師団将軍(しだんしょうぐん)とはGénéral de division(フランス語)の直訳で軍隊の階級の一つ。フランス革命方式による師団長将官の呼称。軍将軍軍団将軍または旧欧州方式の呼称である中将の下、旅団将軍の上に位置する。フランス、イタリア、スペインなどで使用されているが、ドイツ連邦軍のように少将以上の呼称を旧欧州方式としている国の方が多いため、使用している国はさほど多くない。英呼称は直訳でDivision(al) generalあるいはGeneral of divisionである。北大西洋条約機構の階級符号(NATO階級符号)では通常OF-7、国によってはOF-8に相当する。これはブラジルやチリなどのように本階級を中将に相当するものと定めている国があるためである。元々補職制度を基準にした呼称のため、このような経緯から本階級を単純に少将と同一視する事は間違いである。


フランス 編集

本階級はアンシャンレジーム期ではLieutenant-généralと呼称されていた。当時は中将位[1] · [2]であり、軍人の公式な最高位で、大将 (Général en chef)は役職に応じた地位であり、本階級もその制度を踏襲している。現呼称には1793年に改称された。現在、本階級を少将と呼称するようになったのは第二次世界大戦後、NATO加盟諸国の人事バランスに合わせてOF-7相当と定められたため、日本語での呼称をそれまでの中将から少将[3]に改めたものである。第一次世界大戦時には将官は2階級しかなかったため、軍団長以上の者は下掲のように星章の下あるいは上に横棒を1本付けた階級章[4]を使用して大将待遇としていた。

イタリア 編集

旧呼称はTenente generale in comando di divisioneおよびMaggior generale in comando di divisione。現呼称へは1919年に統合、改称された。

スペイン 編集

General de división

中将 (Teniente general)の下位にあり、少将位である。陸軍、空軍、グアルディア・シビル共に同じ呼称を用いる。旧呼称はMariscal de campoである。これはフランスと違い、准将(Brigadier)が廃止されず、旅団長級将官としてそのままGeneral de brigadaに改称されたためである。

中将相当官の国々 編集

ブラジル 編集

参考として空軍の階級呼称と階級章も掲載。

ブラジルでは陸軍のみ使用。陸軍将軍のすぐ下の階級となる。

チリ 編集

参考として空軍の階級呼称と階級章も掲載

チリも陸軍のみの使用。ブラジルと同様に陸軍将軍のすぐ下の階級となる。

 

脚注 編集

  1. ^ 『軍装・服飾カラー図鑑』124および125頁。「著」・辻本よしふみ 「イラスト」・辻本玲子 イカロス出版 2016年8月10日。
  2. ^ French Ranks”. Over the Front. 2018年7月1日閲覧。
  3. ^ 『知っておきたい現代軍事用語 【解説と使い方】』78頁。「著」・高井三郎 「発行」・アリアドネ企画 「発売」・三修社 2006年9月10日
  4. ^ Général de corps d'armée”. CAIRN INFO. 2017年6月1日閲覧。(仏文)

関連項目 編集