引渡し(ひきわたし)とは、占有者の意思に基づく占有移転を言う。すなわち、現在自分の占有している物又は人を、他人の占有下に移転させることをいう。以下、日本法における引渡しについて記述する。

  • 民法について以下では、条数のみ記載する。

物の引渡し 編集

民法により、物の引渡しの具体的な方法としては、次の4つが規定されている。

これらの規定は不動産動産ともに適用されるが、動産の場合は、物権譲渡対抗要件となること(178条)、即時取得の要件となること(192条)などから、法律上重要な意味を持つ。 特別法により物権の譲渡の対抗要件としての引渡しがあったものとされるものとして、動産譲渡登記がある。

人の引渡し 編集

引渡しの対象が人の身柄の場合は、対象者の人権に配慮することが必要となる。