平成10年9月豪雨(へいせい10ねん9がつごうう)は[1][2][3]、1998年9月23日から9月25日にかけて発生した豪雨高知県で記録的な大雨となり、特に高知市比島町では1時間に129.5mmの猛烈な雨を観測している[4]。通称は「高知豪雨」であるが、高知新聞では「98高知豪雨」の名前を使用している[5]

概要 編集

台風8号7号が通過したところに23日から24日にかけて前線四国の南海上から瀬戸内付近に北上し、25日朝まで停滞した。この前線に向かって高気圧の縁を回る暖湿気流が流れ込んだため、高知市およびその周辺で24日を中心に長時間にわたって猛烈な雨が降り続いた。

1時間降水量は須崎(高知県須崎市)で126mm、後免(高知県南国市)で119mm、高知気象台で129.5mmなど猛烈な雨を伴い、24日の日降水量は繁藤(高知県土佐山田町)で735mm(期間降水量995mm)、高知気象台で628.5mm(同874mm)など記録的な大雨となった[6]

被害 編集

  • 死者9名・負傷者14名
  • 住家全壊31棟・半壊33棟
  • 床上浸水8,631棟・床下浸水11,122棟

影響 編集

本災害において、冠水道路上の蓋が外れたマンホールに吸い込まれるなどして、2人が亡くなっている。

そこで、建設省は豪雨時におけるマンホールの安全対策について緊急に検討する必要が生じたとして、1998年10月に「下水道マンホール緊急対策検討委員会」を設置。翌年1999年3月にかけて、下水道マンホールの安全対策を取りまとめた[7]

高知市においても、発災以降すぐに緊急度の高いマンホール地点から、外れにくい構造のフタを設置しており、その動きは全国へと広がっている[8]

脚注 編集

  1. ^ 平成10年9月における集中豪雨に係る伊野町農林業災害対策特別資金利子補給金交付要綱”. www2.town.ino.kochi.jp. 2021年2月20日閲覧。
  2. ^ '98高知豪雨災害写真”. 2022年9月19日閲覧。
  3. ^ 高知県の洪水・土砂災害”. 2021年2月20日閲覧。
  4. ^ 高知豪雨 (1998年9月24日~25日)”. www.jma-net.go.jp. 2023年1月18日閲覧。
  5. ^ 繁藤、98豪雨...高知県内災害、記録で振り返る 公文書館で来月末まで展示 | 高知新聞”. www.kochinews.co.jp. 2023年1月18日閲覧。
  6. ^ 前線 平成10年(1998年) 9月23日~9月25日”. www.data.jma.go.jp. 2021年2月20日閲覧。
  7. ^ 下水道におけるマンホール緊急安全対策について”. www.mlit.go.jp. 2023年1月18日閲覧。
  8. ^ 渡辺政広 (1999). “1998年高知豪雨における下水道マンホール蓋飛散事故について”. WESTERN JAPAN NDICニュース 21: 28-29. 

外部リンク 編集