小藤石(ことうせき、Kotoite)は、1938年に発表された新鉱物で、当時北海道大学に勤務していた渡辺武男により、朝鮮のホルゴル(笏洞)金・銅鉱山(現在の朝鮮民主主義人民共和国黄海北道遂安郡)において、苦灰岩ホウ素を含む熱水との反応の生成物として発見された[1]。化学組成は Mg3[BO3]2 で、斜方晶系[2]東京帝国大学の地質学者、小藤文次郎の業績をたたえて命名されたもの。日本で、初めて人名に由来する名前のついた鉱物であった。

通常は透明もしくは半透明の粗粒結晶集合体として産出し、条痕色は白、モース硬度は6.5。へき開は完全。密度3.10g/cm3。水に不溶。

岩手県根知でも産する[3]

脚注 編集

  1. ^ Watanabe, Takeo (1938-11-01). “Kotoit, ein neues gesteinsbildendes Magnesiumborat”. Zeitschrift für Kristallographie, Mineralogie und Petrographie 50 (6): 441-463. doi:10.1007/BF02946864. ISSN 1438-1168. https://doi.org/10.1007/BF02946864. ( 要購読契約)
  2. ^ 定永兩一「小藤石Mg3B2O6の結晶構造」『X線』第5巻第1-2号、日本結晶学会、1948年、2-7頁、doi:10.5940/jcrsj1940.5.2 
  3. ^ Takeo WATANABE; Akira KATO; Takashi KATSURA「Kotoite, Mg3(BO3)2, from the Neichi Mine, Iwate Prefecture, Japan」『Proceedings of the Japan Academy』第39巻第3号、日本学士院、1963年、164-169頁、doi:10.2183/pjab1945.39.164 

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