徘徊型兵器(はいかいがたへいき、: loitering munition)は、攻撃型の無人航空機 (UCAV) の一種に対する呼称で、離陸した無人航空機が数時間にわたって目標地域上空を"徘徊"(loitering)し、高価値目標を発見するかもしくは地上管制システムからの指令を受けると、対地ミサイルのように搭載した爆薬もろとも目標に突入し自爆して攻撃を行うというものである[1][2]。徘徊可能な時間内に目標が発見できない場合には自爆するか、機種によっては自力で帰投し再使用可能なものもある。

呼称については徘徊型自律兵器 (Loitering Autonomous Weapons[1]) 、徘徊型攻撃システム (Loitering Attack Systems[3]) というようにも表現される。日本語訳ではうろつき型兵器[2]自爆型UAV特攻型UAVカミカゼUAV、「Kamikaze Drone(神風ドローン)」、「Suicide Drone(自殺ドローン・自爆型ドローン)」、「Kamikaze Strike(神風ストライク)」など様々に表現されている[4][5]

概要編集

徘徊型兵器の、従来の対地ミサイル巡航ミサイルとの違いとしては

  • 発射(離陸)する時点では必ずしも攻撃目標が明確である必要が無い。
  • 飛翔体自身が自分で攻撃目標を探す事ができる。
  • 攻撃目標が見つかるまで"徘徊"して待つことができる。
  • 攻撃目標が見つからない場合に帰投させれば、コスト的にも無駄にならない。

といった点が挙げられる。

この種の兵器として最初に実用化されたのは、イスラエルIAIが開発し1994年に初飛行に成功したハーピー[1]、これは敵防空網制圧(SEAD)を目的としており、検出した敵レーダー波に向かって突入する機能を持つものであった。

その後は、イスラエルやアメリカ合衆国だけでなく、その他の国でも同種の無人兵器の開発が進められている[1]

機種の例編集

  イスラエル

敵の防空レーダーに突入し自爆する機能を持つ。
ハーピーの改良型[6]。可視光カメラを搭載し、敵がレーダー波の放出を停止しても攻撃可能になっている。
ハーピー/ハロップの改良型[7]。NGは New Generationの意。全天候/夜間攻撃能力を持つ。
小型・軽量・低コストの徘徊型UAV[8]。2016年のシンガポール・エアショーで初公開された。
クアッドコプター型で、地上部隊の兵士が一人で携帯・操作可能なサイズのUAV[9]

  アメリカ合衆国

1980年代に開発された対レーダーミサイルで、限定的な徘徊機能を持つものとして計画されたが1991年に開発中止となった。
徘徊機能を持つLAM(Loitering Attack Munition)は実用化されず開発中止となった。
LOCAASはLow Cost Autonomous Attack System(低価格自律攻撃システム)の略。30分程度の"徘徊"が可能な巡航ミサイル。開発中止となった。
エアロヴァイロンメント英語版製の小型の自爆型UAV。地上部隊の兵士が一人で携帯・操作可能なサイズである。
LMAMSはLethal Miniature Aerial Missile System(致死性小型航空ミサイルシステム)の略。アメリカ陸軍が開発している小型の自爆型UAV。地上部隊の兵士が一人で携帯・操作可能なサイズである。

  イギリス

MBDAが開発し、イギリス軍への導入提案についてはIAI ハロップが競合機種となった[1][10]

  大韓民国

  • デビルキラー
韓国航空宇宙産業(KAI)が開発した自爆型UAV[11][12]

脚注・出典編集

関連項目編集

外部リンク編集