岡谷市

日本の長野県の市

岡谷市(おかやし)は、長野県南信地方にあるで、諏訪湖に隣接する工業都市である計量特定市諏訪地域の3市2町1村からなる諏訪広域連合の構成自治体である。1936年(昭和11年)市制施行。

おかやし ウィキデータを編集
岡谷市
岡谷市旗 岡谷市章
岡谷市旗 岡谷市章
1936年10月9日制定
日本の旗 日本
地方 中部地方甲信越地方
都道府県 長野県
市町村コード 20204-5
法人番号 2000020202045 ウィキデータを編集
面積 85.10km2
(境界未定部分あり)
総人口 45,832[編集]
推計人口、2024年2月1日)
人口密度 539人/km2
隣接自治体 松本市塩尻市諏訪市諏訪郡下諏訪町上伊那郡辰野町
市の木 イチイ
市の花 ツツジ
岡谷市役所
市長 早出一真
所在地 394-8510
長野県岡谷市幸町8番1号
北緯36度04分02秒 東経138度02分58秒 / 北緯36.06711度 東経138.04931度 / 36.06711; 138.04931座標: 北緯36度04分02秒 東経138度02分58秒 / 北緯36.06711度 東経138.04931度 / 36.06711; 138.04931
岡谷市役所
地図
市庁舎位置
外部リンク 公式ウェブサイト

岡谷市位置図

― 市 / ― 町 / ― 村

ウィキプロジェクト

概要 編集

面積は長野県内の市のなかで最小であり[1]、人口密度は県内の全市町村のなかで最も高い[2]

本項では、市制施行前の名称である諏訪郡平野村(ひらのむら)についても述べる。

地理 編集

位置 編集

長野県中央部の諏訪盆地に位置し、諏訪湖の西岸に接する。

地形 編集

山岳 編集

主な山
主な峠

河川 編集

主な川
  • 横河川
  • 塚間川
  • 天竜川 - 天竜川は、諏訪湖から流出する唯一の河川である。諏訪湖の西端にある釜口水門を源流とし、市内を南西に流れる。

湖沼 編集

主な湖
 
諏訪湖サービスエリアより望む
諏訪湖の向こうに岡谷市中心市街地が見える
 
岡谷市中心部周辺の空中写真。
1975年撮影の6枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。
 
鳥居平やまびこ公園の展望塔より望む

地域 編集

行政区画 編集

岡谷市には、21の区が存在する(政令指定都市に設置される行政区特別区とは異なる)。 現在の住居表示の町丁名とその区画範囲は、区名・区域ともに殆ど関係していないため、地図上から判断することは難しい。

岡谷地区(旧平野村域)
区名 概ねの範囲
今井 神明町・「今井」交差点 周辺
小井川 加茂町・赤羽・若宮 周辺
間下 山手町・山下町 周辺
小口 銀座 周辺
西堀 堀之内・南宮 周辺
新屋敷 本町3,4丁目 周辺
上浜 塚間町・中央町2,3丁目 周辺
岡谷 本町1,2丁目・中央町1丁目 周辺
小尾口 天竜町3丁目・丸山橋 周辺
下浜 湖畔1,2丁目 周辺

※今井区の国道20号より北部は住居表示が施行されていない。

長地地区
横川 長地出早・長地小萩 周辺
中村 長地梨久保 周辺
中屋 長地鎮・長地源 周辺
東堀 長地柴宮・長地御所・長地権現町 周辺
川岸地区
三沢 川岸上川岸中1丁目 周辺
新倉 川岸中2,3丁目・川岸西 周辺
橋原 川岸東1,2丁目 周辺
鮎沢 川岸東3丁目 周辺
駒沢 川岸東4,5丁目 周辺
湊地区
花岡 湊1,2,3丁目 周辺
小坂 湊4,5丁目 周辺

人口 編集

  • DID人口比は81.9%(2015年国勢調査)。
 
岡谷市と全国の年齢別人口分布(2005年) 岡谷市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 岡谷市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

