小豆はかり(あずきはかり)は、江戸時代の怪談集『怪談老の杖』にある日本妖怪。姿は現さずに人家で小豆の音を立てる妖怪とされ、音のみの妖怪であることから、ポルターガイスト現象に類するものとの説もある[1]

鳥取県境港市水木しげるロードに設置されている「小豆はかり」のブロンズ像。

概要 編集

『怪談老の杖』では、以下のように語られている。

その昔ある男が、麻布に住む友人の家に妖怪が出没するという話を聞いた。男は「ぜひ見たい」と言い、友人の家に泊まらせてもらった。

前述の特徴の通り部屋を静かにしていると、天井裏を踏み歩くような大きな音がし、続いてあの小豆をまくような音が聞こえてきた。音は次第に大きくなり、挙句にはその音は、一斗(約18リットル)の小豆をまくかのような大きさになった。

やがて、天井裏ではなく家の外の庭から、下駄を鳴らす音や、水をまくような音がしてきた。男はすかさず障子を開けたが、庭には誰の姿もなかったという。

この妖怪は天井から土や紙くずを落とすこともあるものの、特に悪事は働かないものなのだという[2]

脚注 編集

  1. ^ 村上健司 編『妖怪事典』毎日新聞社、2000年、14頁。ISBN 978-4-620-31428-0 
  2. ^ 平秩東作 著「怪談老の杖」、柴田宵曲 編『随筆辞典』 第4巻、東京堂、1961年、8頁。 NCID BN1499398X 

関連項目 編集

外部リンク 編集