御斎峠(おとぎとうげ)は、滋賀県甲賀市信楽町多羅尾三重県伊賀市西山町を結ぶ。於土岐、於登岐、御伽とも表記する。昔から近江では伊賀・伊勢道、伊賀では京道(京街道)と呼ばれていた。標高は570m。

御斎峠
御斎峠からの風景
所在地 日本の旗 日本
滋賀県甲賀市三重県伊賀市
座標
御斎峠の位置(日本内)
御斎峠
北緯34度48分12.431秒 東経136度04分12.569秒 / 北緯34.80345306度 東経136.07015806度 / 34.80345306; 136.07015806座標: 北緯34度48分12.431秒 東経136度04分12.569秒 / 北緯34.80345306度 東経136.07015806度 / 34.80345306; 136.07015806
標高 570 m
山系 鈴鹿山脈
プロジェクト 地形
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峠の名前の由来は、「三国地志」によると、鎌倉南北朝時代禅僧夢窓疎石(夢窓国師)が訪れた際、この峠で村人のお斎(接待)を受けたことによるという。

1582年本能寺の変の後、摂津国にいた徳川家康三河国岡崎城へ帰還するため、宇治田原から滋賀へ抜ける経路としてこの峠を使ったといわれる。案内した多羅尾光俊は、この功によって明治まで長い間、多羅尾領を押えていた。

峠に妖怪が出るという昔話がある。早朝に腹の膨らんだ餓鬼が現れ、旅人に「茶漬けを食べたか」と尋ねる。「食べなかった」と答えると通してくれるが、「食べた」と答えると襲いかかり、腹を裂いて茶漬けを取り出し、貪り食ったという[1]

近くの名所 編集

  • 滝の脇摩崖仏
  • 弘法の井戸 - 空海が井戸を掘ったと伝えられる
  • 仕置場跡 - 代官所の処刑場
  • 石造十王像 - 現在、多羅尾の顕証寺境内に移設

注釈 編集

  1. ^ 千葉幹夫 (1995). 全国妖怪事典. 小学館. p. 144 

参考文献 編集

  • 木村至宏『近江の峠道ーその歴史と文化ー』サンライズ出版、2007年、53-56頁

関連項目 編集