平成16年台風第13号
平成16年台風第13号(へいせい16ねんたいふうだい13ごう、アジア名:Rananim / ラナニム[注 1])は、2004年8月に発生し、中国に大きな被害を出した台風である。
台風第13号(Rananim) | |
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カテゴリー2の タイフーン (SSHWS) | |
![]() 台風13号 | |
発生期間 | 2004年8月8日12時 - 8月13日0時(UTC) |
寿命 | 4日12時間 |
最低気圧 | 950 hPa |
最大風速 (日気象庁解析) | 80 knot(40 m/s) |
プロジェクト : 気象と気候/災害 |
概要編集
2004年8月8日にフィリピンの東方沖で台風13号が発生し、アジア名「ラナニム(Rananim)」と命名された。命名国はミクロネシアで、チューク語で「こんにちは」という意味である[1]。なお、フィリピン大気地球物理天文局(PAGASA)はこの台風について、フィリピン名「カレン(Karen)」と命名している。台風は北上して宮古島や石垣島など沖縄の島々の付近を通過し、中国の浙江省温嶺市の石塘鎮に上陸[2][3]。およそ13時間かけて台州市、温州市、麗水市、衢州市を通過し[3]、その後消滅した。
番号の食い違い編集
この台風は、2004年の13番目に発生した台風であるとして、国際的には「台風13号」とされているが[4]、中国国内においては「台風14号」となっている[3][4]。このような台風番号の食い違いが発生する原因は、各国の気象機関が台風の発生を個別に認定していることである[4]。熱帯低気圧を「台風」に分類するか否か、複数存在する熱帯低気圧をどのような順序で「台風」に認定するか、などに関して、各国における気象機関の判断が異なる場合、国ごとの台風番号がずれてしまう[4]。そのため、国際的な誤解が生じるのを防ぐために、正式な文書などには国際番号が使われる[4]。この台風の国際番号は13号であるため、本記事でも14号ではなく国際番号の13号として記述する。
影響・被害編集
この台風は中国に大きな被害をもたらした。
台風によって偏差が3.58 mの高潮が発生し[2]、浙江省などでは各地で大きな被害が発生した。少なくとも164人が死亡し24人が行方不明となったほか、被害総額は181億元に達した[4][3][5]。中国における台風被害としては、236人が死亡した1997年の台風13号以来となった。また中国気象局によれば、中国本土を直撃した台風としては、1956年の台風6号以来、およそ半世紀ぶりの強い台風であったという[4]。温嶺市はそれまで1985年と1997年に大型台風に襲われたことがあり、1997年の台風17号では236人が死亡し、85,000棟の建物が倒れた[3]。
日本においては、台風が接近した沖縄で暴風となった[6]。台風の強風域が比較的大きかったため、沖縄地方では各地方とも強風域に入り、先島諸島は11日の昼過ぎから12日朝にかけて暴風域に入った。宮古島では11日20時10分に最大瞬間風速48.8m/s、石垣島では11日16時21分に最大瞬間風速42.2m/sを観測した。沖縄の海では台風により大しけとなり、台風が接近した先島諸島ではしけが特に猛烈となった[6]。
その他編集
この台風のアジア名「ラナニム (Rananim)」は、この台風限りで使用中止となり、次順からは「ファナピ(Fanapi)」というアジア名が使用されることになったが、このアジア名も2010年の台風11号限りで引退したため、最終的には「ライ (Rai)」というアジア名に置き換えられた。
脚注編集
注釈編集
出典編集
- ^ “Digital Typhoon: Typhoon 200413 (RANANIM)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年7月26日閲覧。
- ^ a b 高木泰士, 呉文潔「日本南方海域を通過する台風の最大風速半径の推定手法」『土木学会論文集B3(海洋開発)』第71巻第1号、土木学会、2015年、1-6頁、doi:10.2208/jscejoe.71.1}、2020年5月26日閲覧。
- ^ a b c d e “中国で発生した台風14号の災害について”. 曹曙陽 田村幸雄. 2020年7月26日閲覧。
- ^ a b c d e f g “デジタル台風:2004年台風13号(ラナニム|RANANIM)”. agora.ex.nii.ac.jp. 2020年7月26日閲覧。
- ^ “ADRC DisasterReport アジア防災センター最新災害情報”. www.adrc.asia. 2020年7月26日閲覧。
- ^ a b “2004年 台風第13号 (Rananim) : TY0413”. 2020年7月26日閲覧。