小野塚 康之(おのづか やすゆき、1957年5月23日 - )は、日本のフリーアナウンサー。元NHKアナウンサー(1980年 - 2019年)。 野球を中心としたスポーツ中継を主に担当している。

おのづか やすゆき
小野塚 康之
プロフィール
出身地 日本の旗 日本 東京都大田区
生年月日 (1957-05-23) 1957年5月23日(66歳)
血液型 B型[要出典]
最終学歴 学習院大学文学部卒業
職歴 鳥取金沢札幌大阪東京アナウンス室→大阪→東京アナウンス室→福岡→大阪→広島神戸→大阪
活動期間 1980年 - 2019年(NHK時代)
2019年 - (フリー)
ジャンル スポーツ
公式サイト 公式ホームページ 小野塚 康之
出演番組・活動
出演中 本文参照
出演経歴 本文参照

人物 編集

東京都大田区出身[1]学習院高等科を経て学習院大学卒業後[2]1980年(昭和55年)NHK入局[1]。初任地は鳥取放送局で、以後金沢放送局札幌放送局大阪放送局東京アナウンス室、大阪放送局、東京アナウンス室、福岡放送局(2003年 - 2007年)[3]、大阪放送局、広島放送局[4]神戸放送局[5]を経て、2016年6月23日から大阪放送局に勤務、日本プロ野球高校野球を中心に、スポーツ中継の実況を長年にわたって担当した。特に高校野球の中継においては、テレビ・ラジオを合わせて300以上の試合で実況を担当した[6]。また、1992年アルベールビルオリンピック2002年ソルトレイクシティオリンピックの期間中には、NHK代表の実況アナウンサーとして、ジャパンコンソーシアムに派遣された。

NHKの定年規定によって、60歳に達した2017年6月に定年で退職した。退職後もアナウンサーとして大阪局との間で嘱託契約を締結。スポーツ中継に加えて、『助けて!きわめびと』(『ごごナマ』金曜日第1部)のMCを担当するなど、スポーツ関連以外の全国向け番組にもレギュラーで出演していた。

2019年3月にNHKとの嘱託契約を終了。以後、衛星放送インターネット向けのプロ野球・大学野球中継で実況を専門としたフリーアナウンサーとしての活動を行っており[6]、「実況家」の肩書きを使用している。

2023年春には宮崎県に移住し、第105回全国高校野球選手権記念宮崎大会で実況を担当した[7]

嗜好・挿話 編集

  • NHK初任地の鳥取放送局では、「野球中継がやりたい」という思いを胸に、全国高等学校野球選手権鳥取大会で、当時全国最少の参加20校全てを取材した[2]1986年春の第58回選抜高等学校野球大会)から、全国向けの中継でも実況を担当[8]。担当した中でとりわけ記憶に残る試合として、1998年夏(第80回全国高等学校野球選手権大会)準決勝・横浜明徳義塾戦、1999年春(第71回選抜高等学校野球大会)決勝・沖縄尚学水戸商戦、2004年夏(第86回全国高等学校野球選手権大会)決勝・駒大苫小牧済美戦を挙げている[6][8]
  • NHK時代から「日本野球株式会社の広報担当者」を自任。高校野球中継の実況では、「中継を見聞きしている野球ファンの少年たちに『正しい野球の考え方』を伝えたい」との思いから、「セオリー」「逆方向に打つ」といったフレーズや、高校野球をむやみに美化する表現の使用を戒めていた[9]。もっとも、高校野球中継で実況を担当した試合の直後には、負けたチームの監督にもあえて取材。その監督が持ち合わせる野球の理論や作戦を聞き出すことによって、実況の研鑽を積んでいた[10]。フリーアナウンサーへの転身後は、2019年6月開催の全日本大学野球選手権大会J SPORTS中継分)から、学生野球中継の実況を再開している[11]
  • NHK時代には、転勤のたびに、野球場が見渡せる場所へ自宅を構えていたという[12]。神戸局へ勤務していた時期に開設していたブログにも、「甲子園兵庫県西宮市)に終の棲家を求めた」と記していた[4]
  • アルベールビルオリンピックまでに担当したスポーツ中継の実況では、注目する選手やチームのデータを調べ上げたうえで、そのデータを放送中に蕩々と語っていたという。しかし、NHKからジャパンコンソーシアムへ一緒に派遣されていた内藤勝人が女子スピードスケートの中継で橋本聖子の滑走を端的に描写していたことを参考に、オリンピック後のスポーツ中継では内藤の実況スタイルを踏襲。事前に自分で調べたデータをあまり出さずに、言葉のトーンや間を重視しながら、聴いているだけで選手の存在感やプレーの臨場感を想起できるような実況を心掛けている[10]
  • フリーアナウンサーへの転身後初めて迎えた第101回全国高等学校野球選手権大会では、熊本朝日放送が制作する熊本大会のテレビ中継で実況を担当。甲子園球場での本大会期間中には、アナウンサーとして実況する機会はなかったものの、「元NHKアナ小野塚康之の一喜一憂」と称する観戦記を「Sponichi Annex」(『スポーツニッポン』のオンライン版)に連日寄稿していた。
  • フリー転身後の2019年9月14日にナゴヤドームで催された中日ドラゴンズ阪神タイガース戦では、DAZNで配信された中継の実況アナウンサーとして、中日の大野雄大ノーヒットノーランを達成した瞬間を伝えた。小野塚によれば、ノーヒットノーラン達成の瞬間を実況したことは、NHK時代を含めても40年間のアナウンサー生活で初めてだったという[13]

