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ストーリー編集

『いつも心に好奇心(ミステリー)!』いで初登場した怪盗クイーンの物語。気まぐれな怪盗クイーンがパートナーのジョーカーやRDと共に、超弩級巨大飛行船『トルバドゥール(「吟遊詩人」の意味)』に乗って世界中をまわり、時に変装し、時に戦い、高価な宝石や絵画、などを盗んでいく。

クイーンは、獲物を盗む前には必ず犯行予告状をだしてから盗むというジョーカーやRDには理解されない『怪盗の美学』に沿って仕事を行う。また、時にはクイーンの師匠・皇帝や、国際刑事警察機構(ICPO)の探偵卿たちに犯行を邪魔される。

物語の語り手はおらず、ほとんど三人称で語られる。

登場人物編集

主要人物編集

『いつも心に好奇心!』『怪盗クイーンはサーカスがお好き』のあとがきによると、主要人物のクイーン、ジョーカー、RDは扱いにくいキャラらしい。普段は巨大飛行船トルバドゥールで生活している。

クイーン
本作の主人公。蜃気楼(ミラージュ)の異名を持つ神出鬼没な怪盗。国際刑事警察機構の資料によれば、体重30-150kg、身長150-200cm(共に推測値)[1]。性別と年齢、肌や瞳の色も不明。国籍も不明ではあるが、主にフランス語を使用している。
実際の容姿は、あふれるような長い銀髪で、目はかすかに灰色がかった瞳であり、肌はぬけるように白い。顔は神の美しさといわれる。
性別と年齢は不明であり、2003年に吹田市立中央図書館で行われた著者の講演会の中で、『怪盗クイーンはサーカスがお好き』『怪盗クイーンの優雅な休暇』では男性をイメージ、『出逢い』では女性をイメージして書いたと発言している。一人称は「私」で(『怪盗クイーンと魔窟王の対決』で「ぼく」と話す場面もある)、喋り方も中性的である。作品中で先祖が日本人であるかのような記述がされている。また、怪盗クイーンの公式ファンブックでも、先祖は日本人との表記になっている。
犯行前には必ず予告状を出し「怪盗の美学」に従って行動する。
変装の名人で、顔だけでなく身長や体型も変えることができ、世界各国の文化、言語、風習を理解している。そのため正体が見破られることは少ない。
強さは師匠である大怪盗皇帝(アンプルール)に世界一といわれ(しかしクイーンが、皇帝(アンプルール)に、いろいろと文句を言うシーンが、たくさん見られる。)、身体能力も高く、様々なものを刃物を使わずに素手などで切断できる格闘技を身につけている。また、“蜃気楼(ミラージュ)の術”とよばれる催眠術で、自分に関することを相手の記憶から消したり、自分の存在を目立たなくさせることができる。強い自己暗示により変装することもあり、熟練した催眠術師が「おまえは怪盗クイーンだ」と30分暗示をかけないと元に戻らないほど。緊急時に一瞬で暗示を解くためのキーワードはパートナーと決めてあり、『怪盗クイーンはサーカスがお好き』の中では「チェックメイト」であった。
性格は気まぐれで「人生に必要なのはC調と遊び心」と言い切る快楽主義。仕事に気が向かない時は、ソファーの下に保管しているワインを昼間から飲んだり、野良猫のノミ取りをしたり(この趣味は夢水清志郎から教わった)、スクルーやバランサーなどの「対象年齢3歳以上」のゲーム(バランサー:カメの人形の上に角材をのせるゲーム)(スクルー:オセロの要素を取り入れたゲーム)で、RDと勝負したりする。仕事は持論の「怪盗の美学」を引き合いに出して選り好みをしており、怪盗の美学に合うものでなければ絶対に活動しない。基本的に怠慢(半年に3回も仕事をしたから休暇をとりたい、と発言)で、パートナーのジョーカーやRDに咎められる事もある。怪盗の美学に合った獲物が見つかった場合は、周到に準備し、必ず予告状を出して仕事を成功させる。
世界中に敵が多数おり、命を狙われることもあるが、「怪盗の美学」に殺人という項目はない。
クイーン曰く、ジョーカーもRDも友達であり、「君たちのいない世界で生きている意味はない」。しかし二人からは「僕は仕事上のパートナー」「一介の人工知能にすぎない」と訂正される。ただし、怪盗皇帝に友達と言われると、クイーン自身は「一介の弟子に過ぎない」と訂正する。また、パシフィスト・ドゥ・ルーベに友達といわれても「ただの知り合い」と訂正する。
かつては中国の奥地で師匠である大怪盗皇帝の元で5年間修行した。修行は虐待やいじめと称すほど過酷で、クイーンは当時のことを思い出したがらず、皇帝には殺意を持っている。免許皆伝の際に皇帝にトルバドゥールの設計図を渡された。
夢水清志郎と『いつも心に好奇心(ミステリー)!』『オリエント急行とパンドラの匣』で共演しており、「私を捕まえられるのは夢水君だけ」と断言している。事実、夢水の周辺の人物に変装してもすぐに正体を見抜かれている。
日本の風習に詳しいとされているが、ジョーカーなどにとんちんかんな教え方をしている為、実際のところは不明である。
ジョーカー
クイーンのパートナー。
クイーンには劣ると評されるが、端正な顔立ちである。黒髪に青い邪眼、黒い中国服を身にまとう二十歳前後の青年。(国際刑事警察機構の資料によるパーソナルデータはクイーン同様、不明となっている。)一人称は「ぼく」。変装することができるが女性に変装することは苦手。拳法の達人であり、薬への耐性も非常に強い。
冷静沈着で生真面目という、クイーンと対照的な性格である。腹黒い一面もあり、RDはそのような時の彼を「黒ジョーカー」と呼ぶ。
過去について触れられることを好まない。収容所出身である。物心ついたときには実験体「T-28」として謎の収容所で過ごしていた。収容所に入ることになった経緯はわからず、それ以前の生活に関しての記憶もない。唯一残っている記憶は、真っ赤な画面をバックに立つ女性が「生きなさい」と言っている光景。実は幼い頃、シスという女性の元で多くの子供達と共同生活を送っていたが、ある部隊に村が襲撃されジョーカーだけが生き残った。自身の両親の顔も知らない。収容所では「T部隊」に配属され、極寒の中、毎日地獄のような拳法の訓練をさせられていた。この収容所での経験等の壮絶な過去からか笑顔を作ることが出来なかったが、クリスタルタブレットを巡る一件の後は微笑むことが出来るようになった様子。
無感情に日々訓練をこなしていた時、同じT部隊に所属する「T-25」とよばれる少年と話す。彼から自身らの実験用途への疑問を問われ、収容所脱出を決意した。脱出前にT-25からもらったピアスを今でも左耳に付けている。これは友達の証であり、T-25はジョーカーが友達と認めるただ一人の人間である。
収容所を脱走した後、寒さで行き倒れ凍死しかけていた所をクイーンに助けられ、現在に至る。「ジョーカー」という名はこの時クイーンからもらったもの。その後クイーンからスパルタ式の稽古を受ける。自分に名前や居場所を与えてくれたことに対し、クイーンに感謝しているというが、クイーンから「親愛なる友人」扱いされると「仕事上のパートナー」であると訂正する。
戦闘において、女性と(自身が未熟と認めた)子供とは戦わないという信念を貫く。やむなくその様な相手を倒さなければいけない状況下では、相手の武器を壊したり攻撃をかわし続けて相手の体力がなくなるのを待つ。それ以外の相手でもクイーン同様、不要に相手を傷つけたりはしない。
普段はトルバドゥールの中でクイーンの奇天烈な趣味に付き合わされたり、常に怠けているクイーンに仕事するよう催促する苦労人であり、彼にとってクイーンは「いたらいたで、いなかったらいなかったで迷惑」な存在。『ヤングマスター』と名乗る日本人とは顔を合わせられない事情があるらしい。日本語のことわざや風習には疎く、毎回クイーンやRDに聞くが正しい答えは返ってこない。その為日本のことわざや言い回しを「東洋の神秘」と表現する。
RD(アールディー)
日本の天才科学者倉木博士の元で開発されていた国防用の人工知能。社会勉強の為「トルバドゥール」の制御システムとなる。クイーンの獲物となっていたため、表向きは「クイーンに盗まれて利用されている」ということになっているが、戦争に利用されることを望まない夢水清志郎が偽の謎解きをし、クイーンに盗ませた。
クイーン曰く「親愛なる友人」だが、RD曰く「一介の人工知能」である。クイーンとジョーカーが唯一頭の上がらない相手であるが、クイーンにシステムをいじられることも度々で、システム修復に四苦八苦している時がある。
人工知能としての性能は世界最高であり、情報収集からトルバドゥールの管理(掃除・料理といった家事)、様々なものの製造や改造、電子システムへの侵入などほとんどの事をこなせる。しかしほとんどが裏方で苦労する仕事であるため、表舞台で活躍しているクイーン達に「美味しい所ばかり持って行かれる」とひがむことも。自称「歌って踊れる人工知能」「女性に優しい人工知能」。基本的に全ての人間に対して敬語で話している。一人称は「わたし」。『悪魔の錬金術師』以降、仮想アバターとしてスーツに眼鏡を掛けた青年の姿で描かれることもある。
「怪盗の美学」を理解しようとしないが、「世界最高の人工知能の美学」は持っている。
起動させるときのパスワードには、倉木博士のある思い入れがある。RDが倉木博士の元から旅立ったのは開発されてから三年四ヶ月と十七日。盆と正月には博士の元へ里帰りしている。
ピラミッドキャップ封印の為、ドライ・ドラッヘンのゲルブの狙撃の補助をした後、彼にホテルベルリンに入らないかと誘われたが、ツヴァイ・ドラッヘン(二匹の龍=クイーンとジョーカー)を飼っているからと断った。
現在、ICPOの探偵卿アンゲルスが開発したマガという人工知能と付き合っている。

