徐 京植(ソ・キョンシク、서 경식、1951年 - )は、在日朝鮮人作家文学者東京経済大学現代法学部教授(現代アジア思想 )。

京都市生まれ。早稲田大学文学部卒業。兄に立命館大学特任教授の徐勝、人権運動家の徐俊植がいる。本人は4人兄弟の末っ子。

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来歴編集

在日朝鮮人の父母のもと、京都市に生まれる。早稲田大学在学中の1971年、二人の兄が留学中のソウル国家保安法違反容疑で逮捕される(学園浸透スパイ団事件)。すぐさま逮捕の不当性を訴えて母や支援者とともに救援活動を展開。1974年に早稲田大学第一文学部仏文学科を卒業するも、依然兄弟は獄中にあり、自らも進学を諦めて兄の解放と韓国民主化運動のため活動を継続する。この活動中に母を亡くす。

投獄から17年目の1988年に徐俊植が釈放され、1990年には徐勝も釈放。長期にわたる救援活動の経験は、その後の思索と文筆活動へとつながっていく。この頃より都内の大学などで「人権」や「マイノリティ」をテーマとした講義を持っている。2000年、東京経済大学助教授に就任。2009年に同教授。

作家としての活動は多岐にわたるが、その原点は兄2人の救出活動の経験と共に、在日朝鮮人としての自身のアイデンティティにあるとされる。自叙伝『子どもの涙 - ある在日朝鮮人の読書遍歴』(1995年)は日本エッセイストクラブ賞を受賞。以後、ディアスポラ(離散者・難民)をめぐる諸問題に多角的考察を試みる著作活動を展開。『プリーモ・レーヴィへの旅』(1999年)にてマルコ・ポーロ賞を受賞。ほぼ毎年何らかの著作を上梓し続けるなど、精力的な活動を行っている。

2004年には高橋哲哉らと季刊の思想雑誌『前夜』を刊行し、呼びかけ人、編集委員をつとめた。2006年より2年間、韓国留学を果たしている。2011年から、韓国の新聞ハンギョレに没落する日本の様子を報告する連載「日本通信」を開始した[1]

著書編集

単著編集

  • 『長くきびしい道のり 徐兄弟・獄中の生』(影書房、1988年)
  • 『皇民化政策から指紋押捺まで 在日朝鮮人の「昭和史」』(岩波書店、1989年)
  • 『私の西洋美術巡礼』(みすず書房、1991年)
  • 『「民族」を読む 20世紀のアポリア』(日本エディタースクール出版部、1994年)
  • 『子どもの涙 ある在日朝鮮人の読書遍歴』(柏書房、1995年;小学館文庫
  • 『分断を生きる 「在日」を超えて』(影書房、19997)
  • 『新しい普遍性へ 対話集』(影書房、1999年)
  • プリーモ・レーヴィへの旅』(朝日新聞社、1999年)
  • 『過ぎ去らない人々 難民の世紀の墓碑銘』(影書房、2001年)
  • 『青春の死神 記憶のなかの20世紀絵画』(毎日新聞社、2001年)
  • 『半難民の位置から 戦後責任論争と在日朝鮮人』(影書房、2002年)
  • 『秤にかけてはならない 日朝問題を考える座標軸』(影書房 2003年)
  • 『ディアスポラ紀行 追放された者のまなざし 』(岩波新書、2006年)
  • 『夜の時代に語るべきこと ソウル発「深夜通信」』(毎日新聞社、2007年)
  • 『汝の眼を信じよ!-統一ドイツ美術紀行』(みすず書房、2010)
  • 『在日朝鮮人ってどんな人?』(平凡社、2012年)
  • 『植民地主義の暴力 -- 「ことばの檻」から』(高文研、2013年)

共著編集

訳書編集

脚注編集

外部リンク編集