弦楽四重奏曲第8番 (シューベルト)

弦楽四重奏曲第8番 変ロ長調 作品168, D 112 は、フランツ・シューベルト1814年に作曲した弦楽四重奏曲

概要 編集

本作は1814年9月5日に作曲を開始し、第1楽章はその日のうちに完成され[注釈 1]、第2楽章は9月6日に取り組んで9月10日に終了し、9月11日には第3楽章、9月13日には第4楽章が書き上げられた。シューベルトにしてはかなり速いスピードで作曲したことになるが、安易で書かれた作品ではなく、弦楽四重奏曲の方面での新しく意欲的な姿勢を見せたものとして注目される。

曲の構成 編集

全4楽章構成、演奏時間は約27分。シューベルトは本作において室内楽的な性格をより明快に打ち出しており、シューベルト的な面を置くようにしていることが窺える。

  • 第2楽章 アンダンテソステヌート
    ト短調、4分の3拍子。
    これまでのシューベルトの弦楽四重奏曲の緩徐楽章にはない充実感を与えることに成功しており、ここでも強弱の対比性を効果的に生かしている。
  • 第4楽章 プレスト
    変ロ長調、4分の3拍子。
    スケルツォ的性格の楽章で、構成的にはむしろ単純である。

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 第1楽章は4時間半で作曲されたとシューベルト自身によって手記に記されているが、実際はすでに書き上げられていたフルートヴィオラギターのための三重奏曲をそのまま弦楽四重奏曲の形に書き直したものである。

外部リンク 編集