現在の担当番組 編集

いずれも実況を担当

NHK時代の担当番組 編集

鳥取放送局時代
  • 鳥取のニュース、中継、スポーツ実況他
金沢放送局時代
  • 石川のニュース、中継、スポーツ実況他
札幌放送局時代
福岡放送局時代
神戸放送局時代
大阪放送局異動後

フリー時代の過去の担当番組 編集

脚注 編集

  1. ^ a b 詳細”. アナウンサー. 日本放送協会. 2007年9月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  2. ^ a b 小野塚 康之”. アナウンサー勢揃い. 日本放送協会. 2007年3月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月16日閲覧。
  3. ^ 小野塚康之 (2015年6月11日). “第3回「世界のホームラン王・ナンバーワンが原点に立つ」”. 高校野球100年のものがたり. 日本放送協会. 2015年8月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  4. ^ a b 小野塚 康之(おのづか やすゆき)”. アナウンサー・キャスター. 日本放送協会. 2013年11月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  5. ^ 小野塚康之 (2015年4月30日). “第2回「大記録はあまりにも突然に!」”. 高校野球100年のものがたり. 日本放送協会. 2015年8月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  6. ^ a b c スポーツ報知東京販売局 [@hochi_hanbai] (2019年4月6日). "4月6日(土)付 スポーツ報知". X(旧Twitter)より2019年4月6日閲覧
  7. ^ Company, The Asahi Shimbun. “高校野球の名物アナ、元NHKの小野塚康之さん 宮崎大会を実況中 | バーチャル高校野球 | スポーツブル”. バーチャル高校野球. 2023年7月12日閲覧。
  8. ^ a b 小野塚康之 (2015年3月12日). “第1回「30年前の春・・・私の原点」”. 高校野球100年のものがたり. 日本放送協会. 2015年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年8月14日閲覧。
  9. ^ “甲子園名物アナの小野塚康之氏「使わないと決めた言葉ある」(2)”. NEWSポストセブン (小学館). (2014年8月11日). https://www.news-postseven.com/archives/20140811_270872.html/2 2019年4月6日閲覧。 
  10. ^ a b “甲子園名物アナの小野塚康之氏「使わないと決めた言葉ある」(1)”. NEWSポストセブン (小学館). (2014年8月11日). https://www.news-postseven.com/archives/20140811_270872.html/1 2019年4月6日閲覧。 
  11. ^ “甲子園名物小野塚アナ、フリー転身後初の学生野球実況 全日本大学野球選手権中継のJSPORTSで”. Sponichi Annex (スポーツニッポン). (2019年6月10日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2019/06/10/kiji/20190610s00001089136000c.html 2019年6月10日閲覧。 
  12. ^ 広島放送局時代の公式サイトより。
  13. ^ “名物アナも相手ファンも…偉業達成に立ち会う喜び”. nikkansports.com (日刊スポーツ). (2019年9月14日). https://www.nikkansports.com/baseball/column/takahara/news/201909140001179.html 2019年10月18日閲覧。 

外部リンク 編集