悪魔の棲む家
『悪魔の棲む家』(あくまのすむいえ、The Amityville Horror)は、1974年にロングアイランドのアミティヴィルで起きたと言われる超常現象を題材にしたジェイ・アンソン著のベストセラー『アミティヴィルの恐怖』を映画化した1979年のアメリカ合衆国のホラー映画。
悪魔の棲む家 | |
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The Amityville Horror | |
![]() 物語の舞台となったオーシャン・アベニュー112番地(1973年) | |
監督 | スチュアート・ローゼンバーグ |
脚本 | サンドール・スターン |
原作 |
ジェイ・アンソン 『アミティヴィルの恐怖』 |
製作 |
ロナルド・サランド エリオット・ガイシンガー |
製作総指揮 | サミュエル・Z・アーコフ |
出演者 |
ジェームズ・ブローリン マーゴット・キダー ロッド・スタイガー |
音楽 | ラロ・シフリン |
撮影 | フレッド・J・コーネカンプ |
編集 | ロバート・ブラウン・Jr |
配給 |
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公開 |
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上映時間 | 118分 |
製作国 |
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言語 | 英語 |
興行収入 | $86,432,000[1] |
次作 | 悪魔の棲む家PART2 |
ストーリー編集
1974年11月13日、ニューヨーク州ロングアイランドのアミティヴィルにある大邸宅でデフェオ一家が惨殺される事件が起こる。犯人は長男のロナルド・デフェオ・ジュニア。
地下室に閉じこもっていたという彼は就寝中の両親と4人の弟妹たちをライフルで次々と射殺。我に返ったロナルドは自ら警察に通報した。逮捕後、彼は「家が家族を殺すよう命じた」と主張したという。
それから1年後、子供たちとの暮らしのために新しい住まいを探していたジョージとキャシーのラッツ夫妻は、その日、新聞広告に載っていたこのアミティヴィルの大邸宅を訪れた。案内した不動産屋はこの邸宅で起きた殺人事件の事を話すが、値段の安さにひかれ夫妻は購入を決めた。
引っ越し当日、ラッツ夫妻と3人の子供たちはこれからの生活に心を躍らせるが、その夜からジョージや娘のエイミーが体調を崩し始め、やがて怪奇現象が一家に襲いかかる。
キャスト編集
※括弧内は日本語吹替
- ジョージ・ラッツ - ジェームズ・ブローリン(石田太郎)
- キャシー・ラッツ - マーゴット・キダー(寺田路恵)
- デラニー神父 - ロッド・スタイガー(宮川洋一)
- ボーレン神父 - ドン・ストラウド(徳丸完)
- ライアン神父 - マーレイ・ハミルトン
- ナンシオ神父 - ジョン・ラーチ
- エイミー - ナターシャ・ライアン(三好ゆり子)
- グレッグ - K・C・マーテル(鈴木一輝)
- マット - ミーノ・ペルス(池田真)
- ジェフ - マイケル・サックス(小島敏彦)
- キャロリン - ヘレン・シェイヴァー(有馬瑞子)
- ジャッキー - エイミー・ライト(木藤玲子)
- 巡査部長 - ヴァル・エイヴリー(加藤正之)
- ヘレナ叔母さん - アイリーン・デイリー(高村章子)
- ジミー - マーク・ヴァハニアン(石丸博也)
- 不動産屋 - エルザ・レイヴン(中島喜美栄)
- 検死官 - ジェームズ・トールカン
- 悪魔の声 - (千葉耕市)
スタッフ編集
- 製作総指揮:サミュエル・Z・アーコフ
- 製作:ロナルド・サランド、エリオット・ガイシンガー
- 監督:スチュアート・ローゼンバーグ
- 脚本:サンドール・スターン
- 撮影:フレッド・J・コーネカンプ
- 音楽:ラロ・シフリン
- 上映時間:118分
『アミティヴィルの恐怖』編集
