循環器学
(循環器内科から転送)
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循環器学(じゅんかんきがく、英: cardiology)は、内科学の一分野。
心臓・冠動脈・大動脈・血圧等の循環器系(circulatory system)全般を取り扱う分野。他の名称として、心臓学、心臓病学、循環器病学、などがあり、日本語の医学雑誌のデータベース、医中誌WEBではこれらいずれの語句も同義語として扱われている[1]。
外科学分野においては心臓血管外科学が携わる。診療科としては循環器内科と心臓血管外科が共に循環器センターを設置している施設もある[2]。
歴史
編集疾患
編集高血圧
編集→詳細は「高血圧」を参照
以前より循環器学の原点とも言える領域。循環器学領域で扱う最も基本的で一般的な疾患。
虚血性心疾患
編集→詳細は「虚血性心疾患」を参照
急性冠症候群・狭心症・心筋梗塞等として知られ、カテーテル治療の発展と共に急速に発達してきている循環器内科の花形たる治療領域。心臓血管外科学においては冠動脈バイパス術等が行われる。
不整脈
編集→詳細は「不整脈」を参照
旧来より薬物治療がメインであったが、カテーテルアブレーションやICD(植え込み型除細動器)設置等で発展を遂げてきている領域。
心臓弁膜症
編集→詳細は「心臓弁膜症」を参照
旧来より内科的治療によるコントロール困難な症例は心臓血管外科学による手術治療がメインに行われる疾患であったが、一部の疾患でカテーテル治療が発展してきている領域。
心筋症
編集→詳細は「心筋症」を参照
循環器内科と心臓血管外科双方にて扱われる領域で、心臓移植等について行われる領域。
大動脈瘤
編集→詳細は「大動脈瘤」を参照
主に心臓血管外科学にて扱われる領域。軽症であれば循環器内科にて内科的治療管理は行われる。
先天性心疾患
編集→詳細は「先天性心疾患」を参照
一般の病院においては循環器内科では扱われず、小児科・心臓血管外科が診療に当たる領域。
心不全
編集→詳細は「心不全」を参照
一般に多く病院・診療所において診療されることの多い症候。
その他
編集検査
編集- 聴診
- 古来より臨床医学の象徴とも言える検査。
- 心電図
- 20世紀初頭において開発され、現在においても循環器領域で最も基本となる検査。
- 心臓超音波検査
- 近年では、循環器領域で最も基本となる検査。多くの病院・診療所で広く行われるようになった。
- X線撮影検査
- 心不全兆候等の心臓の評価を行うために用いる一般的な検査。
- CT検査
- 大動脈等の血管病変に対する評価として用いられる検査。
- 冠動脈・心臓CT検査
- 以前は、カテーテル検査でしか確認し得なかった冠動脈病変の精査に対し、近年64列ないし128列の高性能CT検査を用いて冠動脈を3D再構成を行うことで、冠動脈病変を評価する検査 負担が少なく外来にて簡便に行うことができるため導入する医療機関が増えている。
治療
編集主に内科学・小児科学を含めて、循環器学領域で行われる治療については以下の通り。
心臓血管外科学分野で行われる術式については「心臓血管外科学」を参照
薬物治療
編集カテーテル治療
編集現在、循環器内科領域において最も一般的となっている治療
ペースメーカー
編集除細動器
編集補助循環
編集- 大動脈内バルーンパンピング(IABP:intraaortic balloon pumping)
- 経皮的心肺補助装置(PCPS:pericutaneous cardiopulmonary support)
- 補助人工心臓(LVAD:left ventricular assist device)
人工心臓
編集脚注
編集- ^ “心臓血管疾患学”. 医学中央雑誌刊行会. 2023年7月30日閲覧。
- ^ 昭和大学横浜市北部病院 循環器センター
参考文献
編集- 小室一成『講義録循環器学』メジカルビュー社, 2004,ISBN 4758300569
- 小川聡, 井上博, 佐藤徹『標準循環器病学』医学書院, 2001, ISBN 4260119818
- Leonard S. Lilly『ハーバード大学テキスト 心臓病の病態生理』メディカルサイエンスインターナショナル, 2000, ISBN 4895922529
- 村川裕二『臨床研修医必携 経験すべき循環器診療』メジカルビュー社, 2005, ISBN 4758301441
- 細田瑳一ほか『今日の循環器疾患治療指針』医学書院, (第2版)2001, ISBN 4260119753