島尻安伊子
島尻 安伊子(しまじり あいこ、1965年(昭和40年)3月4日 - )は、日本の政治家。
島尻 安伊子 しまじり あいこ | |
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生年月日 | 1965年3月4日(56歳) |
出生地 |
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出身校 | 上智大学文学部新聞学科 |
前職 |
シアーソン・リーマン証券日本法人(現リーマン・ブラザーズ)従業員 参議院議員 |
所属政党 |
(民主党→) (無所属→) 自由民主党(竹下派) |
称号 | 文学士 |
配偶者 | 有 |
子女 | 3男1女 |
公式サイト | 参議院議員島尻安伊子(しまじりあいこ)オフィシャルサイト |
選挙区 | 沖縄県選挙区 |
当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2007年4月27日[1] - 2016年7月25日 |
内閣 | 第3次安倍第1次改造内閣 |
在任期間 | 2015年10月7日 - 2016年8月3日 |
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当選回数 | 2回 |
在任期間 | 2004年 - 2007年 |
第3次安倍第1次改造内閣で内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策)を務めたほか、内閣府大臣政務官・復興大臣政務官(第2次安倍内閣)、内閣府大臣補佐官(沖縄振興・子どもの貧困緊急対策担当)、参議院環境委員長、自由民主党女性局長、参議院議員(2期)、那覇市議会議員(2期)等を歴任した。
来歴編集
宮城県仙台市生まれ[2]。聖ウルスラ学院高等学校、上智大学文学部新聞学科卒業[2]。高校在学中、アメリカ合衆国カリフォルニア州ハンティングトンビーチハイスクールに留学した[2]。大学卒業後、1988年にシェアソンリーマン証券日本法人(現リーマン・ブラザーズ)に入社。その後、沖縄ビジネス外語専門学校講師やJSL日本アカデミー副理事長を務めた[3]。
2004年、那覇市議会議員補欠選挙に民主党公認で出馬し[4]、初当選した[5]。2005年、那覇市議に再選を果たすが、再選後に民主党を離党[4]。2007年、沖縄県選挙区選出の糸数慶子参議院議員が沖縄県知事選挙に立候補するため辞職し、それに伴い、4月22日の第16回統一地方選挙後半戦にて実施された補欠選挙に政治団体「アイ・ラブ沖縄!かがやく県民の会」公認(自由民主党・公明党推薦)で出馬[6]。参院補選で当選後、自由民主党に入党し[4]、平成研究会に入会した[6]。
2010年の第22回参議院議員通常選挙では、選挙対策本部長に沖縄県知事の仲井眞弘多を迎え、自民党公認で沖縄県選挙区から出馬。前年の第45回衆議院議員総選挙では自民党が大敗し、衆議院の4つの小選挙区では全て民主党および民主党と選挙協力を行った社民党・国民新党が議席を獲得していたため、島尻は沖縄県選出の唯一の自民党国会議員だった。普天間飛行場の名護市辺野古への移設について、総選挙後は容認の立場だったが[7]、2010年の参院選に際しては、民主党が既に事実上断念していた県外移設を主張した[8]。沖縄県選挙区で社会民主党推薦の山城博治らを破り、再選。
2012年、第2次安倍内閣で内閣府大臣政務官及び復興大臣政務官に任命された。2013年2月、島根県主催の「竹島の日」記念式典に出席した。政府関係者がこの式典に出席したのは初めてである[9]。2014年9月、参議院環境委員長に就任[3]。
2015年10月7日、第3次安倍第1次改造内閣で内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策・科学技術政策・宇宙政策)に任命され、初入閣した[10]。沖縄県選出の閣僚は、島尻で史上4人目だった[3]。
2016年の第24回参議院議員通常選挙に3選を目指して沖縄県選挙区から自民党公認で出馬したが、元宜野湾市長の伊波洋一に敗れ、落選した[11]。島尻の落選により、沖縄県の選挙区から選出された自民党国会議員はいなくなった[11]。参院議員に落選したものの、選挙後、当面大臣は続投する方針が政府から示され、翌月の内閣改造まで閣僚の職に留まった[12]。
2016年8月、後任の鶴保庸介沖縄及び北方対策担当大臣により、沖縄振興及び子どもの貧困対策を担当する大臣補佐官に任命される[13]。2017年8月、鶴保の後任の江崎鐡磨大臣の下でも大臣補佐官に再任された[14]。
2018年2月27日、自身を任命した江崎鐡磨の大臣辞任に伴い、自らも大臣補佐官を辞任したが[15]、江崎の後任の福井照大臣が同日の記者会見で島尻を続投させる意向を表明し[16]、3月2日付で再度、大臣補佐官に任命された[17]。10月2日に成立した第4次安倍改造内閣の宮腰光寛大臣の下でも続投[18]。2019年1月25日、自民党は4月21日の第19回統一地方選挙後半戦にて実施の衆議院沖縄県第3区補欠選挙での島尻の公認を発表。同日、島尻は大臣補佐官を退任[19]。3月2日、衆議院沖縄3区補欠選挙への出馬を正式表明するも[20]、屋良朝博に敗れ、国政復帰は叶わなかった[21]。