「実話を映画化した」という触れ込みの本作だが、ジェイ・アンソンのこの原作にはかなりの嘘があることが指摘されている。とはいえ、一家惨殺のあった家にラッツ一家が越してきたことや最後の結末は事実である。しかしそれは映画とは違い、経済面でのトラブルによるものである[注 1]。
そんな夫妻の前に現れたのが、惨殺事件の裁判でロナルドの弁護を担当した弁護士であり、彼が夫妻に持ちかけたのが映画の設定にもあった“家に棲みつく悪魔の仕業”にし、一方で夫妻にとっては、体験談を出版することで多額の収入を得ることが出来るという話であった。そして1974年、折りしも『エクソシスト』の公開によりオカルト・ブームが巻き起こり、『アミティヴィルの恐怖』はベストセラーとなった。
評価編集
ラロ・シフリンは本作の音楽を手掛けたことにより、第52回アカデミー賞作曲賞にノミネートされた。
シリーズ編集
1979年のオリジナル以降本作は24本も続編が制作されており、2作目にはダミアーノ・ダミアーニ、3作目にはリチャード・フライシャーが監督に起用されている他、4作目では1作目の脚本家サンドール・スターンが監督と脚本を務めている。また、俳優面では3作目には無名時代のメグ・ライアンが主人公の娘の友人役で出演している。
- 『悪魔の棲む家PART2』シリーズ2作目(監督:ダミアーノ・ダミアーニ、脚本:トミー・リー・ウォーレス、出演:ジェームズ・オルソン、バート・ヤング、ルターニャ・アルダ)
- 『悪魔の棲む家PART3』シリーズ3作目 立体映画(3-D)(監督:リチャード・フライシャー、脚本:ウィリアム・ウェルズ、出演:トニー・ロバーツ、テス・ハーパー、ロバート・ジョイ)
- 『悪魔の棲む家 完結編』シリーズ4作目(監督・脚本:サンドール・スターン、出演:パティ・デューク、ジェーン・ワイアット、ノーマン・ロイド)
- 『続・悪魔の棲む家』シリーズ番外編(監督:トム・ベリー、脚本:マイケル・クルーガー、出演:キム・コーツ、ドーナ・ワイトマン、ヘレン・ヒューズ)
- 『アミティヴィル1992』シリーズ5作目(監督:トニー・ランデル、脚本:クリストファー・デファリア、アントニオ・トロ、出演:スティーヴン・マクト、ショーン・ウェザリー、ミーガン・ウォード)
- 『真・悪魔の棲む家』シリーズ6作目(監督:ジョン・マーロウスキー、脚本:クリストファー・デファリア、アントニオ・トロ、出演:テリー・オクィン、ジュリア・ニクソン、デヴィッド・ノートン)
- 『悪魔の棲む家・最終章/ザ・ポルターガイスト』シリーズ7作目(監督:スティーヴ・ホワイト、脚本:ジョシュア・マイケル・スターン、出演:ロビン・トーマス、スター・アンドレフ、レイチェル・ダンカン)
- 『パラノーマル・エンティティ4』(監督・脚本:ジェフ・ミード、出演:デヴィン・クラーク、ジョン・コンデリク、ルーク・バーネット)
- 『アミティヴィル・アサイラム』(監督・脚本:アンドリュー・ジョーンズ、出演:ソフィア・デル・ピッツォ、サラ・ルイーズ・マディソン、アイリーン・デーリー)
- 『Amityville Death House』日本未公開(監督:マーク・ポロニア、脚本:ジョン・オーク・ダルトン、出演:エリック・ロバーツ、マイケル・マーチャント、ダニエル・ドナウエ)
- 『アミティヴィル・シアター 悪魔が棲む場所』(監督:ジョン・R・ウォーカー、脚本:スティーブ・ハーディ、ジョン・R・ウォーカー、出演:ゲイリー・マーティン、アニア・マーソン)
- 『Amityville: Vanishing Point』日本未公開(監督:ディラン・グリーンバーグ、脚本:ディラン・グリーンバーグ、セレナ・マーズ、ジャーゲン・アザゼル・マンスター、出演:キャサリン・コーコラン、ロイド・カウフマン、セレナ・マーズ)
- 『The Amityville Legacy』日本未公開(監督・脚本:ダスティン・ファーガソン、マイケル・ジョンソン、出演:ジュリア・ファレル、マーク・ポペジョイ、シャイアン・キング)