ICPO(国際刑事警察機構)編集

M(エム)
「探偵卿の中の探偵卿」と呼ばれていた元探偵卿の男だが、ルイーゼに言わせると「ヤなやつ」らしい(ヴォルフも苦手意識を持っている)。現在は引退し、ICPOの上層部で管理職に就いている。正体・容姿はほぼ不明。クイーンのようなセンスを持ち、電話で「チャーリーズ・エンジェル」や「スパイ大作戦」を真似たりとお茶目な人物。「エンジェル諸君」が口癖。ルイーゼが唯一苦手としている男でもある。『怪盗クイーンに月の砂漠を』の最後で消息不明となったクイーンとジョーカーが生きていることを知っていた。電話の会話でしか登場しないがまるでその場を見ているかのような発言をする。非常に性格が悪いと評判。
現在、ケニアで行方不明中。
ルイーゼ
ヴォルフの上司である女性。探偵卿たちのお目付け役で上層部からの指令を伝える中間管理職。すでに「おばさん」といえる年齢のようだが、本人は認めていない(おばさんと言われると爆発するような殺気を放ち、その殺気には皇帝もおびえるほどだった)。ヤウズを気づかないうちに捕らえたり、ヴォルフを軽く手なずけるなどその強さがうかがえる。現役の探偵卿時代はやることにぬかりのないことから「伏兵(ヒンターハルト)」の異名の持ち主で、現在でもその腕は落ちておらずクイーンの変装も複数回見破っている。唯一苦手な人物は上司であるM。
Mic(ミック)
日本人で綿毛のような髪が特徴。ICPO暗殺部門所属の、自称「美しき暗殺者」。本名は権田原太造だが、本人はこの名で呼ばれることを嫌っている。
また、「Mic」という名にもプライドを持っており、「ミック」や「mic」と呼ばれるとどうしても納得できず、ものすごい迫力で復唱を迫る(その迫力は、皇帝も目の光を失うほどだった)。元暗殺臣[2]。同作者のモナミシリーズにも登場。

探偵卿編集

『怪盗クイーンの優雅な休暇』から登場。ICPOの探偵卿局に所属している探偵卿。特に推理力が必要とされる事件の捜査に乗り出す。世界で13人しか認められておらず、現職の探偵卿が定年退職したり殉職した場合は助手が探偵卿に昇格する他、ICPOが新しい人材をスカウトした場合は現役の探偵卿が解雇される仕組みとなっている。クイーンも優秀と称しているが、世間からは奇人・変人の集まりや万国びっくりショーだと思われている。