岡谷市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より

1920年第1回国勢調査人口では前身の平野村が松本市に次ぐ県内2位であった。これは当市よりも先に市制施行した長野市上田市を上回るものであった。

隣接自治体 編集

長野県

歴史 編集

 
旧岡谷市役所庁舎(重要文化財

近代 編集

明治時代
昭和時代(戦前)
  • 1936年昭和11年)4月1日 - 諏訪郡平野村が改称・市制施行して岡谷市が発足。村が町制を経ず市制施行したのは長野県では唯一であり、全国でも11例のみである。

現代 編集

昭和時代(戦後)

行政 編集

市長 編集

歴代市長
  • 初代 - 今井梧楼 1936年5月5日 - 1944年12月29日、2期
  • 2代 - 林七六 1945年2月15日 - 1946年11月16日、1期
  • 3代 - 林将英 1947年4月5日 - 1949年3月5日、1期
  • 4代 - 宮坂健次郎 1949年4月15日 - 1963年9月1日、4期
  • 5代 - 林浩正 1963年9月29日 - 1975年9月28日、3期
  • 6代 - 林泰章 1975年9月29日- 1995年9月28日、5期
  • 7代 - 林新一郎 1995年9月29日 - 2007年9月28日、3期
  • 8代 - 今井竜五 2007年9月29日 - 2023年9月28日、4期

議会 編集

市議会 編集

  • 定数:18人[3]
  • 任期:2019年5月1日 - 2023年4月30日[3]
  • 議長:渡辺太郎[4]
  • 副議長:藤森博文[4]

県議会 編集

  • 選挙区:岡谷市・下諏訪町選挙区[5]
  • 定数:2人[5]
  • 任期:2019年4月30日 - 2023年4月29日[5]
  • 投票日:2019年4月7日[6]
  • 当日有権者数:58,261人(岡谷市41,291人、下諏訪町16,970人)[6]
  • 投票率:53.44%(岡谷市53.26%、下諏訪町53.87%)[6]
候補者名 当落 年齢 党派名 新旧別[7] 得票数[8]
毛利栄子[5] 67 日本共産党 10,897票
共田武史[5] 46 自由民主党 10,407票
浜章吉[7] 71 自由民主党 9,435票

衆議院 編集

当落 候補者名 年齢 所属党派 新旧別 得票数 重複
後藤茂之 65 自由民主党 86,962票
長瀬由希子 53 日本共産党 51,922票

出先機関・施設 編集

国家機関 編集

法務省 編集

検察庁

厚生労働省 編集

財務省 編集

国税庁

国土交通省 編集

  • 長野国道事務所岡谷維持修繕出張所

裁判所 編集

施設 編集

 
岡谷消防署
 
岡谷市民病院

警察 編集

本部
交番
  • 岡谷駅前交番(岡谷市)
  • 中央交番(岡谷市)
  • 東部交番(岡谷市)

消防 編集

本部
消防署

医療 編集

主な病院

郵便局 編集

集配郵便局 岡谷郵便局
無集配郵便局 岡谷今井郵便局、岡谷郷田郵便局、岡谷中央町郵便局、岡谷天竜町郵便局、岡谷東銀座郵便局、長地郵便局、川岸郵便局、三沢郵便局、湊郵便局、レイクウォーク岡谷郵便局
簡易郵便局 岡谷上ノ原簡易郵便局、岡谷小萩簡易郵便局、岡谷山下町簡易郵便局、岡谷若宮簡易郵便局

文化施設 編集

図書館
博物館
美術館
体育館
劇場
 
カノラホール入り口

対外関係 編集

姉妹都市・提携都市 編集

国内 編集

姉妹都市
都市名 地方 都道府県名 提携年月日
富岡市 関東地方  群馬県 1972年昭和47年)10月15日
玉野市 中国地方  岡山県 1980年昭和55年)10月1日
東伊豆町 中部地方  静岡県 賀茂郡 1985年昭和60年)3月2日

海外 編集

姉妹都市
都市名 国名 地域名 提携年月日
マウントプレザント   アメリカ合衆国 ミシガン州 1965年6月

経済 編集

「信州製糸の三大明星」とされる初代片倉兼太郞(左)、尾澤金左衞門(中央)、林國藏(右)
 
