徳岡修二
日本のアマチュア天文家
超新星捜索 編集
新天体捜索に興味を持つようになり、自宅マンションのベランダでは観測が難しかったことから賃貸マンションの7階のルーフバルコニーにオーナーの許可を得て小型の観測小屋と25cm反射望遠鏡を設置し観測を始めた。既発見の超新星についても自身のホームページに撮影データを公開していたところ、遊佐徹の仲介でイタリア国立天体物理研究所の天文学者Andrea Pastorelloに超新星SN 2014avの撮影データを提供してほしいとの依頼を受けたこと、嶋邦博の紹介で天体捜索者のコミュニティーに加わったことに刺激を受け、より大きな望遠鏡を使用するようになった。
なおSN 2014avのデータはその後Pastorelloらに解析され、ヘリウムが豊富な星周物質に覆われた大質量星が起こした超新星爆発として2016年2月に徳岡も共著者に入り論文が公開されている[1]。
超新星の発見 編集
2018年3月頃からアップデートしたルーフバルコニーの観測設備から全自動観測による新天体捜索の継続運用を始め、3年半・671夜に及ぶ観測の末2021年11月30日未明(日本時間)におおぐま座の銀河UGC4671に16.4等級のIa型超新星SN2021afsjを発見した[2]。この発見にはOrion UK社製カーボン鏡筒ニュートン式望遠鏡CT12(口径30cm F4)とStarlightXpress社製Trius SX-814冷却CCDカメラが用いられた[3]。 この発見の成果を受けて日本天文学会より2021年の天体発見賞[4]が贈られている。
参考文献 編集
- アストロアーツ (2022). “ぐっすり眠っている間に超新星発見”. 星ナビ (アストロアーツ) 2022 (2).
- 徳岡修二「自作の自動掃天システムによる超新星2021afsjの発見」(PDF)『天文月報』第116巻第1号、日本天文学会、2023年、15頁。
外部リンク 編集
脚注 編集
- ^ A. Pastorello; S. Tokuoka et al. (2016). “Massive stars exploding in a He-rich circumstellar medium - IX. SN 2014av, and characterization of Type Ibn SNe”. MNRAS 456 (1): 853-869. Bibcode: 2016MNRAS.456..853P. doi:10.1093/mnras/stv2634.
- ^ “徳岡さん、おおぐま座の銀河に自身初の超新星発見”. アストロアーツ. 2022年10月26日閲覧。
- ^ “SN 2021afsj (Discovery image)”. 2022年10月26日閲覧。
- ^ “日本天文学会天体発見賞 受賞者”. 日本天文学会. 2022年10月26日閲覧。