寺田 貴信(てらだ たかのぶ、1969年8月7日[1] - )は、日本のゲームプロデューサー。京都府出身[1]。血液型B型[1]

バンダイナムコエンターテインメント(BNEI)を代表するゲームソフトである『スーパーロボット大戦シリーズ』(『スパロボ』)をプロデュースしている事で、ゲーム業界では名前を知られている(かつてはBNEI子会社のゲーム開発部門・B.B.スタジオ取締役であったが、2015年3月をもって取締役は辞任し、ゲーム開発に専念している[2])。

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略歴編集

学生時代編集

小学校に上がる頃に見た劇場用アニメ『マジンガーZ対暗黒大将軍』に感動し、以降ほとんどのロボットアニメを視聴するようになる[3]

中学校に入り周りの友達がアニメから卒業していく中でもアニメの視聴をやめず、表向き興味がない振りをしながらガンダムなどのプラモデルを集めていた[4]。高校、大学では弓道部の主将を務めたが、この二重生活は続いている[4]。当時の寺田は同人誌などの存在を知らなかったため、他人と趣味を共有することなく自己完結していた[4]

任天堂のマリオクラブに所属していた寺田は、ファミリーコンピュータ用ソフト『第2次スーパーロボット大戦』(当時はバンプレスト社発売)およびスーパーファミコン用ソフト『第3次スーパーロボット大戦』(同様)を発売前にテストプレイしており、マジンガーZとガンダムが共演する独特の世界観で物議をかもしたこれらのソフトを通じて、バンプレストに興味を持っていた[5]

バンプレスト入社後編集

キャラクターを扱った仕事をしたいと漠然と思っていた寺田は、バンダイの玩具部門へ面接を受けに行ったが採用されなかった[1]。そこで今度は、今後成長すると見込んだ[1]ゲーム業界で企画開発を目指して就職活動を行った[4]。文系出身だったためなかなか採用されなかったが、バンダイに面接を受けに行った際に薦められていた[1]バンプレストだけが企画書に目を通し開発部の内定をもらえたため、バンプレストに就職する[4]

バンプレストでの面接の際、スーパーロボット大戦シリーズの開発をやる気があるかと聞かれ、面倒臭そうと考えた寺田は特撮のゲームが作りたいと答えていた[1]。しかし、上司から質問された機械獣やモビルアーマーの名前を即答できたことから、スーパーロボット大戦シリーズの開発に配属される[6]。当時の寺田は、スーパーロボット大戦シリーズに対して「SDがイヤだ」や「独特の世界観がなじめない」といった否定的な感情を抱いていた[7](入社4年後のインタビューでは、スーパーロボット大戦シリーズの世界観について「ゲームオリジナルの世界にしかるべき理由があってそれぞれのキャラクターが存在している」「好きですし、納得しています。」と答えている[8])。

スーパーロボット大戦シリーズは当初『第4次スーパーロボット大戦』で完結する予定だったが、制作中にシリーズ継続が決定しバンプレストの初代社長である杉浦幸昌から「もっと売れるようにしろ」「20年続けろ」との指示が出された[9]。これに対し、スーパーロボット大戦シリーズはユーザー層が限定されていてその幅を広げるのは難しいと考えていた[9]寺田は「スパロボみたいな作品が売れたら、世の中おかしいです」と発言したが、「そういうモノが売れる文化を創れ!」と一喝されている[10]。なぜ20年なのかという問いに杉浦は「20年続ければ文化になる。親子で楽しめるようになる。そういう大きな流をつくるために20年続けなさい」と答え、それを聞いた寺田は「継続は力なり」という言葉を念頭に置くようになった[9]

入社1年目[4]でゲームボーイ用ソフト『第2次スーパーロボット大戦G』のプロデュースを担当。当時のスーパーロボット大戦シリーズは放送終了したなつかしのロボットが出演するゲームというイメージがあったため[11]、それを払拭すべく新しい作品を取り入れようと奔走する。放送中のテレビアニメ『機動武闘伝Gガンダム』と放送直後の『機動戦士Vガンダム』を取り入れるよう提案するが、新しいガンダムになじみのないスタッフたちに一蹴されてしまう[5]。しかし、あきらめずに『機動武闘伝Gガンダム』のビデオを見せてスタッフを説得[5]。スタッフの中に『機動武闘伝Gガンダム』のファンが増えていき、最終的にはスタッフ側からイベント案の提案が出るまでになった[5]。こうして、新旧のロボット作品が共演するというスタイルが確立され、その後シリーズにも継承されていった。

人物編集

外見編集

新作発表時のインタビューやイベントに顔を出しているため、外見は公表されている。体型は基本的には太り気味だが、忙しさ故に太ったり痩せたりを繰り返している[12]。髪型はかりあげで、2008年頃からは顎鬚を生やしている。メガネを着用しているが、インタビューなどでは外していることが多い。普段着はTシャツにジーンズなどラフな格好が多いが、大きなイベントではスーツを着用している。

