弥次喜多隠密道中』(やじきたおんみつどうちゅう)は、1971年10月7日から1972年3月30日まで、日本テレビ系列で毎週木曜20:00 - 20:56(JST)に放映された連続テレビ時代劇である。全26話。2016年にはBSジャパンにて放送された。

弥次喜多隠密道中
ジャンル 時代劇
脚本 直居欽哉ほか
監督 土居通芳ほか
出演者 四世尾上菊之助目黒祐樹ほか
オープニング 「隠密大作戦」 水原弘
製作
プロデューサー 金澤佳都夫(歌舞伎座テレビ室)、加藤教夫
制作 日本テレビ歌舞伎座テレビ室
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1971年10月7日 - 1972年3月30日
放送時間木曜20:00 - 20:56
放送枠日本テレビ木曜8時枠連続ドラマ
放送分56分
回数26
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内容 編集

時は天保。幕府は諸藩の監視のために送り込んだ公儀隠密が、各地でその正体を見破られ、殺害されるという事態に悩まされていた。時の老中水野忠邦は、これまで伊賀甲賀に任せていた隠密を、素人にやらせてみようと思いつき、二人の男を呼び出した。一人は貧乏旗本の次男坊・村上弥次郎。もう一人は元伊賀の忍の同心・青山喜多八。

水野は二人の素性が明かされぬ様、二人は切腹した事にして身分を抹消、公儀隠密に任命した。しかし、二人にはそれぞれ欠点があり、弥次郎は普段は生真面目すぎる程の堅物だが、酒を飲むと人が変わる酒乱で、喜多八は腕っぷしは強いが美人を見るとテンでだらしがなくなる女好き。この性格のまるっきり違う二人が身分を隠し、縞の合羽三度笠の旅姿で、共に「お伊勢参り」と称して、各地にはびこる悪を退治する旅が始まった。

出演 編集

貧乏旗本の次男坊。堅い性格だが酒が入ると人が変わるため、普段はあまり飲まないように気をつけている。道中では財布の紐を握っていることが多く、途中から喜多八とは別行動で捜査をすることが多くなった。
伊賀の忍上がりの同心下戸甘党。腕っ節が強く弥次郎より砕けた性格だが、大の女好きで、いい女を見ると途端にだらしなくなる。お駒の事を喧嘩しつつも好意を寄せていた。惚れっぽい性格からか後任のおるいにも気がある。第19話で、伊賀の名張に程近い山里の出であることが明かされた。
竜軒配下の甲賀のくノ一。武器は三味線に仕込んだ小刀。第19話で伊賀の忍の手に掛かり命を落とす。喜多八とは事あるごとに喧嘩していたが密かに好意を寄せていた。
  • 早苗:八木孝子(第3話、第12話、第14話、第15話、第19話、第21話、第23話、第24話を除く)
弥次郎の許婚。弥次郎の事を想うあまり二人の後を追い掛けてくっついてくる。弥次郎・喜多八の役目については知っており、お駒やおるいのことも見知っている。 
  • 榊竜軒:中村敦夫(第10話、第11話、第16話、第17話、第18話、第21話、第23話、第24話、第26話を除く)
公儀隠し目付で弥次郎と喜多八の上司。虚無僧や素浪人に姿を代えながら彼らの旅を見守り、様々な命令を下す。
お駒の後任。第18話で隠密として共に活動していた市助に死なれて落胆するが、続く第19話で竜軒から殉死したお駒の後任に任命され、第20話では竜軒から水野に紹介される。
倒幕を狙う謎の盗賊。最初は徳島藩に忍び込んだ喜多八の前に現れる。阿波剣山に潜入して仲間を救おうと動き回り、無事救い出した後も弥次郎・喜多八の前に姿を見せ、倒幕資金を得ようと暗躍する。正体は長州浪人・「むなかた かつまろ」という。
  • 老中・水野忠邦:大友柳太朗(第1話、第2話、第4話、第10話、第12話、第19話、第20話、第26話)
公儀隠密を素人に任せるべく弥次郎と喜多八を隠密に任命した。

スタッフ 編集

主題歌 編集

  「隠密大作戦」

オープニングは、途中から弥次郎・喜多八・お駒(おるい)・竜軒・早苗の紹介表示が、縦書き・中央から横書き・下部に変更された。ゲストなどは縦書きのまま。

エンディングは「隠密大作戦」のインストゥルメンタル版を使用。

放映データ 編集

  • 放映年月日:1971年10月7日 - 1972年3月30日
  • 放映時間帯:20時00分 - 20時56分
  • 放映曜日:毎週木曜日
  • 放映話数:全26話
  • 放映形式:カラー、16ミリフィルム


