岡野 真紀子(おかの まきこ、1982年[1] - )は、日本テレビプロデューサー

おかの まきこ

岡野 真紀子
生誕 1982年(41 - 42歳)
日本の旗 日本 神奈川県
出身校 学習院大学文学部英米文学科
職業 テレビプロデューサー
活動期間 2004年 -
団体 テレパック(2004年 - 2009年
WOWOW(2009年 - 2021年)
Netflix(2021年 - )
受賞 放送ウーマン賞2017
令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣新人賞
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神奈川県出身。学習院大学文学部英米文学科卒業。テレパックWOWOW制作局ドラマ制作部[1][2]を経て、Netflixコンテンツ・アクイジション部門マネージャー。

略歴 編集

小学6年生の時に見た『家なき子』をきっかけにテレビドラマが好きになり、演劇部に所属する。就職活動では当初テレビ局へ就職の強い希望はなく、「ここに入って、しばらくしたら結婚して、家庭に入るんだろうな」と大学3年時に大手証券会社から内定を貰うものの、「本当にそれが私のやりたいことだったかな」と問い直し、どうせ就職しても5、6年で結婚して辞めるのなら自分が本当に好きなことをしよう、と内定を辞退。テレビ局の採用は時期的にすでに終了していたことから、好きだったドラマ『週末婚』のエンドクレジットで目にした制作会社テレパックの名を思い出して応募し、2004年に入社する[3][4]

入社当初は撮影現場で助監督を経験するものの適性に疑問を感じ、周囲の勧めもあってアシスタント・プロデューサーへ転身、TBS系「愛の劇場」「ナショナル劇場」などの作品を担当する。テレパックの社風にも後押しされて24歳ころには自ら企画書を作成してはテレビ局へ持ち込むようになり、2008年に愛の劇場『スイート10~最後の恋人~』の企画が採用されて、25歳でプロデューサーとしてデビューする。スポンサーへの配慮により常に表現が制約される地上波ドラマならではの制作環境にフラストレーションを抱え、視聴者に向いた作品作りができていないことに疑問を感じていた時に目にしたWOWOW制作の連続ドラマWパンドラ』に、「地上波ではできないことを堂々とやっている」と衝撃を受ける。どうしてもこういうドラマをWOWOWで作りたいと何度も企画を持ち込むもののまだ経験、実績が乏しいこともあってなかなか企画が採用されることはなく、それなら「WOWOWに入ってしまったほうが早い」と中途採用に応募する[3][5][6][7]

2009年5月にWOWOWへプロデューサーとして入社[7]。当時まだ係争中の光市母子殺害事件を題材とした2010年の『なぜ君は絶望と闘えたのか』を皮切りに、日本航空123便墜落事故を題材とした2012年の『尾根のかなたに〜父と息子の日航機墜落事故〜』、山一證券の経営破綻を題材とした2015年の『しんがり〜山一證券 最後の聖戦〜』など有料放送の強みを生かして地上波ではなかなか制作できない見応えある社会性の強いエンターテインメント作品を次々に制作し、外務省機密費流用事件を題材とした2017年の『石つぶて〜外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち〜』により2018年には放送ウーマン賞2017を受賞[1][6]。乳児虐待死事件の裁判員裁判を題材とした2019年の『坂の途中の家』、東日本大震災ボランティアを題材とした同年の『そして、生きる』ならびに過去の制作作品が評価され、2020年には令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣新人賞を放送部門にて受賞している[2]

2012年の『學]』で一緒に仕事をした脚本家・倉本聰から言われた言葉「ドラマは糖衣錠でなくてはならない」を指針に、「芯となる苦いテーマを伝えるためには、エンターテインメントという砂糖に包まなければ誰も飲み込まない」として、「面白い」「感動できる」「でも実はちゃんとテーマがある」という重厚かつエンターテインメント性の強い社会派ドラマの制作に臨んでいる[3][7]

