社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院(おんしざいだんぼしあいいくかい そうごうぼしほけんセンターあいいくびょういん)は、東京都港区芝浦にある医療機関産婦人科小児科新生児科を中心とした周産期の専門病院である。

愛育病院
愛育病院外観
愛育病院外観
情報
正式名称 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院
英語名称 Aiiku Hospital
標榜診療科 内科、小児科、小児外科、皮膚科、産婦人科、麻酔科
許可病床数 160床
一般病床:160床
職員数 390
開設者 社会福祉法人恩賜財団母子愛育会
管理者 百枝幹雄(院長)
開設年月日 昭和13年12月
所在地
105-8321
東京都港区芝浦1丁目16番10号
位置 北緯35度38分45.6秒 東経139度45分8.6秒 / 北緯35.646000度 東経139.752389度 / 35.646000; 139.752389座標: 北緯35度38分45.6秒 東経139度45分8.6秒 / 北緯35.646000度 東経139.752389度 / 35.646000; 139.752389
二次医療圏 区中央部
PJ 医療機関
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概要 編集

愛育病院は、1934年昭和9年)に、明仁親王の出産を記念し、昭和天皇より受けた下賜金をもとに作られた「恩賜財団母子愛育会」によって、1938年(昭和13年)に開設された。現在の設置者は「社会福祉法人恩賜財団母子愛育会」であり、総裁文仁親王妃紀子に推戴している[1]

1986年(昭和61年)3月8日憲仁親王妃久子承子女王を出産した(以降、同じ病院にて千家典子(典子女王)、守谷絢子(絢子女王)を出産した)のをはじめ、2006年平成18年)9月6日には、母子愛育会の現総裁である文仁親王妃紀子悠仁親王を出産した。

また、都内の出産事情においては、聖路加国際病院山王病院と共に、「ブランド出産御三家」の一つとされている[注釈 1]

総合母子保健センターには「特殊ミルク事務局」が設けられており、新生児マススクリーニングで発見される先天性代謝異常症児の治療を目的とした特殊ミルクの供給事務事業を、国の助成と乳業メーカーの協力により運営している[2]

立地 編集

2015年2月に、東京都港区南麻布5丁目6番8号から、現在の所在地である東京都港区芝浦(複合施設みなとパーク芝浦敷地内)へ移転した。以前の施設は「愛育クリニック」として診療を継続しており[3]、敷地内には「愛育幼稚園」等が設置されている[4][注釈 2]

診療 編集

診療科は小児科産婦人科新生児科麻酔科小児外科小児精神科・女性内科・女性外科・放射線科・女性ドック。病床数は160床。2014年(平成26年)の分娩数は1,781件(移転前)。

出産に関する医療に専門的に取り組んでおり、特に、妊娠後期から新生児早期までの周産期医療では全国有数の施設を備えている。1999年平成11年)には、新生児集中治療室(NICU)や母体・胎児集中治療室(MFICU)も整備し、東京都から周産期医療の専門病院として地域で中心的な役割を担う「総合周産期母子医療センター」の指定を受けるなど、最先端設備によってリスクの高い出産への対応も可能である。「自然なお産」を方針に掲げており、産後の母体の回復を見てできるだけ早期に母子同室とするなどの特色がある。

略史 編集

  • 1938年(昭和13年)12月13日 - 「愛育医院」(小児科)として開設
  • 1940年(昭和15年) - 産科を設置
  • 1949年(昭和24年) - 愛育病院に改称
  • 1996年(平成8年) - 皮膚科(小児専門)外来設置
  • 1997年(平成9年) - 心理福祉室設置
  • 1999年(平成11年) - 内科・麻酔科設置、東京都の「総合周産期母子医療センター」に指定
  • 2002年(平成14年) - 小児外科設置
  • 2009年(平成21年) - 36協定未締結が発覚。三田労働基準監督署労働基準法に基づく是正勧告
  • 2015年(平成27年) - 東京都港区芝浦1丁目に移転[5]

医療機関の指定等 編集

近隣の施設 編集

交通アクセス 編集

在籍していた人物 編集

括弧内は在籍当時の代表的な役職、ハイフン以降はその他の代表的な役職を示す。

  • 安達知子(院長) - 東京女子医科大学医学部助教授
  • 石川紀子(母子保健科外来部門師長) - 静岡県立大学看護学部准教授
  • 岡井崇(院長) - 昭和大学医学部教授
  • 内藤寿七郎(院長) - 日本赤十字社中央病院小児科部長
  • 中林正雄(センター所長) - 東京女子医科大学母子総合医療センター教授

出産した皇族 編集

誕生した皇族 編集

脚注 編集

注釈 編集

  1. ^ 本院で出産した女性達の出産事情や生活レベルをルポした書籍に『愛育ママの秘密』(桜井美貴子著 ブックマン社 2007.3)がある。
  2. ^ なお、旧施設が「愛育クリニック」となった後も旧施設最寄りの交差点は「愛育病院前」のままとなっており、注意を要する。

出典 編集

  1. ^ 母子愛育会の歩み
  2. ^ 特殊ミルク事務局
  3. ^ 愛育病院移転整備について
  4. ^ 施設紹介
  5. ^ 病院移転整備について”. 愛育病院. 2015年3月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月7日閲覧。

関連項目 編集

外部リンク 編集