川又 常辰(かわまた つねたつ、生没年不詳)とは、江戸時代浮世絵師[1][2]

来歴 編集

名は「つねとき」と読むかともいわれる。『増訂浮世絵』は落款の「常」の字が川又常正の落款の「常」の字の書体と同様なので、常正の門人だとしている[2]。またその作に「一人立の美人を画いたもの」があったというが[2]、現在常辰の作として確認されているのは肉筆画2点のみである。いずれも宝暦の頃の作とされる[3][4]

作品 編集

  • 汐汲み図」 絹本着色(東京国立博物館所蔵)[5] ※「常辰画」の落款、「川又」・「常辰」の長方印あり。常正筆の「汐汲図」(東京国立博物館所蔵)[6]と同じ図様を描く。
  • 「柳下美人図」 紙本着色(麻布美術工芸館旧蔵)[7] ※「常辰」の方印あり(落款無し)。

参考文献・資料 編集

  • 井上和雄 編『浮世絵師伝』渡辺版画店、1931年。doi:10.11501/1186832  ※国立国会図書館デジタルコレクション、108コマ目左。
  • 藤懸静也「11 京坂隨一の西川祐信とその影響」『増訂浮世絵』雄山閣、1946年。doi:10.11501/1068936  ※国立国会図書館デジタルコレクション、74コマ目左。
  • 日本浮世絵協会、銀河社 (企画・編集) 編『原色浮世絵大百科事典』 2巻、大修館書店、1982年。全国書誌番号:83001815 
  • 小林忠 編『東京国立博物館 I』 1巻、講談社〈肉筆浮世絵大観〉、1994年。ISBN 4-06-253251-4全国書誌番号:95047333 
  • 小林忠 編『麻布美術工芸館』 6巻、講談社〈肉筆浮世絵大観〉、1995年。ISBN 4-06-253256-5全国書誌番号:95052248 
  • 川又常辰. “汐汲み図”. 東京国立博物館. 2014年11月19日閲覧。
  • 川又常正. “汐汲図”. 東京国立博物館. 2014年11月19日閲覧。

脚注 編集

外部リンク 編集