彼岸花はきつねのかんざし

彼岸花はきつねのかんざし』(ひがんばなはきつねのかんざし)は、日本の小説家朽木祥による児童文学[1]

彼岸花はきつねのかんざし
著者 朽木祥
イラスト ささめやゆき
発行日 2008年1月18日
発行元 学習研究社
ジャンル 児童文学
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 A5判上製本
ページ数 176
公式サイト 彼岸花はきつねのかんざし 単行本 学習研究社
コード ISBN 978-4-05-202896-0
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絵本 彼岸花はきつねのかんざし
著者 朽木祥
イラスト ささめやゆき
発行日 2015年8月7日
発行元 学研教育出版
ジャンル 絵本
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 A4変
ページ数 56
公式サイト 絵本 彼岸花はきつねのかんざし 学研教育出版
コード ISBN 978-4-05-204284-3
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本項では、この物語の絵本版である『絵本 彼岸花はきつねのかんざし』についても述べる。

概要 編集

物語版は、2008年1月18日に学習研究社より刊行された[2]。絵は、ささめやゆきによる[2]。装丁は、藤田知子による[3]。2009年、第33回日本児童文芸家協会賞を受賞する[4]。同年、で第23回赤い鳥さし絵賞を受賞する[5]

著者の朽木が、初めてヒロシマをテーマとして扱った作品である[6]。最近の子どもは、原爆や戦争を扱った本は手に取らない、といった話を編集者から聞いていたこともあり、朽木は、何とかして読み進めやすい物語にしようと構想を練った[6]。物語を執筆する上で大切にしたことは、辛さや悲しさを共に感じ、共に苦しむこと、すなわち共感共苦であるとされる[6][7]

絵本版は、物語版を絵本にしたもので、2015年8月7日に学研教育出版よりされた[8][9]。絵は、ささめやゆきによる[8]

あらすじ 編集

広島に住んでいる也子は、小学4年生になった。第二次世界大戦が始まっており、戦況は悪化していた。ある日、也子が仲間と一緒に、「たすけ鬼」という遊びに興じていると、警戒警報が発令され、上空にはB-29爆撃機が飛んでいるのが見えた。警報が解除された後、かくれんぼをしていると、也子は、いつの間にかひとりぼっちになってしまっていた。仲間を探して歩き回っているうちに、竹やぶの外れにたどり着き、そこで也子は、1匹の子ぎつねと出くわす。

主な登場人物 編集

也子(かのこ)
少女。
健ちゃん
也子の友人。

書評 編集

日本子どもの本研究会の鈴木佳代子は、「朽木祥さんの、少しでも読みやすい形で広めたいという気持ちが伝わります。ささめやゆきさんの絵もとても美しく、心に残ります」「字も多く、絵本というよりは読み物であり、内容は少し簡略化されていますが、戦争が引きおこす悲しみと残酷さがとても伝わる本」[9]と評価している。

脚注 編集

  1. ^ 彼岸花はきつねのかんざし デジタル大辞泉プラスの解説”. コトバンク. 2019年7月5日閲覧。
  2. ^ a b 彼岸花はきつねのかんざし”. 学習研究社. 2019年7月5日閲覧。
  3. ^ 『彼岸花はきつねのかんざし』 2008.
  4. ^ 日本児童文芸家協会賞 受賞者一覧”. 一般社団法人 日本児童文芸家協会. 2019年7月5日閲覧。
  5. ^ 2009年 児童文学賞受賞作品リスト”. 国立国会図書館 国際子ども図書館. 2019年7月5日閲覧。
  6. ^ a b c 石井雄一 (2014年8月6日). “被爆を伝えて 2 児童文学作家・朽木祥さん 「共感共苦」促す文学の力”. 中国新聞. http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=34549 2019年7月5日閲覧。 
  7. ^ 全国の仲間と交流を深める2日間 「すべての子どもに読書のよろこびを」”. 公益社団法人 読書推進運動協議会 (2013年11月15日). 2019年7月5日閲覧。
  8. ^ a b 絵本 彼岸花はきつねのかんざし”. 学研教育出版. 2019年7月5日閲覧。
  9. ^ a b 鈴木佳代子. “第16回 子どもの本 この1年を振り返って 2015年 講演録”. 公益財団法人 図書館振興財団. 2019年7月5日閲覧。

参考文献 編集

  • 朽木祥『彼岸花はきつねのかんざし』学習研究社、2008年1月。ISBN 978-4-05-202896-0