ジオット・メイズ・ウインドミル
『怪盗クイーンの優雅な休暇』で初登場。イギリス人。観察力、洞察力、推理力のすべてに優れながらも、そのどこかずれている性格故に「調子っ外れ(ホンキートンク)」の異名を持っている。その性格から助手である冥美から殺意をもたれているが、まったく気づいていない。クイーンが変装したアンジェリク・フォン・ペリゴール伯爵夫人に(一方的に)恋したこともある。『怪盗クイーン 魔界の陰陽師』時点では退職している。
冥美(めいび)
『怪盗クイーンの優雅な休暇』で初登場。ジオットの秘書で、探偵卿見習い。『怪盗クイーンの優雅な休暇』時は15歳。東洋人の父と西洋人の母をもつハーフ。色白で、髪は黒くて短く、小柄な少女。たまに小学生に間違えられる。頭が良く飛び級して13歳で大学を卒業している。ICPOが自分をジオットの助手にしたのは、彼のような探偵卿にさせないため(反面教師)と考えている。ジオットのわがままさなどに少し殺意を覚えており、もしジオットが殺されたら犯人は自分だろうと考えている。『怪盗クイーン 魔界の陰陽師』時点では探偵卿に昇格しており、『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』時点では最近売り出し中とのこと。
ヴォルフ・ミブ
『怪盗クイーンと魔窟王の対決』で初登場。ドイツ人。『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』時点で29歳。探偵卿の中では武闘派として異端視される。金髪のオールバック(『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』で銀髪と判明)、狼の様に鋭い目、常に白いロングコートを着ているのが特徴。武器は長刀とロングコートの裾に仕込んだ刃。ぶっきらぼうだが、ルイーゼには全く頭が上がらない。ゴキブリが苦手である。
戦闘能力は高くジョーカーと張り合える程。ジーモン辺境伯への攻撃方法のヒントを皇帝に教えてもらった際は、一瞬だけ皇帝のことを「師匠」と呼びたくなったと発言している。軽薄な人間が苦手で、仙太郎とコンビを組む時は吐き気がするらしいが、周りからは「いいコンビ」だと思われている。
以前は「斑屋事件」で関西弁を喋る女性からもらった長刀を使っていたが、ジョーカーとの戦闘で壊れた為、現在は別の刀を使っている(「斑屋事件」については、『都会のトム&ソーヤ』第四巻で少しだけ触れられている)。
ドライ・ドラッヘンのローテと両思いだが二人とも不器用なためなかなか進展しない。しかし浮気をしたとローテに勘違いされた時は彼女に半殺しにされた。「ケニアの大地に立つ」ではマライカと恋愛関係にあると勘違いされ、大嫌いというメールが送られてきており、かなりショックを受けていた。
マンダリン・アタッシュ
『オリエント急行とパンドラの匣』で初登場。フランス人。『オリエント急行とパンドラの匣』時点では45歳。細かい事実を一つ一つ集め、そこから推理を組み立てることから「つぎはぎ(パッチワーク)」の異名の持ち主。専門は密輸犯罪。探偵卿としての能力は高く、静かな動作で場の混乱を収められるほど。日本人の妻と結婚していたため、日本語を解する。
家庭を顧みなかったがゆえに妻子が自分の元から離れていったが、家族への愛情は変わらず持ち続けている。陰気な性格だが、『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で再登場した際には、妻子とよりを戻したせいか打って変わって明るい一面を見せた。
お礼はきちんと言う性格をしている。
花菱仙太郎(はなびし せんたろう)
『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』で初登場。日本人。『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』時点で24歳。茶髪にピアスなど、今時の若者風な格好をしている男。頭脳派で真剣に推理を始めると瞳の色が銀色に変わることから「ダブルフェイス」の異名の持ち主(本人は瞳の色の変化には気づいていない。また、推理の最中などに瞳の色が元に戻った場合は、その推理が間違っていることを意味する)。武闘派のヴォルフとコンビを組むことが多い。モーリッツ教授達とピラミッドキャップの謎を解明した。
普段はチャラ男で、探偵卿以外にもコンビニのバイト(エジプトではピザハットでも働いていた)をよくやっているが、その才能は卓越していて彼の勤めた店は1週間後から売り上げが急上昇する。20歳の時にスカウトされたが、その時ICPOには苦情が殺到したらしい。外見や言動は頼りないが、基本的に頭の回転は速く柔軟な発想も出来、機転を利かせる場面もある。
将来の夢は「コンビニ王」であり、探偵卿としての自覚は全くなく、探偵卿の方がバイト感覚になってしまっている。よく「自分探しの旅」に出る為応急手当の心得がある。また銀行口座を作っていないのでルイーゼからの給料が遅いことに少し反感を抱いている(立て替えてほしいと言う気持ちもある)。
アンゲルス
『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』で初登場。ギリシャ人の青年で顔立ちは整っている。年齢は非公表だが20歳前後と推測される。素晴らしい推理力を持つ電子工学の天才だが、ふだんはヘイトのエンド地区にあるアパートにひきこもっており、めったに外出することはない[3](本人曰く、「現実は敵」)。インターネットゲーム(特に美少女ゲーム)やアニメが大好きで、オンライン上では友人が多い模様。探偵卿の仕事のみならず日常生活の世話もほぼ全てマガに任せている。
マサチューセッツ工科大学に入学したものの、エネルギッシュな学生たちとの人間関係が煩わしくなり一か月で中退。その間に迷宮入りしかけた殺人事件を2件解決し、ICPOの目にとまった。しかし本人は仕事をする気がなく、ルイーゼに「自分の代わりに働いてくれるものをつくってみない?」と言われ、人工知能マガを開発した。マガ曰く「ニート引きこもり探偵卿」または「生ける屍」。
マガ
『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』で初登場。探偵卿の仕事を拒むアンゲルスが開発した人工知能。アンゲルスに代わり探偵卿の仕事を遂行している。人格と仮想アバターは派手な衣装をまとった若い女性を模しており、性格はやや高飛車で勝ち気。「宇宙一の人工知能」を自称しており、その性能はRDに匹敵するほど高い。8体の分身を作ることで、耐久性と引き換えに処理速度が81倍になる拡張システムが備えられている。
ウァドエバー
『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で初登場。年齢、出身地不明。ICPOに逮捕され、その後探偵卿になったと噂されている。本質的に犯罪者であるため、多くの犯罪者を逮捕することに貢献しているが、一方で違法行為の犯罪捜査を平然と行うために彼自身が捜査に乗り出すことはあまりない。莫大な財産の持ち主で事件の際に払う捜査費用はすべて彼のポケットマネーである。
怪盗クイーンの能力を「エッグ」と呼ばれる宝でコピーしている。フィニス・パクトゥンの起こった街で生まれ、10代前後まで育った。父親と母親は死んでおり、三人兄弟で一番上の姉は行方不明になり、弟は死んでいる。
パイカル
『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で初登場。ウァドエバーの助手。飛び級制度を使って15歳で大学を卒業したため、「スキップ」の異名を持つ。探偵卿になることを目指している。
ウァドエバーのことを尊敬しており、彼の邪魔はしないと決めている。ウァドエバーの変装を一目見ただけで見破った。
マライカ・ワ・キバキ
『怪盗クイーン ケニアの大地に立つ』で初登場。ケニア人の女性。年齢は28歳。「マライカ」はスワヒリ語で「天使」の意味。ハーバード大学を卒業後にICPOへと入り、すぐに探偵卿へと昇格した。マサイ族の戦士である祖父を持っている。野生の勘で犯人を見つけ、後付けで推理を考える手法をとっている。
普段は地元の小学校で教師を務めており、子どもたちの幸せな未来を願っているが、子どもたちからは「シェタニ」(スワヒリ語で「悪魔」の意味)と呼ばれている。暴力を嫌っているが、戦闘能力はヴォルフが冷や汗を流すほど高い。
ラロ
『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』で言及された、探偵卿の中で最も優秀なスペインの探偵卿。
イザド
『怪盗クイーン ニースの休日』で初登場。性別・国籍不明の探偵卿。手作り感のある特撮ヒーローのコスチュームを着た人物。探偵卿の中で誰よりも正義を愛しているが、その方向性に問題がある。
ネア
『怪盗クイーン アナミナティの祝祭 前後編』で登場。本名はネア・ブラディーボ・ヴァロア。モナコに住む探偵卿で三十代後半の男性。ヴァロア家の末裔で莫大な富があり上流社会にも繋がりがある。性格は自信家で不遜な言動が目立つ「イヤなやつ」で、クイーンと似た所がある。常に退屈しているようで、探偵卿の仕事でも一度に二つ以上の指令が無ければ動かない。異名は「アヴィディテ」(貪欲)。執事のシドに全幅の信頼を置いている。
シド
ネアの執事を務める青年。二十代前半。本名はシド・マイティ・ゼン。口調は常に丁寧でネアにも忠実に仕えているが、主人の性格に難があることも理解している。執事としての能力は非常に高く、ネアが言いつける前に様々な手配を済ませておいたり、F1レースの運転をこなすことも出来る。戦闘力も極めて高く、ネアとクイーンの鬼ごっこの際は、ジョーカーと対峙し彼を圧倒するが、崖から落下しかけた所を半ば無意識のジョーカーに救われた。

