川上駅

かつて北海道足寄郡陸別町にあった北海道ちほく高原鉄道の駅

川上駅(かわかみえき)は、北海道足寄郡陸別町字利別川上62[3]にあった北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線である。国鉄JR北海道池北線時代の電報略号ハミ事務管理コードは▲110514[4]

川上駅
かわかみ
Kawakami
分線 (4.1 km)
(6.3 km) 小利別
所在地 北海道足寄郡陸別町字利別川上62
北緯43度32分47.84秒 東経143度43分15.78秒 / 北緯43.5466222度 東経143.7210500度 / 43.5466222; 143.7210500
所属事業者 北海道ちほく高原鉄道
所属路線 ふるさと銀河線
キロ程 87.2 km(池田起点)
電報略号 ハミ
駅構造 地上駅
ホーム 1面1線
開業年月日 1920年大正9年)6月1日[1]
廃止年月日 2006年平成18年)4月21日
備考 ふるさと銀河線廃線に伴い廃駅
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1977年、国鉄池北線時代の川上駅と周囲500m範囲。左上が北見方面。単式ホーム1面1線。かなり早い時期に側線が全て撤去されているため痕跡が見当たらないが、かつては駅裏側に貨物積卸線と、駅舎横の池田側に貨物ホームと引込み線を有していた。ここも木材搬出駅として、周囲を木材が取り囲んでいた時期があった[2]国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成

歴史 編集

木材資源を搬出することを目的として、1920年大正9年)に設置された。 1924年(大正13年)の記録では市街地もあり、市街地人口150人、周辺人口1,350人、総戸数300戸であった[5]

昭和初期までは駅裏土場の利別川側に富士製紙の流送木材陸揚網羽も設置されており[6]1923年(大正12年)には年間乗降数29,000人(1日あたり約80人)の利用があった[7]。また、第二次世界大戦後も陸別営林署の伐採事業による当駅の利用があったが[2]、トラック輸送への切り替えのほか、木材需要の低迷などが原因となり昭和30年代後半には周辺がほぼ無人地帯となったこともあって徐々に利用が少なくなり、国鉄時代末期は1日あたりの統計上の利用者数が0人の状態がつづいていた。

川上駅周辺は最低気温がマイナス30度を下回る日本でも有数の極寒地として知られているほか、駅舎の状態や付近が無人地帯であることから、大学のサークルにおける「耐寒合宿」でも使用された[8]

廃止時点で、一部の普通列車も当駅を通過していた。

年表 編集

駅名の由来 編集

地名より。もともと当地は「ポントゥㇱペップトゥ(pontuspet-putu)」(子なる利別川・の口)」と呼ばれていたが、利別川の川上にあることから「川上」と名付けられた[16]

駅構造 編集

単式ホーム1面1線を有する地上駅。大正9年に作られた木造駅舎がほぼ当時の姿で廃止後も残っていたが既に撤去されている。

駅周辺 編集

周囲に民家は全くない。廃線直前の状況では数十メートル先に鉄道官舎が一軒あっただけであった。 現在は携帯電話の中継所となっており、歩哨小屋風の東屋が建っている。

隣の駅 編集

北海道ちほく高原鉄道
ふるさと銀河線
分線駅 - 川上駅 - 小利別駅

脚注 編集

  1. ^ a b 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、893頁。ISBN 978-4-533-02980-6 
  2. ^ a b 1948年(昭和23年)撮影航空写真 USA-R351-79(国土地理院 地図・空中写真閲覧サービス)では駅裏が木材で埋まって活況を呈していた姿が見られる。
  3. ^ 『10年』 p. 104
  4. ^ 日本国有鉄道営業局総務課 編『停車場一覧 昭和41年3月現在』日本国有鉄道、1966年、237頁。doi:10.11501/1873236https://doi.org/10.11501/18732362022年12月10日閲覧 
  5. ^ 北海道案内 高橋理一郎編 地方振興事績調査会出版 1924年(大正13年)発行(国立国会図書館デジタルコレクション)
  6. ^ 陸別町郷土叢書第4巻「叢樹にいどむ」 (陸別町、1993年)
  7. ^ 陸別町史 通史編 P.508 (陸別町、1994年)
  8. ^ 『北の銀河鉄道』p.155 (佐藤正之 著、日本評論社、1996年) ISBN 4-535-58218-1
  9. ^ a b 『官報』 1920年05月19日 鉄道省告示第7号(国立国会図書館)
  10. ^ 『JR釧路支社』 p. 82
  11. ^ 『JR釧路支社』 p. 96
  12. ^ 『JR釧路支社』 p. 97
  13. ^ 日誌(昭和37年度9月分)」『鉄道統計月報――昭和37年度9月分』、日本国有鉄道経理局審査統計課、1962年12月、3頁、doi:10.11501/2267836 
  14. ^ 『JR釧路支社』 p. 122
  15. ^ 『10年』 p. 105
  16. ^ 『北海道 駅名の起源』(第1版)日本国有鉄道北海道総局、札幌市、1973年3月25日。ASIN B000J9RBUY 

参考文献 編集

  • 『JR釧路支社 鉄道百年の歩み』北海道旅客鉄道釧路支社、2001年。 
  • 『ふるさと銀河線10年のあゆみ』ふるさと銀河線10周年記念事業実行委員会、1999年。 

関連項目 編集