放映リスト 編集

放映年月日 話数 サブタイトル 脚本 監督 ゲスト
1971年
10月7日
1 隠密大作戦(お江戸日本橋) 直居欽哉 土居通芳 坂上二郎江美早苗今井健二永山一夫江見俊太郎美川陽一郎
10月14日 2 逃亡者(平塚) 辻久一、胡桃哲 西山正輝 高城丈二、酒井修、天田俊明竜崎一郎田島義文沼田曜一
10月21日 3 仇討めくら剣法(小田原) 奥山長春、北一郎 土居通芳 梶芽衣子神田隆川合伸旺田中浩石橋雅史鮎川浩三角八郎
10月28日 4 風雲箱根山(箱根の関) 鈴木兵吾 西山正輝 北林早苗花沢徳衛山下洵一郎久里千春北原義郎舟橋元浜田寅彦
11月4日 5 富士川騒動(原) 鈴木兵吾 土居通芳 近衛十四郎奈美悦子津川雅彦梅津栄大泉滉高野浩之風見章子
11月11日 6 下部の女(甲州下部) 辻久一、北一郎 土居通芳、菊池奛 長内美那子高橋長英玉川伊佐男村井国夫和崎俊哉、土方弘、沢村宗之助
11月18日 7 秋葉の火祭り(秋葉山) 服部佳 土居通芳 工藤堅太郎東三千渡辺文雄田中春男織本順吉柳沢真一
11月25日 8 怪盗ネズミ小僧(舞阪) 服部佳 山田達雄 松方弘樹人見明相原ふさ子永井秀和田口計武藤英司井上博一
12月2日 9 帰ってきた男(天竜・石打) 北一郎 土居通芳 水原弘嵐寛寿郎御影京子戸上城太郎宮口二朗増田順司
12月9日 10 大陰謀(浜松) 鈴木兵吾 土居通芳 江戸家猫八沢村精四郎中山昭二徳大寺伸見明凡太郎、近江俊輔
12月16日 11 飛び出したお姫様(岡崎) 直居欣也 山田達雄 由美かおる桑山正一星美智子二見忠男野呂圭介中村竜三郎
12月23日 12 消えた御用金(池鯉鮒) 服部佳 番匠義彰 田村亮珠めぐみ小栗一也大村千吉武智豊子滝川潤
12月30日 13 殿様と遊女(名古屋) 鈴木兵吾 番匠義彰 光本幸子里見浩太朗高品格、服部哲治、沢井三郎、人見きよし
1972年
1月6日
14 木曽の暴れん坊(木曽・高須) 鈴木兵吾 土居通芳 市川海老蔵寺田農、長谷川澄子、村上不二夫穂積隆信浅野進治郎
1月13日 15 喜多八の子守唄(木曽・恵那) 直居欽哉 八木美津雄 ピーター榊ひろみ長谷川明男伊藤久哉加賀邦男桜京美
1月20日 16 二人の無宿者(宮) 服部佳 八木美津雄 郷鍈治垂水悟郎青野平義剣持伴紀、川島育恵、東千代之介
1月27日 17 桑名の風来坊(桑名) 鈴木兵吾 土居通芳 品川隆二松木路子安部徹河原崎建三村上冬樹寺島達夫
2月3日 18 夫婦隠密(四日市) 津田幸夫 山田達雄 土田早苗黒木進北川めぐみ山岡徹也森山周一郎富田仲次郎
2月10日 19 宿命の対決(伊賀) 服部佳 船床定男 三上真一郎水原麻記外山高士、野々浩介、笹川恵三、練木二郎
2月17日 20 危うし!越前(京都) 直居欽哉、石井君子 山田達雄 江夏夕子三浦布美子倉丘伸太郎山本耕一伊達三郎、杉山俊夫
2月24日 21 幻の名刀(泉州堺) 服部佳、石井君子 船床定男 西沢利明鮎川いづみ大和田伸也笠置シズ子天草四郎有馬昌彦
3月2日 22 人情河内音頭(摂津高槻・大和郡山) 直居欣哉 菊池奛 高松英郎工藤明子中村是好小林勝彦、西山恵子、春日章良河野秋武
3月9日 23 鳴門の小判鮫(阿波徳島) 鈴木兵吾 山田達雄 園まり深江章喜永井秀明、沢登譲、深田鉄、相原巨典石島房太郎
3月16日 24 過去を持つ男(多度津・香川) 直居欣哉 山田達雄 榎本美佐江稲葉義男、北上弥太郎、菱見百合子渚健二上野山功一稲吉靖佐竹明夫
3月23日 25 鷹ノ巣谷の対決(土佐) 津田幸夫 山田達雄 松村達雄竜崎勝、富山真沙子、小川ひろみ、高野真二穂高稔南川直
3月30日 26 恐怖の銅山(宇和島) 鈴木兵吾 山田達雄 扇ひろ子早川保高桐真早川雄三宗近晴見、玉川長太

放送局 編集

特筆なしは、木曜 20:00 - 20:56に放送。

脚注 編集

  1. ^ 北海道新聞』(縮刷版) 1972年(昭和47年)3月、テレビ欄。
  2. ^ a b c d e f 河北新報』1971年10月7日付テレビ欄。
  3. ^ 新潟日報』1972年(昭和47年)7月2日付テレビ欄。
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弥次喜多隠密道中
木曜映画招待席
(20:00 - 21:26)