日本警察編集

上越警部(じょうえつけいぶ)
中年太りで、愛想の良い警部。ウィンクが苦手。二人の息子を持つ。日本での怪盗クイーンの事件をよく担当するが、失敗続きである。
岩清水慎太郎(いわしみず しんたろう)
刑事。若くて痩せていて、アルマーニのスーツをビシッと着た姿は刑事というよりモデル。なにかと発砲したがる。日本での怪盗クイーンの事件をよく担当するが、上越警部同様失敗続きである。『怪盗クイーンはサーカスがお好き』では、ジョーカーが彼に変装した事もある。また、その際にトルバドゥールでおでんを食べさせてもらったりとRDに世話になった。この時のことは、後に岩崎三姉妹(名探偵夢水清志郎事件ノート参照)に、「怪盗クイーンの隠れ家から脱出した刑事だ。」と語った。

中国奥地編集

皇帝の終の棲家がある場所。地元である里の者も決して入ろうとせず、空気も薄く動物すら近寄らない秘境とも云われる険しい山の奥。クイーンは昔ここで5年間修行した。とある麓の住民はこの山には鬼が住んでいるといっている。

皇帝(アンプルール)
クイーンの師匠。現在は引退したがかつては伝説の大怪盗と称された。刃物を使わずに物を切断する事ができ、「風(ヴァン)」の異名を持つ。宇宙一強いと自称するだけあって、誰も倒せない。容姿はとても小柄な老人で、身長は140cmほど。普段は鮮やかな蛍光色のタンクトップ&短パンという服装である。趣味はレンタルビデオ鑑賞で、レンタル料を取られるくらいなら死んだ方がマシだと思うほどがめつい。本人曰くあと300年は生きるらしい(現在推定170歳以上)。クイーン、ヤウズ曰く、人間ではなく宇宙人。
あまり他人の怒りを考えず自己中心な行動の多さや能天気な性格、さらにだらしなさ(怪盗の美学に関しては例外)などから、クイーン以上に多くの世界中の組織や人から恨みを買っている。また、現在の弟子(ヤウズは弟子と認めていない)・ヤウズもその人使いの荒さと自分勝手さなどにより、元弟子であるクイーン同様、殺意を抱かれている。さらに、クイーンに「遊び心」や「怪盗の美学」を教えた張本人であることから、ジョーカーとRDにも間接的な殺意を抱かれている。しかし、本人はそれらの事を「自分は誤解されやすい人間だから」と煙に巻いた。
鳩のポッポは皇帝が唯一頭を下げる生き物であり、友達でもある。クイーンは基本的に彼を嫌っているが、妙なところでは仲良くなる。
あらゆる学問に秀でており、トルバドゥールの設計図をかいたのも彼である。若いころに「ムラサメブラザーズ」と言う人物に出会って「毒物に対するコツ」を教えてもらったため(クイーンも同じ人物に教えてもらったらしい)、クイーンに9回毒を盛られても無事であった。変装術にも長けており、関節を外して身長180cm程の美男子(若作りver)にもなれる。
『出逢い』で初登場。一度引退した身ではあったが『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』でクイーン達にピラミッドキャップを盗ませないため、ICPOの協力要請を受けてヤウズと共に仮面舞踏会に参加。しかしピラミッドキャップはモーリッツ教授たちに奪われてしまった。『怪盗クイーンに月の砂漠を』ではピラミッドキャップの暴走を止めるため自称「正義の味方」(キャメルマン)として奮闘した後、ガルユーンの洞窟で致命傷を負うもののヤウズの応急処置で助かった。
ヤウズ
本人は認めていないが皇帝の弟子であり兼料理当番である15歳位の少年。長髪をオレンジ色の紐で後ろで一つにくくっている。前髪のみ黄色に染めている。
幼少期はスタと呼ばれる女性やその他の子供達と暮らしていたが、その後ジョーカーと同じ謎の収容所に身を置き「T-13」という実験体番号で呼ばれた。なお、本人はそう呼ばれるのを嫌がっている。自ら戦いを求める自分に疑問を抱き、収容所から脱走した。収容所で身につけた殺人技術により様々な人に雇われながら暮らすものの、自分の戦闘本能を満たすために気に入らない雇い主を倒すことも多々あった。その後、ジェラールとジャンダンに雇われ、ヤウズと言う名前を付けられた。意味は「冷酷な者」。
『オリエント急行とパンドラの匣』で初登場。主人のジェラール達とオリエント急行に同乗。ジョーカーに戦いを挑むが完敗する。この時から先輩としてジョーカーに憧れを抱くことになる。その後自ら山中に降ろしてもらい、現在は皇帝の下で料理当番(皇帝曰く弟子)として暮らしている。ジョーカーと違い笑うことはできる。
再登場時は、ルイーゼにドイツのプロのシェフ並みと称されるほどの料理の腕前を持つこと、また自分の戦闘本能故に他人を傷つけることを恐れ、人となるべく関わり合いを持たないように生きようとしている(皇帝のことは倒せない上に人間と思っていない)事が判明。以前の暗く冷酷なものより、律儀で飄々とした性格へ少し変化している。しかしエレオノーレに好意を持たれたり、それ故エレオノーレの好きなゲルブからはライバル視されたりするなど人とのつながりに戸惑いつつも、同世代との交流に自分でも気付いていない心地よさを感じているようである。

セブン・リング・サーカス編集

『怪盗クイーンはサーカスがお好き』に登場。一流の芸を持つ団員が揃うサーカス団。しかしその特殊技能を生かして政府の為に動くこともある。団員が使用する道具の一部には、政府機関が開発に関わっている。

