小林 直樹(こばやし なおき、1921年[1]10月3日 - 2020年2月8日[2])は、日本法学者東京大学名誉教授。専門は憲法法哲学法学博士東京大学1962年)(学位論文「憲法の構成原理」)。総合人間学会会長。

来歴編集

長野県小諸市出身。旧制上田中学校(現・長野県上田高等学校)、旧制水戸高等学校(現・茨城大学文理学部)を経て、1942年東京帝国大学文学部哲学科入学も法学部政治学科に転じる。東京帝大在学中に学徒出陣。二等兵少尉等を経て、1947年高等文官試験合格。復学して受けた法哲学者尾高朝雄カントに関する講義に感動し、師事する[3]

法哲学者として出発し、1951年、東京大学教養学部で法学を教えていたが、1959年、宮沢俊義の後任として、憲法学に転籍し[4]、 2年間のドイツ留学を経て、1961年東京大学法学部教授(憲法学)となる。

1982年に専修大学に移ると、甥の稲田年行や同僚の儀我壮一郎とともに自宅で学術サロンを開き、多様な学者たちの交流の場とする。

2006年総合人間学会を設立する。

北海学園大学を退職する際、多数の書籍を同大学の付属図書館に「小林文庫」として寄贈している。

人物編集

  • 「平和憲法は世界で最も進んだもの」として憲法の基本原理を擁護、改憲論に一貫して反対の立場を取り、学界をリードした。
  • 80歳を超えても大著「法の人間学的考察」「暴力の人間学的考察」を刊行、長く活躍した[5]

略歴編集

学歴編集

職歴編集

著書編集

  • 『法理学 上巻』(岩波書店1960年
  • 『憲法講義』第1-第3 東京大学出版会, 1961
  • 『憲法の構成原理』(東京大学出版会、1961年
  • 『日本における憲法動態の分析』(岩波書店、1963年
  • 『日本国憲法の問題状況』(岩波書店、1964年
  • 『憲法を読む』岩波新書 1966年
  • 『現代基本権の展開』 (現代法叢書) 岩波書店, 1976
  • 『憲法判断の原理』日本評論社, 1977-78
  • 『国家緊急権 非常事態における法と政治』学陽書房, 1979
  • 『憲法第九条』岩波新書、1982年
  • 『現代教育の条件 その再生をねがって』有斐閣選書 1983
  • 『立法学研究:理論と動態』(三省堂1984年
  • 『憲法秩序の理論』(東京大学出版会、1986年
  • 『憲法と日本人』(UP選書 東京大学出版会, 1987
  • 『法・道徳・抵抗権』(日本評論社、1988年
  • 『憲法政治の転換 民主政の再建を求めて』東京大学出版会, 1990
  • 『憲法政策論』日本評論社, 1991
  • 『憲法学の基本問題』(有斐閣、2002年
  • 『法の人間学的考察』(岩波書店、2003年
  • 『平和憲法と共生六十年--憲法第九条の総合的研究に向けて』(慈学社出版、2006年)
  • 『暴力の人間学的考察』岩波書店, 2011
  • 『欲望の人間学』(慈学社出版、2012年)

共編著編集

翻訳編集

  • T.I.エマースン『表現の自由』(UP選書) 横田耕一共訳. 東京大学出版会, 1972

記念論文集編集

  • 『現代国家と憲法の原理 小林直樹先生還暦記念』現代憲法学研究会 編. 有斐閣, 1983
  • 『憲法学の展望 小林直樹先生古稀祝賀』樋口陽一 野中俊彦[ほか]編. 有斐閣, 1991

弟子編集

脚注編集

  1. ^ 長谷部恭男編『憲法本41…改憲・護憲をいうまえに学んでおくべきこと』 (平凡社、2001年)171頁[西原博史執筆]
  2. ^ “憲法学者の小林直樹さん死去 98歳 東大名誉教授 護憲運動を主導 「憲法の構成原理」”. 毎日新聞社. (2020年3月2日). https://mainichi.jp/articles/20200302/k00/00m/040/340000c 2020年3月2日閲覧。 
  3. ^ 長谷部恭男編『憲法本41…改憲・護憲をいうまえに学んでおくべきこと』 (平凡社、2001年)171頁[西原博史執筆]
  4. ^ 長谷部恭男編『憲法本41…改憲・護憲をいうまえに学んでおくべきこと』 (平凡社、2001年)171頁[西原博史執筆]
  5. ^ https://www.yomiuri.co.jp/culture/20200302-OYT1T50252/
  6. ^ 棟居快行『人権論の新構成[改版新装版]』(信山社、2008年)iii頁

出典編集


先代:
有倉遼吉
日本教育法学会会長
1979年 - 1983年
次代:
高柳信一
先代:
新設
日本財政法学会理事長
1983年 - 1991年
次代:
北野弘久