受賞歴 編集

作品 編集

テレビドラマ 編集

テレパック
WOWOW
Netflix

映画 編集

脚注 編集

  1. ^ a b c d 放送ウーマン賞2017”. 日本女性放送者懇談会. 2020年5月26日閲覧。
  2. ^ a b c ドラマ制作部 岡野真紀子が令和元年度(第70回)芸術選奨放送部門文部科学大臣新人賞を受賞”. ニュース. WOWOW (2020年3月4日). 2020年5月26日閲覧。
  3. ^ a b c d 岡野真紀子(インタビュー)「WOWOW『連続ドラマW しんがり〜山一證券 最後の聖戦〜』プロデューサー 岡野真紀子さん」『CREATIVE VILLAGE』、クリーク・アンド・リバー、2015年9月15日https://www.creativevillage.ne.jp/category/topcreators/visual-creators/tv-producer/7547/2020年5月26日閲覧 
  4. ^ 岡野真紀子; 永井麗子(インタビュー)「快進撃WOWOW「熱い男の社会派ドラマ」女性プロデューサーの素顔」『現代ビジネス』、講談社、2017年12月17日https://gendai.media/articles/-/538492020年5月26日閲覧 
  5. ^ 岡野真紀子; 永井麗子(インタビュー)「快進撃WOWOW「熱い男の社会派ドラマ」女性プロデューサーの素顔」『現代ビジネス』、講談社、2頁、2017年12月17日https://gendai.media/articles/-/53849?page=22020年5月26日閲覧 
  6. ^ a b c 岡野真紀子(インタビュー)「「連続ドラマW 石つぶて」で放送ウーマン賞受賞。「負けた戦いに美学があることを描きたかった」」『FEATURES!』、WOWOW、2018年2月15日https://corporate.wowow.co.jp/features/interview/3418.html2020年5月26日閲覧 
  7. ^ a b c 岡野真紀子、2018、「WOWOW『ドラマW』の歩み 社会派ドラマで《放送ウーマン賞2017》を受賞して・・・ (PDF) 」 、『民放クラブ』130号、日本民放クラブ、2018年7月 pp. 15-20
  8. ^ アーカイブ:大山勝美賞、放送人の会、2021年5月3日閲覧。
  9. ^ 令和元年度(第70回)芸術選奨文部科学大臣賞及び同新人賞の決定について”. 文化庁 (2020年3月4日). 2020年6月6日閲覧。
  10. ^ 岡野真紀子(インタビュアー:平田真人)「「コールドケース」シリーズを手がける岡野真紀子プロデューサー。 日本版でこだわったオリジナルの要素とは!」『WHAT's IN tokyo』、ソニー・ミュージックエンタテインメント、2018年10月21日https://web.archive.org/web/20200805051046/https://tokyo.whatsin.jp/3035742020年5月26日閲覧 
  11. ^ 2021年1月定例会見要旨 | ニュース | 株式会社WOWOW”. WOWOW. 2021年1月16日閲覧。
  12. ^ 岡野真紀子(インタビュー)「山下智久主演で韓国映画『建築学概論』をリメイク Netflix映画『恋に落ちた家』制作決定」『Real Sound』、株式会社blueprint、2021年11月4日https://realsound.jp/movie/2021/11/post-895402.html2021年11月9日閲覧 
  13. ^ "『恋に落ちた家』の制作において、全ての制作関係者がクリエイティブの方向性で満足できる作品の開発を目指してまいりました。しかし、オリジナル版映画『Architecture 101』に敬意を表することを優先し、この度各社同意の上同作の制作を中止いたしました。本作の企画に関わった全てのスタッフに感謝いたします。". 『恋に落ちた家』の制作に関して. Netflix. 13 June 2022. 2022年6月19日閲覧
  14. ^ "有村架純が"元・風俗嬢"役に、名言が話題の漫画『ちひろさん』が待望の映画化". ドワンゴジェイピーニュース. 株式会社ドワンゴ. 10 August 2022. 2022年8月10日閲覧
  15. ^ “有村架純と坂口健太郎がW主演、Netflixシリーズ「さよならのつづき」製作決定”. 映画ナタリー (ナターシャ). (2023年9月13日). https://natalie.mu/eiga/news/540789 2023年12月3日閲覧。