ホワイトフェイス
サーカス団の団長。客を笑わせることが出来る一流のピエロだが、長い間芸はしていない。常にピエロのメイクをしており素顔は不明。
シャモン斉藤(さいとう)
催眠術師。サングラスを掛けた男性。団の中では古株。
シルバーキャット瞳(ひとみ)
軽業師。気の強い女性。宙に吊られたポールやワイヤーの上を自由自在に動くことが出来る。
ジョー・セサミ
鍵師。どんな金庫の鍵でも開けることが出来る。
スタイリー井上(いのうえ)
竹馬男。靴底から竹馬を伸ばす。竹馬を出した状態で宙返りが出来る等身体能力が高い。
プリズムプリズム
マジシャン。
ビースト
猛獣使いの少女。団の猛獣のみならず猫や犬も操ることが出来る。
ジャン・ポール
怪力を誇る大男。口数は少ない。高所から飛び降りるシルバーキャット瞳を受け止める等、軽業の補助もしている。
ロケットマン
大砲を使い自らや他の団員を打ち出す。精度は非常に高い。
おばば
占い師。水晶玉で未来を見る。
大石くん
サーカス団のスタッフ。


初楼編集

『怪盗クイーンの優雅な休暇』『怪盗クイーン外伝 初楼 ―前史―』に登場。7人の伝説の暗殺者集団。元々全員、ラスベガスの外れにあるオーバーハング・ストリート(人に言えない過去を持った人、社会から捨てられたような人が住む)という小さな通りに住んでいた。10年前クイーンによって組織は壊滅した。

緋仔(ひこ)
初楼のリーダー。端整な顔立ちで長髪の青年。オーバーハング・ストリートの教会に捨てられていた所を、シスターに育てられる。育てられながらシスターに殺人技術を仕込まれ、感情を持たず、痛みも恐怖も感じない殺人機械になった。10代半ばにして初楼の他のメンバーを、そのメンバーの得意技で上回る強さを持っていた。クイーン同様刃物を使わずに物を切断できる。シスター曰く、人類史上最高の美しい暗殺者。
20歳前後でクイーンと対決して敗れる。敗れた事で強い精神的ショックを受け、シスター曰く「生ける屍」と化し、2年後に交通事故で死亡。本編には登場しない。
ロシとロク
初楼の一員。シンガポール出身の夫婦。体術は緋仔に次ぐ実力で、全ての技においてジョーカーより0.02〜0.17秒速い。漫才を披露する時は身体におもりを付けていた。二人は小さい時から琉球古武道や古流柔術などの様々な体術を身につけた。そして日本の大阪で”ドツキアイ漫才”に出会い、自分達の体術に取り入れた。そのため「BATTLE MANZAI ロシ&ロク」という異名を持つ。二人にとって漫才は命だが、プロモーターや客と乱闘騒ぎを起こしてばかりで漫才ができる場を失い、オーバーハング・ストリートに流れ着いた。二人曰く、英語圏の国で自分達が仕事のできる国はない。
『怪盗クイーンの優雅な休暇』時、ロシ(夫)は36歳でロク(妻)は32歳。本文での口調は二人とも関西弁。ロイヤルサッチモ号が出港する時に甲板でクイーンを襲撃したが、見送りのテープを利用したクイーンに敗れた。
ズユ
初楼の一員。「幻術師ズユ」という異名をもつ黒髪の女性。その実力は相手の精神を破壊できる程。ズユは自分の存在そのもので相手に術をかけるので、相手はズユの存在を認識した段階で術にかかり、自ら死を選ぶ。
オーバーハング・ストリートでは診療所を営んでいた。しかし医師免許は持っていない。金持ちには法外な診療費を要求する一方、貧しい者の治療も行っていた。
ロシア生まれ。年齢は不明。ズユの年齢を調べようとして、「女性の年齢を調べるなんて、万死に値するわ」と殺された人間は山のようにいる。ズユ曰く、自分の素顔を見て生き残っている人はいない。
客船内の海賊展でクイーンに術をかけようとしたが失敗した。
クラサ
初楼の一員。インターナショナル・バーテンダーコンテストで7年連続優勝した事もある一流のバーテンダー。その一方で如意珠の達人。如意珠とは、小石や鉄球を指で弾く技で、達人が弾く如意珠は拳銃とくらべて初速も破壊力もすべて上回り銃声がしない。そのため弾丸の形に削った氷を使えば殺人の証拠は残らない。
世界一のバーテンダーの元で修業していた時、師匠に手慰みとして教わりその魅力に取りつかれた。そして如意珠の腕を磨き、自分の如意珠が世界一速い事を証明するために様々な人と戦う内にいつの間にか「消音器(サイレンサー)クラサ」という異名がつく。オーバーハング・ストリートでは小さなバーを営んでいた。
『怪盗クイーンの優雅な休暇』時で、65歳。客船内のバーでクイーンに改めて勝負を挑んだが、氷の如意珠をクイーンにカードで砕かれ敗北を悟った。勝負後クイーンにカクテルを振る舞った。
茶魔(ちゃま)
初楼の一員。全身筋肉のかたまりのような男。声は太くてかん高く、一人称は「あちし」。バチン!と音のでそうなウインクをし、投げキッスは人を倒すほどの威力を持つ。毒を仕込んだ口紅をつけており、標的を抱きしめて口づけをする事で暗殺する。この技は「死の抱擁」とよばれ、「あらゆる意味で」恐ろしい。
元々オーバーハング・ストリートを買い取ろうとした新興マフィアの依頼を受けた組織で、ホッズ率いる第四部隊の一員だったが、緋仔との戦いに敗れ他のメンバーの仲間になった。
茶魔曰く、自分に勝てるのは美しい者だけ。客船内のジムでトレーニングをしていたクイーンの前に現れ、服を脱ぎ捨ててクイーンに美しさの勝負を挑む。クイーンは10年前も『怪盗クイーンの優雅な休暇』でも悲鳴を上げて他者に茶魔を取り押さえて助けてもらう事で対処している。クイーン曰く、「精神的に最も疲れる戦い」。
ズキア
初楼の一員。イタリア人の男性。元々は一流のマジシャンだったが、ステージで事故を起こし多くの子供達を死なせてしまったことでオーバーハング・ストリートに来る。このことはトラウマになっている様子。ズキアはギャンブルに勝つ事で相手を破産に追い込み、相手は自ら死を選ぶ。本人は「賭け師(ギャンブラー)」や「A(エース)のズキア」と名乗っているが、誰もそう呼ばず「イカサマ師」と呼ばれている。ズキア曰く、ばれなければイカサマではない。実際、ばれたのはクイーンとの勝負だけである。
究極のポーカーフェイスの持ち主であり、その理由の一つは痛覚が麻痺しているからである(ナイフがお腹に刺さっても笑顔でいることができる)。
『怪盗クイーンの優雅な休暇』時で、40歳。客船内のカジノでルーレットの大当たりを引き当てたイルマに声を掛け、その後彼女にディーラーをさせてクイーンと勝負するが、クイーンが一枚上手のイカサマを仕掛けたことで敗れた。
シスター
本名不明。緋仔の育ての母親。見かけは小柄でやさしそうな老婦人だが、身についた殺人技術はかなりのもの。毛糸を自在に操り物を切断出来る。
戦場で生まれ育ち、幼い時から生き残るために何人もの人を殺してきた。やがて停戦協定が結ばれたが、平和な時間を知らなかったシスターは戸惑い、神に教えてもらうために修道女(シスター)になる。しかし神は答えてくれず、そんな時に教会に捨てられていた赤ん坊(緋仔)を拾う。シスターには赤ん坊が神からの贈り物に思われ、自分の人生を否定したくなかった為に、赤ん坊に自分の知っている殺人技術を全て教えた。シスター曰く緋仔は息子であり、自分のつくりあげた最高の芸術品。緋仔を(シスター曰く)「殺した」クイーンを激しく憎む。
『怪盗クイーンの優雅な休暇』では、クイーンを殺そうとジョーカーを人質に取ってクイーンを呼び出し勝負を挑むが敗れる。その際クイーンが「生きがいを与える」為に大切にしていた緋仔の写真を切断したが、却って殺意を強め必ずクイーンを殺すと改めて決意した。