政策・主張編集
憲法改正編集
日本国憲法の改正に賛成だが、日本国憲法第9条改正の賛否は明らかにしていない[22]。
安全保障編集
日本の核武装について「将来にわたって検討すべきでない」としている[22]。
エネルギー政策編集
普天間基地移設編集
沖縄県宜野湾市の普天間飛行場の移設について、1期目は容認の立場を取っていたが[7]、2009年に発足した鳩山由紀夫内閣は県外移設もしくは国外移設を表明し、その後事実上断念する。島尻は2009年から辺野古への移設反対・県外移設を主張するようになり[8]、2010年6月22日に開かれた第22回参議院議員通常選挙の公開討論会において、「普天間飛行場の移設先についての島尻と自民党の主張(県内移設容認)に矛盾がある」と指摘されたが、「鳩山政権下での日米合意には「地元沖縄との合意」はない。そんな合意は有効であるはずがない。無効を訴える」と反論した[23]。2012年の内閣府大臣政務官就任後、辺野古への移設を容認する立場に転じ、県外移設を主張していた自由民主党沖縄県連の方向性を「辺野古容認」にシフトさせる動きを先導した[4]。また、自民党沖縄県連会長在任中の2015年には、名護市辺野古への新基地建設に反対する市民運動について、「責任のない市民運動だと思っている。私たちは政治として対峙する」と発言した[24]。
家族制度編集
2010年、第173回国会で選択的夫婦別姓を認める民法の改正に反対する請願を提出したが[25]、朝日新聞が2016年に実施した調査では、選択的夫婦別姓制度の導入に対する賛否を明らかにしなかった[26]。
その他編集
参議院議員在職中はみんなで靖国神社に参拝する国会議員の会に所属しており、現職の大臣政務官だった2013年4月・8月に靖国神社を参拝した[6]。
不祥事編集
騒動編集
2016年2月9日の閣議後の記者会見において、千島歯舞諸島居住者連盟主催の北方領土ネット検定を紹介するペーパーを読む際に「千島、はぼ、ええっと、なんだっけ」と言葉に詰まり、傍にいた秘書官が「歯舞諸島(はぼまいしょとう)」とささやいたことから、朝日新聞は、島尻が北方領土問題の担当大臣でありながら「歯舞(はぼまい)群島」の「歯舞」を読めなかった」と報じた[31]。なお、島尻は2月10日の衆議院予算委員会で、「元北方領土住民の団体名を略称の「千島連盟」でなく正式名称の「千島歯舞諸島居住者連盟」で読もうとして言葉に詰まった」と釈明した[32]。
人物編集
所属団体・議員連盟編集
脚注編集
- ^ “島尻氏に当選証書「責任の重さ改めて痛感」”. 八重山毎日新聞. (2007年4月26日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b c d “プロフィール・実績”. 参議院議員島尻安伊子(しまじりあいこ)オフィシャルサイト. 2018年12月27日閲覧。
- ^ a b c “島尻安伊子氏、沖縄相に起用”. 琉球新報. (2015年10月7日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b c d e “島尻沖縄相、異色の経歴 民主から自民へ 辺野古容認を先導”. 沖縄タイムス. (2015年10月8日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b “島尻安伊子氏プロフィル 家族の支え原動力に”. 琉球新報. (2010年7月12日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b c “基地集中「差別でない」 島尻氏「反対運動対策」で説明”. 琉球新報. (2010年7月12日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b “子育て支援に意欲 参院補選当選・島尻氏”. 琉球新報. (2007年4月23日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b “「県内反対」党へ主張 普天間で島尻氏「県民合意なしに無理」”. 琉球新報. (2010年7月13日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ “【竹島の日】安倍政権「最大限の配慮」も韓国に通じず (1/2ページ)”. 産経新聞. (2013年2月22日) 2013年3月17日閲覧。
- ^ “島尻氏が沖縄北方担当相 辺野古推進を強調”. 琉球新報. (2015年10月8日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b “2016参院選:沖縄、選挙区自民ゼロ 島尻氏落選、基地問題が逆風”. 毎日新聞. (2016年7月11日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ “【参院選】岩城光英法相、島尻安伊子沖縄北方担当相は当面続投”. 産経新聞. (2016年7月11日) 2013年3月17日閲覧。
