小田 光雄(おだ みつお、1951年5月3日 - 2024年6月8日)は、日本文筆家翻訳家

略歴

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静岡県生まれ。早稲田大学卒業。

出版社「パピルス」の編集責任者などで出版業に携わり、1990年代後半から出版不況に警鐘を鳴らしていた。

図書流通[1]、古書・出版に関する著書のほか、エミール・ゾラ作品を多数翻訳。

2019年に『古本屋散策』でドゥマゴ文学賞(第29回:鹿島茂の選考)を受賞。

2024年6月8日、食道がんのため静岡県内の病院で死去。73歳没[2]

著書

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  • 『消費される書物 西村寿行と大衆文学の世界』(創林社) 1982
  • 船戸与一と叛史のクロニクル』(青弓社) 1997
  • 『〈郊外〉の誕生と死』(青弓社) 1997/論創社 2017 - ※再刊版は各・改訂
  • 『出版社と書店はいかにして消えていくか 近代出版流通システムの終焉』(ぱる出版) 1999/論創社 2008
  • ブックオフと出版業界 ブックオフ・ビジネスの実像』(ぱる出版) 2000/論創社 2008
  • 『図書館逍遥』(編書房) 2001/論創社 2023 - 電子書籍も刊
  • 『文庫、新書の海を泳ぐ ペーパーバック クロール』(編書房) 2002
  • 『書店の近代 本が輝いていた時代』(平凡社新書) 2003
  • 『ヨーロッパ 本と書店の物語』(平凡社新書) 2004 
  • 『民家を改修する』(論創社) 2007
  • 『出版業界の危機と社会構造』(論創社) 2007
  • 『古雑誌探究』(論創社) 2009
  • 「古本探究」論創社
    1. 『古本探究 I』 2009
    2. 『古本探究 II』 2009
    3. 『古本探究 III』 2010
  • 「出版状況クロニクル」論創社
    1. 『出版状況クロニクル I』 2009
    2. 『出版状況クロニクル II』 2010
    3. 『出版状況クロニクル III』 2012
    4. 『出版状況クロニクル IV』 2016
    5. 『出版状況クロニクル V』 2018
    6. 『出版状況クロニクル Ⅵ』 2021
    7. 『出版状況クロニクル Ⅶ』 2024 - 電子書籍も刊
  • 『郊外の果てへの旅 混住社会論』(論創社) 2017
  • 『古本屋散策』(論創社) 2019.5、電子書籍 2023
  • 「近代出版史探索」論創社、各・電子書籍 2023
    1. 『近代出版史探索』 2019.10
    2. 『近代出版史探索 II』 2020.5
    3. 『近代出版史探索 III』 2020.7
    4. 『近代出版史探索 Ⅳ』 2020.10
    5. 『近代出版史探索 Ⅴ』 2020.12
    6. 『近代出版史探索 Ⅵ』 2022.5
    7. 『近代出版史探索 Ⅶ』 2024.1、電子書籍 2024.5
  • 『近代出版史探索 外伝』 論創社 2021.9
  • 『近代出版史探索 外伝 II』 論創社 2025.4 遺著[3]

共編著

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  • 『出版クラッシュ!? 書店・出版社・取次-崩壊か再生か 超激震鼎談 出版に未来はあるか? Ⅱ』[4]安藤哲也永江朗と、編書房) 2000
  • 『古本屋サバイバル 超激震鼎談 出版に未来はあるか? Ⅲ』(河野高孝、田村和典と、編書房) 2001
  • 『戦後出版史 昭和の雑誌・作家・編集者』(塩澤実信、編著、論創社) 2010
  • 「出版人に聞く」(聞き手、論創社
    1. 『「今泉棚」とリブロの時代』(今泉正光) 2010
    2. 『盛岡さわや書店奮戦記』(伊藤清彦) 2011
    3. 『再販 / グーグル問題と流対協』(高須次郎) 2011
    4. リブロが本屋であったころ』(中村文孝) 2011
    5. 『本の世界に生きて50年』(能勢仁) 2011
    6. 『震災に負けない古書ふみくら』(佐藤周一) 2011
    7. 『営業と経営から見た筑摩書房』(菊池明郎) 2011
    8. 『貸本屋、古本屋、高野書店』(高野肇) 2012
    9. 『書評紙と共に歩んだ五〇年』(井出彰) 2012
    10. 薔薇十字社とその軌跡』(内藤三津子) 2013
    11. 『名古屋とちくさ正文館』(古田一晴)[5] 2013
    12. 『『奇譚クラブ』から『裏窓』へ』(飯田豊一) 2013
    13. 『倶楽部雑誌探究』(塩澤実信) 2014
    14. 『戦後の講談社東都書房』(原田裕) 2014
    15. 『鈴木書店の成長と衰退』(小泉孝一) 2014
    16. 三一新書の時代』(井家上隆幸) 2014
    17. 『『週刊読書人』と戦後知識人』(植田康夫) 2015
    18. 小学館の学年誌と児童書』(野上暁) 2015
    19. 弓立社という出版思想』(宮下和夫) 2015
    20. 『『暮しの手帖』と花森安治の素顔』(河津一哉、北村正之) 2016
  • 『風から水へ - ある小出版社の三十五年』(鈴木宏、聞き手、論創社) 2017
  • 『家庭通信社と戦後五○年史』(関根由子、聞き手、論創社) 2018
  • 『全国に30万ある「自治会」って何だ!』(中村文孝と対談、論創社) 2021
  • 『私たちが図書館について知っている二、三の事柄』(中村文孝と対談、論創社) 2022

翻訳

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脚注

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  1. ^ ロードサイドの店舗ビジネスの進展と終焉を論じた。
  2. ^ 文筆家の小田光雄さん死去、73歳 「古本屋散策」でドゥマゴ文学賞”. 産経新聞 (2024年6月12日). 2024年6月13日閲覧。
  3. ^ 連載コラム「本を読む」100編、未発表原稿10編と「解説」3編。追悼鹿島茂、あとがき小田啓子(夫人)
  4. ^ 他は『超激辛 爆笑鼎談 「出版」に未来はあるか?』(井家上隆幸、永江朗、安原顯、編書房)1999。同社は2011年に解散・廃業。
  5. ^ 書店・ちくさ正文館(千種区)は2023年7月で閉店。著者も2024年10月に病没。

外部リンク

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