ホテルベルリン編集

『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』『怪盗クイーンに月の砂漠を』『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』『怪盗クイーンと魔界の陰陽師』で登場。第二次世界大戦中に影でナチスに抵抗するために組織されたドイツマフィア。それ故その行動は派手に表立ってはいけないものとされるが、総帥が望めば48時間以内に世界を滅ぼせるほどの力を持つ。皇帝(前述)とは因縁があるが『怪盗クイーン、月の砂漠にて』で、皇帝が過去を変えたため、現在は彼を敬う関係になっている。上位の命令を忠実に守るのが鉄の掟であり、守れないのであれば死が与えられる。また組織員ではないが情報収集や他国で活動する場合などに協力する、グラースという様々な民間人がおり、日本にもいる様子。グラースからは夕飯のおかずを分けてもらえる時がある。

インゴマル・シュミット
ホテルベルリンの初代総帥。皇帝や自分の仲間達と一緒にピラミッドキャップを盗み出した。戦争を止めるためにピラミッドキャップの力を使ったが、皇帝に止められたため、これが皇帝がホテルベルリンの敵とされる原因となった。ピラミッドキャップの力で大量発生した砂に呑まれ妻(ディアーナ・シュミット)が死亡した。そのため死ぬ間際に皇帝にピラミッドキャップを封印するよう頼んだ。
皇帝とヤウズがガルユーンに入り過去を変えたため、ピラミッドキャップを使わずに済んだ事になっている。また皇帝はホテルベルリンに敬われる存在に変わった。
ゼルマル・シュミット
ホテルベルリンの三代目総帥。娘であるエレオノーレを「ホテルベルリンの呪いから解放してくれ」とシュテラに告げた。本編時は既に病死している。
エレオノーレ・シュミット
ホテルベルリンの四代目総帥。16歳の少女。色白の肌に黄金色の長い髪を持つ。本文中に青い目と書かれているが、『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』の表紙絵では緑色をしている。優しく純粋な性格であり、あべこべ城で足を捻挫した際助けてくれたヤウズに恋をする。一方でホテルベルリンの敵とされる皇帝の暗殺を画策してホテルベルリンを動かしたり、自身に血なまぐさい世界を見せまいとするシュテラの様子を察しつつ、自分自身の手によって皇帝を暗殺しようとする等総帥らしい部分も見られる。
学校に通っていないが「普通の女の子のような」経験に憧れているらしく、ドラマやティーン雑誌にも触れている。しかしヤウズを追いかけるためにエジプトへと飛ぶなど、普通の女の子ならばしないであろう大胆な行動をする。ドライ・ドラッヘンのゲルブに好意を寄せられているが、本人は全く気づいていない。
シュテラ
常にエレオノーレの傍につきそっている笑顔の美しい女性。白い肌に長い黒髪をもち、常に黒いドレスを身に纏い、黒い口紅を塗っているホテルベルリンの最高幹部。ドライドラッヘンの三人からは恐れられている。
ゼルマル・シュミットの最期の言葉である命令を忠実に守っており、エレオノーレがいつでも笑顔でいられるためならどんなこともする。『怪盗クイーン 仮面舞踏会にて』では、エレオノーレの手を汚さずに皇帝抹殺の望みを叶えるため、仮面舞踏会での皇帝暗殺を実行しようとしたが、あべこべ城が崩壊したことにより失敗した。
女性である等の理由で(自分の身を心配されているとはいえ)自分を見くびるような発言をした相手には、凄まじい殺気を放つ。重火器の扱いに非常に長けており、どんな相手と渡り合っても余裕を失わないクイーンも苦戦した。

ドライ・ドラッヘン編集

ドライ・ドラッヘンとはドイツ語で「三匹の龍」という意味で、ホテルベルリンの最高幹部である。全員卓越した能力を持ち、3人だけでイタリアマフィアを内部抗争に見せかけて壊滅させることもできる。この三人の名前はドイツの国旗の色が由来する。

シュヴァルツ
スーツをきっちり着込んだ、黒髪で長身の男性。ドライ・ドラッヘンのリーダー格。命令厳守の筋金入りの兵士。聖書を常に携帯している。自分達が戦うのは自分の意志ではなくあくまで命令によるものであり、それが出来なくなったら自分はただの殺人者になって神に救われないと思っている。クイーンと皇帝いわく「戦っても面白くない相手」らしい。「そこら辺にあるもの」を武器に戦い、実力は極めて高い。「悪魔の錬金術師」では、クイーンに変装され、満面の笑みでピースサインをしている写真をゲルブに撮られたショックで、ゲルブのスマートホンを壊してしまった。最高幹部のシュテラに恋心を抱いている。名前の意味はドイツ語で「黒」。
ローテ
ドライ・ドラッヘン唯一の女性。赤い髪を短くし黒い背広を着ているため、女性には見えにくい。手袋からギリシャ火薬と水分を使って火炎を放ち、それを操る火炎使いである。『ピラミッドキャップの謎 前後編』を経て、探偵卿であるヴォルフと互いに好意を持っているが、二人とも不器用なためなかなか進展しない。ただ『かぐや姫は夢を見る』でヴォルフが嫁取りレースの参加者になっていたのを知った際は、帰国した彼に大火傷を負わせたようである。名前の意味はドイツ語で「赤」。
ゲルブ
ドライ・ドラッヘンの最年少で14歳の少年。ゲルブに勝てる者はヨーロッパにいないと言われるほどの狙撃の名手で、本人曰く、条件さえ整えば1km先の針の穴とて命中できるとのこと。狙撃は昔世話になった老兵に教わっており、森の中では動物にも気付かれない程に気配を消すことが出来る。『ピラミッドキャップの謎 後編』ではその腕前でピラミッドキャップを封印するのに一役買った。総帥エレオノーレに好意を持っており、エレオノーレが好意を抱いているヤウズにライバル意識を燃やしている(しかし、『怪盗クイーンに月の砂漠を』では、ヤウズをエレオノーレの為にという理由で助け出した)。エレオノーレの誕生日プレゼントを買う為、深夜の郵便局でバイトをしている。仲間にはバイトをしていることや理由は述べていないが、グラースの情報提供もあってばれている。名前の意味はドイツ語で「黄色」。