柴田亜美の漫画『ドキばぐ[13]津島直人が参加したスパロボのアンソロジーコミック[14]に登場した事がある(時期としては1997年の『スーパーロボット大戦F』の頃)。ただし両作家とも写実的な作風ではないため、髪型以外寺田本人には似ていない。

趣味編集

自身も相当なロボット特撮マニアであり、影響を受けたロボットアニメ作品として、上記の劇場版『マジンガーZ』以外に『機動戦士Ζガンダム[4]や『伝説巨神イデオン[4]なども挙げている。ロボット・特撮以外では『うる星やつら』もアニメを見続ける一因になったと語っている[4]。なお、ロボットアニメ以外のアニメ(『プリキュア』や『ドラゴンボール改』など)も時間が許す限り目を通している[1]

趣味と仕事を兼ねて、プラモデルやおもちゃを収集している[1]。集めたプラモデルがゲーム製作の資料としてもらわれていくことがあるため、レアなキットは2個ずつ購入している[1]。こうして集めた資料類が自宅に収まりきらなくなり、引越しをしたことがある[15]

インベーダーゲーム』の頃からのゲーマーであり、大学時代に弓道部の主将を務めていた頃に『ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』の発売日に特権で稽古を休みにした事がある[4]。又、バンプレスト入社後NINTENDO64の発売日に本体と『スーパーマリオ64』を購入し、12時間連続でプレイした結果、翌日会社に遅刻して上司に怒られたという失態を犯している[16]

阪神タイガースファンであることを自身のブログで公言している[17]

ゲーム製作に対するスタンス編集

プロデュースが本業であるが、『スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION』や『スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ-』など一部の作品ではシナリオも担当している。オリジナルロボットダイゼンガーのネーミングも寺田の命名である[18]。ネーミングは「少しダサめにつけるのが良い」という考えを持っており、本人は昔の先輩のアドバイスによるものだと語っている[18]

息の長いシリーズを製作していることから、ユーザーに飽きられないようゲームの情報の出し方に気を配っている[1]。ゲームの発売前にどこまで情報を出すか、広報と衝突することもしばしばあった[1]。そうしたこともあり、発売前のゲームについて事前情報が流出した際には、情報を漏らすユーザーに対し公式ブログ上で苦言を呈したことがある[19]。一方、動画投稿サイトにプレイ動画がアップされることについては「ゲームをどう楽しむかは、ユーザーさん次第なので。」と寛容な立場を取っている[1]。ただし、コンテンツ製作に関わる立場から、寺田自身は違法アップロードされたコンテンツを見ないようにしている[1]

エピソード編集

「寺田大将軍」の名前でテレビに出演し広報活動をしていたことがあり[20]、同じ業界の人間から広報出身だと間違えられることがある[21]

1996年発売の『第4次スーパーロボット大戦S』以降のDC戦争シリーズ・αシリーズ[22]・Zシリーズのように主人公の誕生日・血液型を自分で設定できる作品では、寺田と同じ11月11日生まれのB型にすると強力な精神コマンドを持つキャラクターになるのがお馴染みとなっている[1]

スパロボ開発のために会社に泊まりこんだ際、うっかりTシャツにパンツ1枚のままビルの外に出て締め出されてしまう。その後、スタッフに見つけてもらうまで監視カメラを潜り抜け10数時間にわたって耐え忍んだ。のちにこの件を上司に話したところ、「おまえ『ドラクエ』でも初期装備はこんぼうくらいは持っているだろ?」と言われたことから布の服事件と呼ばれている[23][24]

スパロボシリーズのCM、PV等を数多く制作している映像演出家嶋崎直登の冗談半分ともとれるアイディアが実現し[25]、延期[26]の末に発売された『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』の発売日当日(2007年6月28日)には、「できたよ~!」と早朝の秋葉原電気街を駆け抜けるWEB用CMに出演[27]。このCMの収録には公式ブログを見て駆けつけた200人を超える一般ユーザー[27]、『スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS』に出演し自身もファンの置鮎龍太郎[28]、公式ブログ執筆者の一人である相沢舞[27]が参加。CMは当日の内に公式サイトから期間限定で配信された。

参加作品編集

ゲーム編集

以下の情報は、注釈のあるものを除き各作品のスタッフロールを出典とする。

アニメ編集

ラジオ編集

ドラマCD編集

  • スーパーロボット大戦α ORIGINAL SCORE(2000年、サウンドトラック) - ドラマパート原案
  • スーパーロボット大戦α ORIGINAL STORY(2001年、ドラマCD) - 原案、シリーズ監修、脚本
  • スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION THE SOUND CINEMA(2005年、ドラマCD) - 原案、監修
  • スーパーロボット大戦OG -ジ・インスペクター- ドラマCD(2011年、ドラマCD) - 監修

