ 寺島しのぶ「『トヨエツ』とは仕事できません」広末涼子も納得の強烈な記憶”. デイリースポーツ online (2022年10月30日). 2022年10月30日閲覧。
  11. ^ a b “神前キスにVサイン…寺島しのぶ挙式”. スポニチ Sponichi Annex 芸能 (スポーツニッポン新聞社). (2007年4月27日). オリジナルの2007年5月3日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20070503021111/http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/2005kekon/KFullNormal20070427059.html 2008年11月27日閲覧。 
  12. ^ 寺島しのぶ“シン(心)グリッシュ婚”会見の一問一答!(eltha)2010年2月21日閲覧
  13. ^ “歌舞伎初のハーフ役者?寺島しのぶ 男児出産「親飛び越えて」”. スポニチ Sponichi Annex (スポーツニッポン新聞社). (2012年9月12日). https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2012/09/12/kiji/K20120912004098420.html 2016年12月23日閲覧。 
  14. ^ "寺島しのぶの長男・初代尾上眞秀が10歳とは思えない堂々初舞台 菊五郎、松緑、菊之助、團十郎と共演". スポーツ報知. 報知新聞社. 2023年5月2日. 2023年5月3日閲覧
  15. ^ 雑誌「創」[リンク切れ]より柳美里との対談での本人談
  16. ^ “寺島しのぶに映画ファン大激怒 日本未公開オスカー作品のラストをネタバレ”. Yahoo!ニュース. 東スポWeb (Yahoo Japan). (2015年2月23日). オリジナルの2015年2月24日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150224144513/http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150223-00000068-tospoweb-ent 
  17. ^ 【報知映画賞】寺島しのぶが助演女優賞「演じ方も無限にある」”. スポーツ報知 (2021年12月1日). 2021年11月30日閲覧。
  18. ^ “寺島しのぶが毒親に!湊かなえ「ポイズンドーター・ホーリーマザー」ドラマ化”. 映画ナタリー. (2019年2月22日). https://natalie.mu/eiga/news/320928 2019年2月22日閲覧。 
  19. ^ “「ポイズンドーター・ホーリーマザー」各回主演が足立梨花、清原果耶らに決定”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2019年4月16日). https://natalie.mu/eiga/news/328031 2019年4月16日閲覧。 
  20. ^ 湊かなえ、三浦しをん、角田光代の短編小説を、オムニバスドラマ化。『女性作家ミステリーズ 美しき三つの嘘』”. とれたてフジテレビ (2015年11月25日). 2015年11月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年11月25日閲覧。
  21. ^ 永作博美&土屋太鳳&鈴木京香、人気女性作家の短編ドラマに出演!”. シネマカフェ (2015年11月25日). 2016年1月12日閲覧。
  22. ^ 寺島しのぶ、整形逃亡犯・福田和子の実録ドラマに主演「なかなか踏ん切りが…」”. ORICON STYLE (2016年2月23日). 2016年2月23日閲覧。
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  24. ^ “長谷川博己:テロリストに立ち向かう! TBS新春ドラマ「都庁爆破!」に豪華キャスト集結”. MANTANWEB. (2017年11月13日). https://mantan-web.jp/article/20171112dog00m200024000c.html 2017年11月18日閲覧。 
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  28. ^ 時効警察はじめました:第6話 寺島しのぶ&柳葉敏郎、人気プロレスラーがゲスト出演 プロレスラーがリング上で息絶える”. MANTANWEB(まんたんウェブ) (2019年11月22日). 2019年11月29日閲覧。
  29. ^ 宮沢りえ×寺島しのぶ、山崎豊子原作『女系家族』でW主演 愛人vs総領娘の争い勃発”. クランクイン!. ブロードメディア株式会社 (2021年10月30日). 2021年10月30日閲覧。
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  32. ^ ““トラベルナース”岡田将生דスーパーナース”中井貴一の場面写真公開”. マイナビニュース (マイナビ). (2022年9月22日). https://news.mynavi.jp/article/20220922-2460036/ 2022年9月22日閲覧。 
  33. ^ リリー・フランキー×池松壮亮×橋本愛×寺島しのぶ!盲目の学者が奇跡を起こす『シェル・コレクター』新映像”. シネマトゥデイ (2015年9月22日). 2015年11月5日閲覧。
  34. ^ リリー・フランキー主演「シェル・コレクター」、場面写真に離島で橋本愛と並ぶ姿”. 映画ナタリー (2015年11月6日). 2015年11月6日閲覧。
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関連項目 編集

外部リンク 編集