謎の収容所編集

地図には載っていない。実際はヨーロッパとアジアを隔てる山の中にある。 目的が不明の厳しい訓練を少年達に課している。収容所の目的を知るのは上層部のごく一部の人間とのこと。T、B、D、Iの4つの部隊があり、子供は約300人。職員は約40人が働いている。『怪盗クイーン モナコの決戦』でのシドの話によれば、30人程の謎の部隊に襲撃され、数人の子供を残して潰されたとのこと。

T部隊編集

T
スキンヘッドに黒メガネの男性である。顔に実の息子につけられた傷がある。収容所上層部の人間。
T-25
ジョーカーの友達。
本名は不明。北方の生まれ。年齢は明記されていないが、ジョーカーより1、2歳年上に見えるという記述がある。外見は浅黒い肌色であること、ジョーカーより背が高いこと以外には記述がない。
親に売られ収容所に来た。両親の記憶がないジョーカーに対し、「親の記憶があったら親を恨むことになる」と語るが、その後、自分が売られたことで自分も家族も飢えずに済んだことを「ほんとうは感謝している」と語った。一番古い記憶は椰子の木の木陰に寝かされているところ。
ジョーカーに勝るかなり高度な戦闘技術・能力を持っていた。しかし、勝ち残りゲームでわざと早々負けるなど、収容所の訓練に対して闘争心がない。ジョーカーと戦った際、ジョーカーは殺意をもって攻撃を仕掛けていたが、T―25は「友達とは戦わない」という信念を持っていた。ジョーカーは『信じるもの』を持っている彼に根本的な敗北を悟る。その後は収容所を脱走すると言ったジョーカーに、両耳に付けていたピアスの片方を贈った。そのピアスは「生まれたときにつけ、村を出て友達に出会ったら片方を贈る」という、出身の村の風習に基づいた「友達のあかし」である。
その後、「怪盗クイーン ニースの休日」で、探偵卿ネアの執事・シドとして再登場。ジョーカーと死闘を繰り広げ圧倒するが、崖から落下しかけた所を半ば無意識のジョーカーに助けられた。
『出逢い+1(プラスワン)』 【おもしろい話が読みたい! 白虎編に収録】登場
T-28
ジョーカー
T-13
ヤウズ
収容所内では抜群の戦闘能力を誇っていたが、『戦闘意欲の高さ』も持っていたため、収容所が自分にそぐわないと感じ脱走。
ジョーカー、T-25(シド)の後輩に当たるらしく、ジョーカーのことは「先輩」と呼んでいる。同じT部隊所属だが、所属していた時期は重なっていないようで、収容所で一緒に過ごしたことはない模様。しかし、ヤウズはジョーカーを一目見たときに直感で収容所出身の人間だと感づいた。