- ^ “政府、島尻氏を大臣補佐官に任命 沖縄子どもの貧困対策を担当”. 沖縄タイムス. (2016年8月24日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ “落選の自民・島尻氏、引き続き補佐官に 次期へ布石か”. 朝日新聞. (2017年8月10日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ “沖北相補佐官の島尻氏が辞任”. 日本経済新聞. (2018年2月27日) 2018年3月3日閲覧。
- ^ “福井照沖北相、島尻安伊子元沖北相の大臣補佐官続投させる方針”. 産経新聞. (2018年2月28日) 2018年3月3日閲覧。
- ^ “沖縄・北方相補佐官に島尻氏再任 沖縄振興を担当”. 日本経済新聞. (2018年3月2日) 2018年3月3日閲覧。
- ^ “沖北相補佐官に島尻氏”. 日本経済新聞. (2018年10月5日) 2018年10月8日閲覧。
- ^ “島尻氏の沖縄相補佐官辞任認める…衆院補選擁立”. 読売新聞. (2019年1月25日) 2019年1月25日閲覧。
- ^ 島尻元沖北相が立候補表明 衆院沖縄3区補選産経ニュース
- ^ 沖縄タイムス2019年(平成31年)4月21日
- ^ a b c “2016参院選 自民 沖縄 島尻安伊子”. 毎日新聞 2017年8月20日閲覧。
- ^ “≪乱戦の構図:2≫普天間のしこり―沖縄”. 朝日新聞. (2010年6月29日) 2017年1月4日閲覧。
- ^ “「責任のない市民運動」辺野古行動に島尻議員”. 沖縄タイムス. (2015年4月5日) 2015年4月5日閲覧。
- ^ 選択的夫婦別姓を認める民法の一部改正の反対に関する請願、第173回国会、請願441号
- ^ 朝日新聞2016年参院選候補者アンケート(朝日・東大谷口研究室共同調査)
- ^ a b “島尻沖縄相「違法ではない」 2010年参院選前カレンダー配布 公選法抵触の可能性”. 沖縄タイムス. (2015年10月18日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ “島尻安伊子沖縄相を刑事告発 「カレンダー」問題で大学教授ら30人”. 沖縄タイムス. (2015年11月24日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ a b “自民支部、TBS記者の宿泊費払う 「精算を失念」”. 朝日新聞. (2014年12月25日). オリジナルの2014年12月25日時点におけるアーカイブ。 2017年7月22日閲覧。
- ^ “島尻氏の団体、政治資金報告書を訂正 沖縄相就任直後”. 琉球新報. (2015年10月31日) 2016年6月15日閲覧。
- ^ “島尻沖縄北方担当相、歯舞「はぼ、なんだっけ」”. 朝日新聞. (2016年2月9日) 2017年8月20日閲覧。
- ^ “【衆院予算委】島尻北方担当相、歯舞読めなかった問題「一瞬これで合ってるのかなと思った」と釈明”. 産経新聞. (2016年2月10日) 2016年7月12日閲覧。
関連項目編集
外部リンク編集
- 参議院議員島尻安伊子(しまじりあいこ)オフィシャルサイト
- 島尻安伊子 - Facebook
- 島尻あい子(しまじりあいこ) (@shimajiriaiko) - Twitter
- 島尻安伊子 - YouTubeチャンネル
公職 | ||
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先代: 山口俊一 |
内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策) 第23代:2015年 - 2016年 |
次代: 鶴保庸介 |
先代: 山口俊一 |
内閣府特命担当大臣(科学技術政策) 第24代:2015年 - 2016年 |
次代: 鶴保庸介 |
先代: 山口俊一 |
内閣府特命担当大臣(宇宙政策) 第6代:2015年 - 2016年 |
次代: 鶴保庸介 |
先代: 加賀谷健 郡和子 金子恵美 稲見哲男 岸本周平 大野元裕 本多平直 高山智司 |
内閣府大臣政務官 山際大志郎 亀岡偉民 北村茂男 平将明 秋野公造と共同 2012年 - 2013年 |
次代: 小泉進次郎 亀岡偉民 福岡資麿 伊藤忠彦 松本文明 磯崎仁彦 浮島とも子 |
先代: 加賀谷健 郡和子 金子恵美 橋本清仁 |
復興大臣政務官 徳田毅・亀岡偉民 長島忠美と共同 →亀岡偉民 長島忠美と共同 →坂井学 亀岡偉民 長島忠美と共同 2012年 - 2013年 |
次代: 坂井学 福岡資麿 小泉進次郎 山本朋広 岩井茂樹 |
議会 | ||
先代: 佐藤信秋 |
参議院環境委員長 2014年 -2015年 |
次代: 磯崎仁彦 |
党職 | ||
先代: 石井みどり |
自由民主党女性局長 2012年 |
次代: 上野通子 |