愛のごとく』(あいのごとく)は、山川方夫1964年(昭和39年)2月に執筆した小説[1]新潮の第61巻同年4月号に収録・発表された。筆者の繊細巧緻な作風を広く印象付けた作品。執筆されたのは、生田みどりとの結納を済ませ、結婚式を三ヶ月後に控えた時期である。単行本『愛のごとく』(あいのごとく)は、1965年(昭和40年)3月に新潮社から発行されたが、山川はその直前の2月19日に交通事故に遭い翌20日に死去[1]

愛のごとく
著者 山川方夫
発行日 1964年
発行元 新潮社
ジャンル 小説
日本の旗 日本
言語 日本語
形態 小説
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書籍情報編集

 
1964年の山川方夫
  • 愛のごとく
    • 雑誌:「新潮」第61巻、1964年4月号、全国書誌番号:00012331NDLJP:10231788
    • 単行本:新潮社、1965年発行、全国書誌番号:65002377NDLJP:1672306
    • 文庫:新潮社(新潮文庫)、1974年発行、全国書誌番号:75069783
    • 文庫:講談社(講談社文芸文庫)、2016年発行、ISBN 9784062955058

概要編集

「私はいつも自分にだけ関心をもって生きてきたのだ。」という鮮烈な一行から始まる。29歳の主人公「私」は、家族との激しい葛藤から逃れるように人妻と嗜虐的な情事に溺れていく。自分と家族・他者との関係性を描く。

登場人物・動物編集

ラジオ脚本家の29歳の男。父を早くに亡くし、母と姉と妹の同居生活を送る。

過去に付き合っていた女。既婚者だが、私との7年ぶり再会を経て過激な性愛の関係に溺れる。物語の最後に交通事故死を遂げる。

書評・分析編集

文芸評論家書評家池上冬樹は、本作の主人公「私」が家族との葛藤や女性との激しい関係で苦しむ姿は、自由に青春を楽しむことができる若者の姿ではなく、家族への”屈辱に似た感情、赤黒く光る熱いどろどろとしたもの”を抱えていると評している[2]

脚注編集

  1. ^ a b 図書カード:No.57058”. 青空文庫. 2018年3月5日閲覧。
  2. ^ 池上 2002, pp. 203–204.

参考文献編集

  • 池上冬樹 『ヒーローたちの荒野』本の雑誌社、東京、2002年6月25日、6-33頁。ISBN 4-86011-013-7 
  • 松村友視「愛のライフタイル「愛のごとく」―愛という名の日常―」『國文學 : 解釈と教材の研究』第36巻第1号、學燈社、東京、1991年1月、 97-99頁、 ISSN 0452-3016

外部リンク編集