岡谷市のまちなみ
写真奥の橋脚は長野自動車道。

第一次産業 編集

漁業 編集

養鰻業

特産品のウナギ諏訪湖で養鰻している。

第二次産業 編集

工業 編集

1870年代から1920年代にかけて製糸業の中心地として栄え、現在は諏訪地域が「東洋のスイス[10]」と言われるように、時計カメラ(世界的カメラメーカーだったヤシカ-現:京セラ長野岡谷工場等)、電気部品岡谷電機産業等)などの精密機械工業が盛んなことで知られる。また、1950年代は味噌の生産量日本一を誇っていた。今でも信州味噌喜多屋醸造店等、多くの味噌工場がある。

他に搬送省力機械のマルヤス機械等多くの製造業も盛んである。

第三次産業 編集

商業 編集

1980年代に行われた都市開発により、岡谷市街には駅前から近い順に、ララオカヤ・イルフプラザアピタ岡谷店という3つの商業施設が立地した。その後、ララオカヤは2階が閉鎖され(メインテナントイトーヨーカドー2001年7月に撤退。その後はイベントスペースとして使用中)、イルフプラザもかつて出店していた東急百貨店が2002年に撤退した一方、アピタ岡谷店はユニーにより「レイクウォーク岡谷」として2016年7月23日改築・開店した[11]

長野自動車道岡谷インターチェンジの開業により、岡谷市は諏訪地方の人流、物流の中心となっている。

その他岡谷市に本社を置く企業

情報・生活 編集

マスメディア 編集

NHK岡谷諏訪ラジオ中継放送所SBC岡谷諏訪ラジオ中継局など、諏訪地方のラジオ中継局が集中している。

中継局 編集

新聞 編集

ライフライン 編集

電力 編集

電信 編集

市外局番

教育 編集

地元高校ではスケートボート競技などで多くのオリンピック選手を輩出する長野県岡谷南高等学校バレーボールラグビーの古豪長野県岡谷工業高等学校が有名である。エースドッジボール発祥の地でもある。

大学 編集

国立

専門学校 編集

市立
  • 岡谷市看護専門学校

高等学校 編集

県立
私立

中学校 編集

市立

小学校 編集

市立

交通 編集

鉄道 編集

 
岡谷駅
 
岡谷駅周辺の商業施設

中心となる駅:岡谷駅

鉄道路線 編集

東日本旅客鉄道(JR東日本)

バス 編集

路線バス 編集

道路 編集

 
岡谷ジャンクション

高速道路 編集

国道 編集

県道 編集

主要地方道
一般県道

ナンバープレート 編集

諏訪ナンバー

ご当地ナンバーである諏訪ナンバー長野運輸支局松本自動車検査登録事務所)が割り当てられている。 2006年10月9日までは松本ナンバーが割り当てられていた。

観光 編集

 
洩矢神社
 
照光寺
 
梨久保遺跡

名所・旧跡 編集

主な神社
主な寺院
主な遺跡
主な史跡
  • 旧林家住宅(国の重要文化財)[注釈 1]

観光スポット 編集

博物館・美術館
岡谷の製糸業の歴史の紹介や、様々な製糸機械類の展示などを行なっている。併設された宮坂製糸所では、実際に繰糸機が稼働している様子を見学できる[17]
武井武雄童画作品がおもに展示されている。
名勝・景勝・公園
  • 塩嶺御野立公園
野鳥が多く生息する「小鳥の森」として知られ、「塩嶺の小鳥のさえずり」として日本の音風景100選に選定されている[18]
岡谷市の市花であるツツジが、園内全体に3万株ほど植えられている[19]
サマーボブスレー・サイクリング・マレットゴルフ・フィールドアスレチック・バーベキューなど、多様な野外レクリエーションを楽しめる[20]
娯楽

・岡谷スカラ座:シネマコンプレックス。諏訪湖に面する自治体の中で、唯一の常設映画館である。

文化・名物 編集

祭事・催事 編集

名産・特産 編集

の産地であり、岡谷商工会議所が冬の土用の丑の日を寒の土用の丑の日として商標登録(出願番号:商願平11-39161号、登録番号:登録商標第4525842号)したほか、1998年には「うなぎのまち岡谷の会」が日本記念日協会に記念日として登録した。「寒の土用期間中」には川魚店の店先にのぼりを出し、様々なイベントを開催するほか、市外の川魚店にも参加を呼びかけている。

また、高天酒造の日本酒「高天」は全国清酒品評会で長野県初の名誉賞を受賞[22]

