川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー
川崎重工業モーターサイクル&エンジンカンパニー(かわさきじゅうこうぎょう モーターサイクル アンド エンジンカンパニー、Kawasaki Heavy Industries Motorcycle & Engine Company)は川崎重工業の社内カンパニーである。
マザーファクトリー(事業本部)は兵庫県明石市[1]。二輪車(オートバイ)、全地形対応車(ATV)、サイド・バイ・サイド・ビークル(UTILITY VEHICLE)、汎用エンジン、水上オートバイなどを製造している。
社内カンパニー制度導入後から2010年3月31日までは、川崎重工業汎用機カンパニー(かわさきじゅうこうぎょうはんようきカンパニー)という名称だった[1]。
解説編集
川崎重工業の二輪車の生産は、川崎航空機(現在の航空宇宙システムカンパニー)が戦後の1958年(昭和33年)にメイハツとして二輪車用エンジンの製造を始めたことに由来する。1964年(昭和39年)に大型二輪車メーカーの目黒製作所(メグロ)を吸収し、大型車の製造に進出、以降当カンパニーが製造を担当している。オートバイメーカーとしてのコーポレートカラーはライムグリーンとしている。
モーターサイクル部門は2007年現在の川崎重工全体の売上高のうち最大の約3割を占め、大型二輪車の販売台数は第2位[2]となった。二輪車全体におけるカワサキの販売シェアは長らく日本の4大オートバイメーカーのうち4位だったが、軽二輪(250cc以下)については2013年2月の月間新車販売台数でシェアが2位となった[3][4]。2008年(平成20年)9月からの平成18・19年国内二輪車排出ガス規制全面施行で、規制への対応を行った車両を除き日本国内向け一般市販車両全車種の生産終了を公表し、大幅に日本向けのラインアップは減少させたが、2010年(平成22年)現在では規制に対応させ発売する車両数を徐々に増やしている。日本国内への正規販売は販売子会社であるカワサキモータースジャパンが行っている。
日本国外では1986年(昭和61年)にインドのバジャージ・オートと技術提携が結ばれ、ライセンス生産や共同開発製品などを行っている。2012年(平成24年)には中国・ロンシンモーターと事業提携が結ばれ、合弁会社によるカワサキブランドの二輪車の中国国内における製造・販売を開始することとなっていたが2013年1月16日に合意に至らず円満解消となった[5]。2019年(令和元年)には、欧州法人を通じて休眠状態であったビモータと合弁会社を設立することを発表している[6]。
レース活動ではカワサキレーシングチームとして参加しており、ロードレース世界選手権(MotoGP)には2003年(平成15年)からZX-RRで参戦し、2008年(平成20年)までメーカーチームとして参加、2009年(平成21年)まで他チームへの車両提供を行っていた。スーパーバイク世界選手権では2015年・2016年(平成27・28年)シーズンにZX-10Rでマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得している。なお2015年現在、海外のワークスチーム向けの車両提供やモトクロスに関してメーカーチームでの参戦を継続している。
製品編集
二輪製品(現行車種)編集
外観 | 車名 | 排気量 | タイプ | 備考 |
---|---|---|---|---|
125cc以下 | ||||
KLX125 | 124cc | オフロード | ||
Z125 | 124cc | ネイキッド | ||
125cc超250cc以下 | ||||
ヴェルシス250 | 248cc | ツアラー | ||
ニンジャ250 | 248cc | スポーツ | ||
Dトラッカー | 249cc | モタード | ||
KLX250 | 249cc | オフロード | ||
Z250 | 248cc | ネイキッド | ||
ニンジャZX-25R | 248cc | スポーツ | ||
250cc超400cc以下 | ||||
ニンジャ400 | 398cc | スポーツ | ||
Z400 | 398cc | ネイキッド | ||
400cc超1000cc以下 | ||||
Z650 | 649cc | ネイキッド | ||
ニンジャ650 | 649cc | スポーツ | ||
ニンジャZX-6R | 636cc | スポーツ | ||
ヴェルシス650 | 649cc | ツアラー | ||
バルカンS | 649cc | アメリカン | ||
W800 | 773cc | スポーツ | ||
Z900 | 948cc | ネイキッド | ||
Z900RS/Z900RS CAFE | 948cc | ネイキッド/カフェレーサー | ||
ニンジャZX-10R | 998cc | スポーツ | ||
ニンジャH2 | 998cc スーパーチャージャー |
スポーツ | ||
ニンジャH2 SX/SX SE | 998cc スーパーチャージャー |
ツアラー | ||
Z H2 | 998cc スーパーチャージャー |
スポーツ | ||
1000cc超 | ||||
Z1000 | 1043cc | ネイキッド | ||
ニンジャ1000 | 1043cc | スポーツツアラー | ||
ZZR1400 ニンジャZX-14R |
1441cc | スポーツツアラー |
過去に生産された二輪車種編集
コンセプトモデル(二輪車)編集
全地形対応車(日本国外)編集
- SPORT
- UTILITY
- MOJAVE
- KSF
- KVF
- BAYOU
サイド・バイ・サイド・ビークル(日本国外)編集
- MULE
- TERYX
汎用エンジン編集
ジェットスキー(水上オートバイ・パーソナルウォータークラフト)編集
- ジェットスキー[7]
-
- 800 SX-R
- X-2
- STX
- STS
- ULTRA
- SX
- X-4
- SuperSport
- TS
- ZXi
- SC
- JETMATE
- JS
脚注編集
- ^ a b モーターサイクル&エンジンカンパニーについて
- ^ 二輪車新聞 2006年度国内新車販売台数
- ^ 軽二輪車新車販売台数、11カ月連続プラス、カワサキがシェア2位に…2月 Response
- ^ 2013年2月軽二輪車新車販売確報 全国軽自動車協会連合会
- ^ 中国二輪車事業における隆鑫通用動力股份有限公司との提携協議終結
- ^ “川崎重工、伊高級二輪メーカーと合弁”. 日本経済新聞 (2019年11月6日). 2019年11月12日閲覧。
- ^ ジェットスキーは川崎重工業の登録商標である。一般的名称は、日本では水上オートバイ、日本国外ではパーソナルウォータークラフトと称されることが多い。