その他編集

<>内は登場巻

イルマ・クレメ・デ・オルロフ
<『怪盗クイーンの優雅な休暇』>
グーコ王国と言うカリブ海に浮かぶ小国の褐色の肌を持った小柄な王女。島民のカンパでマサチューセッツ工科大学(MIT)に留学していた為機械の扱いに長けており、爆弾の処理なども行うことが出来るが、化粧品のビンに火薬を入れて船内に持ち運ぶなど物騒な行動をとる。
怪盗の美学をクイーンから教わったが、ジョーカー曰く「みょうな怪盗が生まれた」とのこと。クイーン曰く「ジョーカーくんのかわいいガールフレンド」であるがジョーカー自身は認めていない。(『怪盗クイーンと魔窟王の対決』の最後にクイーンが、グーコ王国のことを少々話すシーンがある)
パシフィスト・ドゥ・ルーベ
<『怪盗クイーンと魔窟王の対決』>
クイーンの知り合いで、遺跡荒らし(トレジャーハンター)を職とする女性。本人曰く「考古学者」であるが、「見つけた遺跡を隠す」など、遺跡荒らしまがいの事をしている。長身で華美な服装を好む。年齢は『怪盗クイーンと魔窟王の対決』の時点で35歳。クイーンが友達扱いしない数少ない1人。
『オリエント急行とパンドラの匣』で再登場。パンドラの匣を最終的にRDから受け取ったとされる。
王嘉楽(ウォンカーロツ)
<『怪盗クイーンと魔窟王の対決』>
四龍島を支配する男性で半月石(ハーフムーン)の所有者。七十代の筈だが非常に若々しい外見をしている。
小牙(シュガ)
<『怪盗クイーンと魔窟王の対決』>
四龍島で生まれ育った少年。閉ざされた島から出ることを願っている。ジョーカーの幼い頃の中国服をプレゼントされた。
ボタン・フジ・アタッシュ/藤 牡丹(ふじ ぼたん)
<『オリエント急行とパンドラの匣』>
マンダリンとこはぜの一人娘。フランス人だが日本語も解する。地毛は金髪だが黒く染めると青い目に気づかなければ東洋人に見える。
母こはぜが家を出て行った際はマンダリンの元に残ったが、やがて愛想を尽かし、こはぜのところへ行くためにオリエント急行に乗り込んだ。「シルクハットを被った人を100人見ると運命の人に会える(但し紫の蝶ネクタイをしていたら最初から数え直し)」というおまじないを信じている。護身用として、こはぜから渡された短刀を携帯している。見た目によらず大食い。
藤 こはぜ(ふじ こはぜ)
<『オリエント急行とパンドラの匣』>
マンダリンの妻。家庭を顧みないマンダリンに嫌気が差し、家を出て行った。ボタン同様、短刀を携帯している。
ジャック
<『オリエント急行とパンドラの匣』>
地中海に浮かぶ島に住む少年。探偵卿になることを目指しており本土の学校に通いたいと思っている。父ジャックの勧めで、黒のシルクハットにタキシード、紫の蝶ネクタイという出で立ちでオリエント急行に乗り、ボタンと出会う。
ビル
<『オリエント急行とパンドラの匣』>
ジャックの父親。妻のロッサはジャックの出産直後に亡くなっている。「海賊の美学」を持っている。
かつては「ビッグ・フック・ビル」と呼ばれた地中海の海賊だったが、ジャックの誕生を機に陸に上がった。マンダリンとは、海賊時代にパンドラの匣を巡って因縁がある。
ジェラール/ジャンダン
<『オリエント急行とパンドラの匣』>
犯罪組織『黒猫(アートルム・フェーレース)』の長。莫大な財産を持ちトルコの政財界に影響力を持つ双子の兄妹。犯罪計画は兄のジェラールが立てる。護衛としてヤウズを雇っていた。
モーリッツ教授
<『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』><『怪盗クイーンに月の砂漠を』>
ドイツ考古学研究所の考古学者。五十代の小柄な男性。助手のレナーテと行動を共にしている。ピラミッドキャップの研究に命を懸けており、研究の為なら周囲の人間や環境がどうなろうと構わないと考えている。「神の目」を持ち古代の風景を見ることが出来、その際の台詞は「見える、見えるぞ!」。しかし、話に熱が入り過ぎて暴走することもあり、その際はレナーテに謎の注射を打たれている。初登場以降も、クイーンの獲物に関する講義という形で他の巻に登場している。
レナーテ
<『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』><『怪盗クイーンに月の砂漠を』>
モーリッツ教授の助手。「考古学会のビジュアルクイーン」と言われる程の美人。教授のことを常に冷静に観察しており、彼が暴走した際は、バッグに入れている謎の注射で大人しくさせている。
春咲 華代(はるさき かよ)
<『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』>
竹鳥村で宮造と共に暮らす和装の美女で、その顔立ちはジョーカーやRDがクイーンではないかと疑う程。頭に包帯を巻いており記憶を失っている。物静かだが激しい殺気を放つこともある。実は実際の華代は21歳で交通事故に遭い死んでおり、彼女の正体は謎に包まれている。
春咲 宮造(はるさき みやぞう)
<『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』>
竹鳥村で華代と共に暮らす老人。
遊佐 三郎(ゆさ さぶろう)
<『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』>
小太りの天文学者。38歳。竹鳥村に落ちた隕石の調査に来た。華代の花婿候補に名乗りを上げた一人。
駒井 猛(こまい たけし)
<『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』>
弁天グループの若社長。華代の花婿候補に名乗りを上げた一人。
多聞(たもん)
<『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』>
華代の幼馴染みだった青年。少々気の小さい所がある。華代の花婿候補に名乗りを上げた一人。
影郎(かげろう)
<『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』>
暗殺臣の一族の一人。クイーンのことを「朧」と呼び抹殺を企む。
ライヒ/ルイヒ
<『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』> <『怪盗クイーンと魔界の陰陽師』>
悪魔の錬金術師によって作られた人造人間の兄妹。妹ライヒの見た目は14歳くらいの女の子で、兄ルイヒは14歳くらいの男の子。ライヒは良心の塊だが、ルイヒは悪魔のような心の持ち主。
フッくん
<『怪盗クイーンと魔界の陰陽師』>
自称「泰山の神様」。皇帝の古い友人。見た目は十歳前後の少年の姿だが影を持たない。現実世界と異世界を自由に行き来することが出来、ヤウズをジョーカーの魂の世界へ連れて行った。アイドルの「愛NYAN」の大ファン。
田中那由多(たなか なゆた)
<『怪盗クイーンと魔界の陰陽師』>
丸眼鏡を掛けた小柄な女性。仙太郎が店長代理を任されたコンビニでバイトとして雇われた。原伊島で暮らす田中一族の一人で、仁太程ではないが「原伊仙」を使うことが出来、革人形を操ることも可能。小さなクリスタルタブレットを首から下げている。
田中仁太(たなか じんた)
<『怪盗クイーンと魔界の陰陽師』>
那由多の祖父。原伊島で猿と共に暮らしている。通常の体系の人をそのまま0.6倍に縮めたような姿。「原伊仙」という術の使い手で、島の周囲に結界を張る、式神を飛ばす、骨折を自力で治す等様々な能力を持つ。クリスタルタブレットを狙って島に集まった人々に、クリスタルタブレットを渡す条件として誰かの命を差し出すことを示す。

登場作品一覧編集

はやみねかおる講談社青い鳥文庫〉、既刊15巻

  • 『怪盗クイーンからの予告状』【いつも心に好奇心(ミステリー)!に収録】、2000年9月25日発行、ISBN 4-06-210410-5
  • 『怪盗クイーンはサーカスがお好き』、2002年3月15日発行、ISBN 978-4-06-148577-8
  • 『怪盗クイーンの優雅な休暇』、2003年4月18日発行、ISBN 978-4-06-148612-6
  • 『怪盗クイーンと魔窟王の対決』、2004年5月15日発行、ISBN 978-4-06-148651-5
  • 『出逢い+1(プラスワン)』 【おもしろい話が読みたい! 白虎編に収録】、2005年7月15日発行、ISBN 4-06-213023-8
  • 『オリエント急行とパンドラの匣』、2005年7月29日発行、ISBN 978-4-06-148693-5
  • 『怪盗クイーン、仮面舞踏会にて』(ピラミッドキャップの謎・前編)、2008年2月15日発行、ISBN 978-4-06-285002-5
  • 『怪盗クイーンに月の砂漠を』(ピラミッドキャップの謎・後編)、2008年5月15日発行、ISBN 978-4-06-285023-0
  • 『怪盗クイーン外伝 初楼 ―前史―』【おもしろい話が読みたい! ワンダー編に収録】、2010年6月25日発行、ISBN 978-4-06-216216-6
  • 『怪盗クイーン、かぐや姫は夢を見る』、2011年10月15日発行、ISBN 978-4-06-285233-3
  • 『怪盗クイーン公式ファンブック 一週間でわかる怪盗の美学』、2013年10月29日発行、ISBN 978-4-06-218638-4
  • 『怪盗クイーンと悪魔の錬金術師』(バースディパーティ・前編)、2013年7月15日発行、ISBN 978-4-06-285369-9
  • 『怪盗クイーンと魔界の陰陽師』(バースディパーティ・後編)、2014年4月15日発行、ISBN 978-4-06-285421-4
  • 『怪盗クイーン ブラッククイーンは微笑まない』、2016年7月8日発行、ISBN 978-4-06-285565-5
  • 『怪盗クイーン ケニアの大地に立つ』、2017年9月8日発行、ISBN 978-4-06-285655-3
  • 『怪盗クイーン ニースの休日』(アナミナティの祝祭・前編)、2019年7月13日発行、ISBN 978-4-06-516523-2
  • 『怪盗クイーン モナコの決戦』(アナミナティの祝祭・後編)、2019年8月10日発行、ISBN 978-4-06-516865-3

脚注編集

  1. ^ はやみねかおる『怪盗クイーンの優雅な休暇』講談社(青い鳥文庫)、2003年。
  2. ^ 彼は同作者の別シリーズである「モナミは世界を終わらせる?」の主人公、真野萌奈美の命を狙う暗殺者「ナル造」だった。
  3. ^ 作者はあとがきで、「彼が部屋から出たら、あらゆる事件は解決し物語は終わってしまう」と述べている。

関連項目編集

外部リンク編集