スポーツ 編集

ウィンタースポーツ 編集

  • やまびこスケートの森
400mリンクを有する「国際スケートセンター」[23]、30m×60mリンクを有する「アイスアリーナ」などを備える(いずれも国際公認)[24]

出身関連著名人 編集

出身著名人 編集

五十音順

ゆかりの著名人 編集

岡谷市を舞台とした作品 編集

文学 編集

ロケ地 編集

映画

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ ここの壁紙には金唐革紙が使用されている。(現在の金唐革紙復元製作は日本画家の後藤仁によって行われている)

出典 編集

  1. ^ 令和2年全国都道府県市区町村別面積調(1月1日時点)市区町村別面積 長野県”. 国土地理院. 2020年8月1日閲覧。
  2. ^ 毎月人口異動調査/長野県”. www.pref.nagano.lg.jp. 2020年8月1日閲覧。
  3. ^ a b 市議会とは|岡谷市”. www.city.okaya.lg.jp. 2020年8月1日閲覧。
  4. ^ a b 岡谷市議会議員名簿|岡谷市”. www.city.okaya.lg.jp. 2020年8月1日閲覧。
  5. ^ a b c d e 選挙区別議員名簿/長野県議会”. www.pref.nagano.lg.jp. 2020年8月1日閲覧。
  6. ^ a b c 平成31年4月7日執行 長野県議会議員一般選挙 市町村別投票結果確定速報”. 長野県. 2020年8月1日閲覧。
  7. ^ a b 日本放送協会. “長野県議選 岡谷市・下諏訪町 | 統一地方選挙 2019 | NHK選挙WEB”. www.nhk.or.jp. 2020年8月1日閲覧。
  8. ^ 平成31年4月7日執行 長野県議会議員一般選挙の結果 候補者別市町村別得票数”. 長野県. 2020年8月1日閲覧。[リンク切れ]
  9. ^ 岡谷市のコンサート ホール - 岡谷市文化祭、岡谷市演劇祭の会場 - カノラホール イベントカレンダー
  10. ^ 諏訪地域の情報/長野県”. www.pref.nagano.lg.jp. 2020年8月1日閲覧。
  11. ^ 2016年7月24日 信濃毎日新聞 経済面
  12. ^ a b 『開国五十年史』開国五十年史発行所、1908年, p351
  13. ^ 『開国五十年史』開国五十年史発行所、1908年, p350
  14. ^ 『開国五十年史』開国五十年史発行所、1908年, p348
  15. ^ 諏訪湖SA(サービスエリア)下り | サービスエリア・お買物 | 高速道路・高速情報はNEXCO 中日本”. sapa.c-nexco.co.jp. 2020年7月31日閲覧。
  16. ^ 平福寺の由来”. 平福寺. 2022年11月29日閲覧。
  17. ^ 施設のご案内 | 岡谷蚕糸博物館”. 2020年7月31日閲覧。
  18. ^ 塩嶺御野立公園 | 信州岡谷観光サイト 旅たびおかや”. www.kanko-okaya.jp. 2020年7月31日閲覧。
  19. ^ 鶴峯公園 | 信州岡谷観光サイト 旅たびおかや”. www.kanko-okaya.jp. 2020年7月31日閲覧。
  20. ^ 鳥居平やまびこ公園 - 長野県岡谷市 - おかやの公園”. yamabiko.okaya-park.com. 2020年7月31日閲覧。
  21. ^ 2022年までは諏訪湖イベントホール (旧東バル跡地)でおこなわれていたが、2023年からは、岡谷市民総合体育館とテクノプラザおかやに会場を移すことになった。 諏訪圏工業メッセ2023
  22. ^ コトバンク『高天』|[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「高天」の解説
  23. ^ 国際スケートセンター|スピードスケート|スケート|スケート靴|レンタル|長野県岡谷市|株式会社やまびこスケートの森/国際スケートセンター”. www.yamabiko.co.jp. 2020年7月31日閲覧。
  24. ^ フィギュア|フィギュアスケート|アイスホッケー|フィギュア教室|スケート教室|カーリング|長野県岡谷市|株式会社やまびこスケートの森/アイスアリーナ”. www.yamabiko.co.jp. 2020年7月31日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集