- 『アミティヴィル/呪われた家』(監督・脚本:マイケル・アンジェロ、出演:ニコール・トンプキンス、カイウィ・ライマン、キム・ニールセン)
- 『Amityville: No Escape』日本未公開(監督・脚本:ヘリンク・クート、出演:ジョニ・ドリアン、アリア・ガブリエル・エックハルト)
- 『Amityville: Evil Never Dies』日本未公開(監督・脚本:ダスティン・ファーガソン、出演:ダレン・バルコム、クリント・ビーバー、リュック・ベルニエ)
- 『Amityville Exorcism』 日本未公開(監督:マーク・ポロニア、脚本:ビリー・ダマト、出演:マリー・デロレンツォ、ジェフ・ケンダル、ジェームズ・キャロルス)
- 『Against the Night (Amityville prison)』日本未公開(監督・脚本:ブライアン・カヴァッラロ、出演:ハンナ・クリーマン、ルーク・ペルシアーニ、フランク・ホエーリー)
- 『アミティヴィル:ジ・アウェイクニング』日本未公開(監督・脚本:フランク・カルフン、出演:ベラ・ソーン、キャメロン・モナハン、ジェニファー・ジェイソン・リー)
- 『Amityville: Mt. Misery Road.』日本未公開(監督:チャック・モロンギーロ、カロリーナ・モロンギーロ、脚本:チャック・モロンギーロ、出演:チャック・モロンギーロ、カロリーナ・モロンギーロ、カーティス・ワイカ)
- 『悪魔の棲む家 REBORN』(監督・脚本:ダニエル・ファランズ、出演:ジョン・ロビンソン、チェルシー・リケッツ、ポール・ベン=ヴィクター)
- 『Amityville Island』日本未公開(監督:マーク・ポロニア、出演:ジェフ・ケンダル、ダニエル・ドナヒュー、ジェイミー・モーガン)
- 『Amityville Vibrator』日本未公開(監督・脚本:ネイサン・ルムラー、出演:コレラ・ワーリング、マロリー・マネター、エミリー・ヒルボーン)
- 『The Amityville Harvest』日本未公開(監督・脚本:トーマス・J・チャーチル、出演:セイディー・カッツ、ポール・ローガン、カイル・ラウダー)
リメイク編集
2005年にマイケル・ベイ製作によってリメイクされた。
オリジナル版とリメイク版の相違編集
1979年製作のオリジナル版は家に引っ越した一家と並行し、この家の祝別に訪れた神父も中心人物として描かれており、邸宅で起きたデフェオー一家殺人事件を捜査した刑事が登場するなど、全体的に『エクソシスト』のような感じに作られている。
それに対し、2005年製作のリメイク版はこの神父や刑事の存在を排除し、家に引っ越してきた一家が悪霊に蝕まれていく様を中心に描いている。また、オリジナル版では幽霊少女は姿を現さなかったが、リメイク版では姿を現しているところや、家に越してから態度が豹変してゆくジョージが、リメイク版では家の外に出るとその効力がなくなる等の相違が見られる。
脚注編集
注釈編集
- ^ 一応本作中でも、経済的な問題について触れている場面はある。
出典編集
- ^ “The Amityville Horror (1977)”. Box Office Mojo. 2010年9月6日閲覧。
外部リンク編集
- The Amityville Horror Trilogy (SOLD OUT) - Shout! Factory(英語)
- 悪魔の棲む家<HDマスター・スペシャルエディション> - Titles | 是空(ぜくう) | 映画・映像作品のプロデュース、パッケージソフト発売会社 | Zeque Productions, LLC.(日本語)
- 悪魔の棲む家 <HDマスター・スペシャルエディション> Blu-ray | ポニーキャニオン(日本語)
- 悪魔の棲む家 - allcinema
- 悪魔の棲む家 - KINENOTE
- The Amityville Horror - オールムービー(英語)
- The Amityville Horror - インターネット・ムービー・データベース(英語)