尾沢池

静岡県掛川市の池

尾沢池(おざわいけ、おざわ の いけ、英語: Ozawa Pond)は、日本

尾沢池
所在地 静岡県掛川市
貯水量 0.00001866 km3
成因 人造湖
淡水・汽水 淡水
プロジェクト 地形
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概要 編集

尾沢池は、静岡県掛川市に所在するである。佐束山の山麓に位置している。農業用水を確保するための溜池として利用されており、貯水量は1万8660立方メートルに達する[1]。取水された農業用水は周辺の田畑を潤しており、その受益面積は30.0ヘクタールに及ぶ[1]。利用している農家の戸数は、1984年当時で35戸とされている[1]。池の周辺には、ミオス菊川カントリークラブが立地するなど[2]観光地として整備されている。クラブハウスは池の程近くに建てられており[2][3]、クラブハウスや駐車場から池を望むことができる。

なお、尾沢池の所在地は静岡県掛川市小貫であるが、2005年4月1日合併以前は静岡県小笠郡大東町小貫であった。大東町においては、行政区である上佐束区の区長が、尾沢池の管理者として指定されていた[4]

来歴 編集

 
ミナミ菊川カントリークラブと尾沢池の航空写真1988年)。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

尾沢池の所在地は、小貫川や佐束川など菊川水系に程近い地域である。菊川水系の周辺一帯は、低い平地に多くの支流が流れ込んでいることから、洪水が頻繁に発生してきた[5]。また、この一帯は豊かな水源に恵まれておらず、旧来から農業用水の確保が課題となっていた[5]。こうしたことから、この一帯の住民らは山地に溜池を造成するなど[5]の確保に苦心していた。特に、静岡県小笠郡大東町(のちの掛川市)において、農業に要する水は、尾沢池のような溜池や河川からの取水に頼っていた[6]。その後、大井川右岸用水の完成にともない、大東町の農地はこの用水の恩恵を受けるようになり[6]、水の利便性は飛躍的に向上した。

しかし、尾沢池のような溜池は、その後も継続して使用されており、その重要性は失われていない[7]。また、これらの溜池は山地に設けられていることから、大雨や洪水などの際には調整池としての役割も果たしており、治山治水の観点からも重要な存在となっている[7]

池の周囲は人家も疎らであり、山林や田畑に囲まれた地であった。しかし、昭和40年代に入ると、ミナミ無線電機が池周辺のレジャー開発に乗り出すなど、レジャースポットとしても注目を集めるようになった。ミナミ無線電機は、池に隣接した地にゴルフ場を新設することを決定し、その造成工事に着手した。その結果、1974年10月10日に、ミナミ菊川カントリークラブがオープンした。1984年には、この地で第52回日本プロゴルフ選手権大会が開催されている。その後、経営権がミナミ無線電機からミオスグループに移ったことから、ミナミ菊川カントリークラブは「ミオス菊川カントリークラブ」に改称した。

脚注 編集

  1. ^ a b c 大東町編集『大東町誌』大東町、1984年、564頁。
  2. ^ a b 「コースガイド」『ミオス菊川カントリークラブ|静岡県掛川市のゴルフ場 -コースガイド-ミオス菊川カントリークラブ
  3. ^ 「施設案内」『ミオス菊川カントリークラブ|静岡県掛川市のゴルフ場 -施設案内-ミオス菊川カントリークラブ
  4. ^ 大東町編集『大東町誌』大東町、1984年、565頁。
  5. ^ a b c 静岡県菊川水系河川整備計画(指定区間)2008年3月、18頁。
  6. ^ a b 大東町編集『大東町誌』大東町、1984年、559頁。
  7. ^ a b 大東町編集『大東町誌』大東町、1984年、563頁。

関連項目 編集