市警察部(しけいさつぶ)とは、警察法第52条に基づき設置される日本の警察機関。名称から政令市の部署と誤解されることがあるが、刑事警備交通といった部署同様、道府県警察本部配下の部門の一つ。ただ、その位置付けは警察本部によって大きく異なる。

役割

市警察部は大都市における独特な警察事象について管轄する機関で、当該指定都市との連絡、調整が主な役割である。

しかし、政令指定都市のほとんどが道府県警察本部の置かれる道府県庁所在地であることから、同本部内に他の課と兼務で設置されていることが多い。例えば、特別遊撃隊の設置以前の福岡県福岡市警察部生活安全部が兼務で事務分掌を行っており、実働部隊は持っていない(生活安全部が兼務している理由は、安全安心まちづくりで福岡市市民局生活安全課との連絡窓口のためと思われる)。

一方、福岡県福岡市警察部北九州市警察部など、実働部隊を持つものも存在している。また、実働部隊配置以外にも埼玉県さいたま市警察部のようにいくつかの警察署を統括する方面本部としての機能を持っている場合がある。

機動隊高速道路交通警察隊などと違い、独立した庁舎は持たないケースが多い。

警察法第52条

  1. 指定市の区域内における道府県警察本部の事務を分掌させるため、当該指定市の区域に市警察部を置く。
  2. 市警察部に、部長を置く。
  3. 市警察部長は、市警察部の事務を統括し、及び道府県警察本部長の命を受け、市警察部の所属の警察職員を指揮監督する。

全国の市警察部一覧

市警察部 警察本部 市内の警察署 実働部隊
札幌市警察部 北海道警察 中央西白石豊平厚別手稲
仙台市警察部 宮城県警察 仙台東仙台北仙台中央仙台南若林
さいたま市警察部 埼玉県警察 浦和浦和東浦和西大宮大宮東大宮西岩槻
千葉市警察部 千葉県警察 千葉中央千葉東千葉西千葉南千葉北
横浜市警察部 神奈川県警察 青葉伊勢佐木磯子加賀町神奈川金沢港南港北
瀬谷都筑鶴見戸塚戸部保土ケ谷山手横浜水上
川崎市警察部 麻生川崎川崎臨港高津多摩中原宮前
相模原市警察部 相模原相模原南相模原北津久井
新潟市警察部 新潟県警察 新潟新潟東新潟中央新潟西江南新潟北秋葉新潟南西蒲
静岡市警察部 静岡県警察 清水静岡中央静岡南
浜松市警察部 浜松中央浜松東浜北細江天竜
名古屋市警察部 愛知県警察 千種西中村昭和瑞穂熱田中川
名古屋水上名東天白守山
京都市警察部 京都府警察 川端上京東山中京下京下鴨伏見山科右京
西京
大阪市警察部 大阪府警察 大淀曽根崎天満都島福島此花西
大正天王寺浪速西淀川淀川東淀川東成生野城東
鶴見阿倍野住之江住吉東住吉平野西成大阪水上
堺市警察部 北堺西堺南堺中堺黒山
神戸市警察部 兵庫県警察 東灘葺合生田兵庫長田須磨垂水神戸水上神戸西
神戸北有馬
岡山市警察部 岡山県警察 岡山中央岡山北岡山西岡山東岡山南赤磐
広島市警察部 広島県警察 安佐北安佐南広島中央広島西広島南広島東佐伯
北九州市警察部 福岡県警察 若松戸畑折尾八幡東八幡西小倉北小倉南門司 機動警察隊
福岡市警察部 中央博多早良西南、博多臨港福岡空港 特別遊撃隊
熊本市警察部 熊本県警察 熊本中央熊本南熊本東熊本北合志