小電力無線局
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小電力無線局(しょうでんりょくむせんきょく)は、電波法に規定する免許を要しない無線局の内、一部のものの通称である。
概要編集
電波法第4条に規定する免許を要しない無線局の内、同条第3号には「空中線電力1W以下である無線局のうち総務省令に定めるもので、総務省令に定める機能により他の無線局にその運用を阻害するような混信その他の妨害を与えないように運用することができるものでかつ、適合表示無線設備のみを使用するもの」と規定している。 この総務省令とは電波法施行規則のことで、第6条第4項に規定している。
これらは、電波法令上に文言は無いが「小電力」と称する無線局が含まれていることから、通称として小電力無線局と呼ばれる [1][2][3][4][5]。 また、技術基準適合証明の対象であるので技適マークの表示は必須である。
種別編集
電波法施行規則第6条第4項の各号に規定される。 最大空中線電力は電波法施行規則またはこれに基づく告示 [6] に規定されており、すべてが1Wではない。
2012年(平成24年)3月26日[7]現在
- コードレス電話の無線局
- 特定小電力無線局
- 小電力セキュリティシステムの無線局
- 小電力データ通信システムの無線局
- 無線LAN
- 2.4GHz帯デジタルコードレス電話
- 模型飛行機の無線操縦
- Bluetooth
- 注 上記は例であり電波法施行規則に明示してあるものではない。
- デジタルコードレス電話の無線局
- PHSの陸上移動局(中継機能を持つものを除く。)
- 狭域通信システムの陸上移動局及び狭域通信システムの陸上移動局の無線設備の試験のための通信を行う無線局
- 5GHz帯無線アクセスシステムの空中線電力10mW以下の陸上移動局および携帯局
- 超広帯域無線システムの無線局
- 700MHz帯高度道路交通システムの陸上移動局
技術基準適合認定との関係編集
コードレス電話や無線LANなど電気通信回線に接続する機器は電気通信事業法の端末機器でもあり技術基準適合認定も要する。 この場合、技適マークの表示は単数でよい。
沿革編集
1987年(昭和62年)- 電波法令改正により制度化された。 [8][9]
- 当初、空中線電力は0.01W以下で種別はコードレス電話の無線局のみであった。
1989年(平成元年)- 特定小電力無線局が追加された。
- 種類は告示[6]によるものとされた。
1992年(平成4年)
1993年(平成5年)- デジタルコードレス電話の無線局及び簡易型携帯電話の陸上移動局が追加された。 [12]
1997年(平成9年)- 有料道路料金収受システムの無線局が追加された。 [13]
1998年(平成10年)
2001年(平成13年)- 有料道路料金収受システムの無線局は、狭域通信システムの陸上移動局及び狭域通信システムの陸上移動局の無線設備の試験のための通信を行う無線局と改称された。 [15]
2002年(平成14年)
2006年(平成18年)- 超広帯域無線システムの無線局が追加された。 [17]
2011年(平成23年)
2012年(平成24年)- 5GHz帯無線アクセスシステムの空中線電力10mW以下の携帯局が追加された。 [7]
旧技術基準の機器の使用編集
無線設備規則のスプリアス発射等の強度の許容値に関する技術基準改正 [20] により、旧技術基準に基づく無線設備の使用は「平成34年11月30日」まで [21] とされた。
旧技術基準の無線設備とは、
である。
これに該当するのは上記の内、
- 1.コードレス電話の無線局
- 2.特定小電力無線局(移動体識別用の2441.75MHz(周波数ホッピング方式) は除く。)
- 3.小電力セキュリティシステムの無線局
- 5.デジタルコードレス電話の無線局
- 7.狭域通信システムの陸上移動局及び狭域通信システムの陸上移動局の無線設備の試験のための通信を行う無線局
であり、「令和4年12月1日」以降は使用できない。
脚注編集
- ^ 小電力無線局 電波利用(関東総合通信局)
- ^ Q3:特定小電力無線局とは? 免許を要しない無線局(北陸総合通信局)
- ^ 特定小電力無線局 微弱・特定小電力無線局(近畿総合通信局)
- ^ Q&A 01:ワイヤレスマイクとラジオマイクの違いは?(特定ラジオマイク運用調整機構)
- ^ ARIB TR-T18 小電力無線局解説書(電波産業会技術資料)
- ^ a b 平成元年郵政省告示第42号 特定小電力無線局の用途、電波の型式及び周波数並びに空中線電力(総務省電波利用ホームページ - 総務省電波関係法令集)
- ^ a b 平成24年総務省令第15号による電波法施行規則改正
- ^ 昭和62年法律第55号による電波法改正により第4条第1項但書きに第3号として追加
- ^ 昭和62年郵政省令第48号による電波法施行規則改正により第6条に追加
- ^ 平成4年郵政省令第21号による電波法施行規則改正
- ^ 平成4年郵政省令第78号による電波法施行規則改正
- ^ 平成5年郵政省令第50号による電波法施行規則改正
- ^ 平成9年郵政省令第58号による電波法施行規則改正
- ^ a b 平成10年郵政省令第111号による電波法施行規則改正
- ^ 平成13年総務省令第63号による電波法施行規則改正
- ^ a b 平成14年総務省令第96号による電波法施行規則改正
- ^ 平成18年総務省令第104号による電波法施行規則改正
- ^ 平成23年法律第65号による電波法改正
- ^ 平成23年総務省令第162号による電波法施行規則改正
- ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正
- ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第3条第1項
- ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正の施行日の前日
- ^ 平成17年総務省令第119号による無線設備規則改正附則第5条第4項