希土類磁石
希土類元素を用いて作られる永久磁石
希土類磁石(きどるいじしゃく)は、希土類元素(アクチニウムを除く第3族元素やランタノイド)を用いて作られる永久磁石のこと。レアアース磁石ともいう。
以下のものが実用化されている。詳細はそれぞれの項目を参照。
- サマリウムコバルト磁石
- SmCo5 およびSm2Co17。耐熱性および耐食性に優れる。
- ネオジム磁石
- Nd2Fe14B。現在実用化されている最強の磁石。錆びやすい。
- プラセオジム磁石
- PrCo5。機械的強度が高い。
- サマリウム鉄窒素磁石
- ネオジム磁石を超える性能を持つ磁石として開発されたが、熱に弱く粉末焼結工法が使えないためボンド磁石として使われている。
特徴
編集希土類磁石の大きな特徴は、残留磁束密度と保磁力がとても強いことである。
磁石 | 残留磁束密度 | 保磁力 (kA/m) | 最大エネルギー積 (kJ/m3) | キュリー温度 (℃) |
---|---|---|---|---|
ネオジム磁石 Nd2Fe14B (焼結) | 1.0–1.4 | 750–2000 | 200–440 | 310–400 |
Nd2Fe14B (結合) | 0.6–0.7 | 600–1200 | 60–100 | 310–400 |
サマリウムコバルト磁石 SmCo5 (焼結) | 0.8–1.1 | 600–2000 | 120–200 | 720 |
Sm2(Co,Fe,Cu,Zr)17 (焼結) | 0.9–1.15 | 450–1300 | 150–240 | 800 |
アルニコ磁石 Al-Ni-Co (焼結) | 0.6–1.4 | 275 | 10–88 | 700–860 |
ストロンチウム-フェライト SrO・6Fe2O3 (焼結) | 0.2–0.4 | 100–300 | 10–40 | 450 |
窒化鉄 Fe16N (結合) | -796 | 1000 |
用途
編集関連資料
編集- Edward P. Furlani, "Permanent Magnet and Electromechanical Devices: Materials, Analysis and Applications", Academic Press Series in Electromagnetism (2001). ISBN 0-12-269951-3.
- Peter Campbell, "Permanent Magnet Materials and their Application" (Cambridge Studies in Magnetism)(1996). ISBN 978-0521566889.
- Brown, D.N.; B. Smith, B.M. Ma, P. Campbell (2004). “The Dependence of Magnetic Properties and Hot Workability of Rare Earth-Iron-Boride Magnets Upon Composition”. IEEE Transactions on Magnetics 40 (4): 2895–2897. Bibcode: 2004ITM....40.2895B. doi:10.1109/TMAG.2004.832240. ISSN 0018-9464. オリジナルの2012年4月25日時点におけるアーカイブ。 .
外部リンク
編集- Magnet Man Cool experiments with magnets
- MMPA 0100-00, Standard Specifications for Permanent Magnet Materials
- Edwards, Lin (22 March 2010). “Iron-nitrogen compound forms strongest magnet known”. PhysOrg. 24 March 2010閲覧。