作詞編集

  • Psychic Energy(1997年)
  • VANISHING TROOPER(2000年)
  • ACE ATTACKER(2000年)
  • 鋼の箱舟(2006年)
  • Fairy Dang-Sing〜月下に妖精は舞う(2010年)

その他編集

  • スーパーロボットスピリッツプレストーリー オペレーションSRW(1998年、小説) - 監修
  • 超機人 龍虎王伝奇(2003年、漫画) - 原作
  • 電撃スパロボ! - オリジナルロボットなどの解説
  • SECRET HANGAR - オリジナルロボットなどの解説

注釈編集

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o 加藤レイズナの実況取材道 vol.3 「スーパーロボット大戦」シリーズの寺田貴信プロデューサーにインタビュー スーパーロボットスピリッツ〜鋼の魂〜編』、2009年11月1日2011年10月21日閲覧。
  2. ^ 「第3次Z 天獄篇」発売から1週間……|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2015年4月11日2015年4月14日閲覧。
  3. ^ 『永遠のガンダムシリーズ Vol.2 語ろうシャア!』 カンゼン、2004年4月5日、41-61頁。ISBN 4901782266
  4. ^ a b c d e f g h i j 『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ ザ・コンプリートガイド』 メディアワークス、2005年10月20日、742-751頁。ISBN 9784840232197
  5. ^ a b c d e f 『スーパーロボット大戦F プレイステーション版 完全攻略ガイド』 メディアワークス、1999年1月10日、168-170頁。ISBN 4073107178
  6. ^ 『ドリマガ Vol.8』 ソフトバンク パブリッシング、2003年4月25日、41-43頁。
  7. ^ 『動画王 Vol.9』 キネマ旬報社、2000年3月10日、114-119頁。ISBN 483765307。
  8. ^ 『B-CLUB 132号』 バンダイ、1996年11月15日、26頁。ISBN 4891895705
  9. ^ a b c 『スーパーロボット大戦シリーズ20周年記念特製ブックレット』 バンプレスト、2012年3月18日、35頁。
  10. ^ 『CONTINUE Vol.6』 太田出版、2002年9月22日、51-55頁。ISBN 487233700X
  11. ^ 『グレートメカニック 2』 双葉社、2001年7月16日、128-129頁。ISBN 4575464007
  12. ^ イベントやりますか!|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2006年6月15日2011年8月15日閲覧。
  13. ^ 『ジャングル少年ジャン ドッキンばぐばぐアニマル 2』 アスペクト、1999年4月8日、67頁。ISBN 4757203616
  14. ^ 『スーパーロボット大戦F ギャグウェポン』 学習研究社、1998年2月16日、22頁。ISBN 405601826X
  15. ^ 引越しします!|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2006年3月14日2012年2月6日閲覧。
  16. ^ マイコミ刊 『ニンドリ 2008年1月号』より[要ページ番号]
  17. ^ 久々に休み|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2008年9月16日2011年8月13日閲覧。
  18. ^ a b ネーミングセンス|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2007年3月14日2011年8月12日閲覧。
  19. ^ ちょっと悲しいです|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2007年6月20日2011年8月12日閲覧。
  20. ^ ゲーム王国」1995年3月14日放送に出演し、『ONI V -隠忍を継ぐ者-』のプレゼンを行っている。
  21. ^ う~むむ……。|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2006年3月17日2012年4月24日閲覧。
  22. ^ スーパーロボット大戦α外伝』を除く。
  23. ^ スーパーロボット大戦OGトークライブ~秘密の宴~ イベントリポート』。2011年8月12日閲覧。
  24. ^ 『スパロボOG』トークライブで寺田プロデューサーが暴露話をポロリ!?』、2006年7月28日2012年4月24日閲覧。
  25. ^ その時が来た!|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2007年6月22日2011年8月12日閲覧。
  26. ^ スーパーロボット大戦OG発売延期のお詫び|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2006年12月16日2011年8月12日閲覧。
  27. ^ a b c バンプレスト、PS2「スーパーロボット大戦OG ORIGINAL GENERATIONS」完成記念WEB限定CMを1週間限定配信』、2007年6月28日2011年8月12日閲覧。
  28. ^ というわけで|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2007年6月29日2011年8月12日閲覧。
  29. ^ 昔、こんなこともやってました|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2008年6月24日2011年10月2日閲覧。
  30. ^ 実写CMに整備士役で出演しているのが確認できる。
  31. ^ CM内に記載。
  32. ^ a b ゴングを鳴らせ!!|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2005年4月19日2011年7月26日閲覧。
  33. ^ Crest of “Z’s ”|スーパーロボット大戦公式BLOG「熱血!必中!スパログ!」』、2008年9月5日2011年8月27日閲覧。

外部リンク編集